経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、有収水量の増加等により使用料収入が増加したため、昨年度から3.85ポイント上昇した。③流動比率は、昨年度から20.43ポイント上昇し類似団体平均を上回っている。しかし、100%を下回っているため、経営改善により支払能力を高める必要がある。④企業債残高対事業規模比率は企業債残高の減少と使用料収入の増加により、昨年度から101.31ポイント低下したが、未だ類似団体と比較して高く企業の持続性・安定性に課題があると考えられる。今後、使用料の見直しとともに投資規模の検討を行う必要がある。⑥汚水処理原価は、一般会計から「分流式下水道等に要する経費」として繰入を受けた分のうち、昨年度は使用料単価(使用料収入/年間有収水量)を168.35円/㎥まで上げたときに回収できる分を汚水処理費に含めていたが、当年度はこの単価を172.22円/㎥としたため汚水処理費が増加し、昨年度から3.87円上昇している。⑧水洗化率は類似団体と比べて低い数値となっており、水洗化率向上の取組が必要であると考える。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は類似団体と比べ低くなっている。③管渠改善率も類似団体と比べ低くなっている。これらにより、現状施設の改築等の必要性は低いといえるが、今後迎える改築に向けた財源の確保や長期的な投資計画の検討が必要であると考えられる。
全体総括
令和3年度決算は、使用料収入の増加などにより純利益が増加したが、人口減少や節水機器の普及により厳しい経営状況になることが予想される。また、企業の持続性・安定性には課題があるといえ、今後更新投資の際には経費削減を目的としたダウンサイジングの検討が必要と考えられる。令和2年3月に策定した経営戦略の進捗状況について、PDCAサイクルに基づいたフォローアップを3年に1回行い(令和4年度見直し予定)、経営の健全化を目指す。