経営の健全性・効率性について
町全域の面整備を集中的に実施したことにより、平成16年度までに一部を除き面的整備は完了しています。これにより、令和3年度末の水洗化率(⑧)は98.7%となっています。収益的収支比率(①)は、100%を上回ることが望ましいとされている中、近年は80%前後を推移しています。比較的短期間に集中して設備投資を行ってきたことから、今後は地方債償還金の減少とともに改善される見込みです。企業債残高対事業規模比率(④)は類似団体と比較して下回っており、経費回収率(⑤)についても、汚水処理費のうち資本費が減少傾向であるため、100%まで上昇しています。汚水処理原価(⑥)については、平成19~21年度に補償金免除繰上償還を実施したことや、平成15年度に下水道課を廃止し、建設部都市計画課に編入以降、最少人員(2名)で職務を行うこと等により維持管理費の抑制を図っており、改善傾向にあります。
老朽化の状況について
昭和62年に供用開始した浜宮ポンプ場については、平成22年度に附帯設備等の長寿命化計画を策定し、平成25年度に長寿命化工事を終え、令和4年度に機械設備、電気設備のストックマネジメント計画を策定する予定であり、計画的な更新を行っていく予定です。また、公共下水道の供用開始から約30年が経過しており、汚水管渠については、先行して整備した地区から、平成29年度にストックマネジメント計画を策定し、令和元年度から長寿命化工事に着手しております。
全体総括
収入面においては、今後、節水意識の高揚や企業のコスト削減により有収水量及び使用料の緩やかな減少が見込まれます。そのため、使用料収入の大幅な増加は見込めませんので、類似団体や近隣団体の経費回収率等を鑑みながら、使用料改定による営業収益確保の取り組みが必要と考えます。5年ごとの料金改定を継続的に行い、現状を維持できる見通しとしています。支出面においては、令和4年度以降、安芸地区衛生施設管理組合から排出されるし尿等を下水道に投入するための前処理施設を整備する予定であり、この建設事業費が上振れ要因として挙げられます。なお、令和6年度からは公営企業会計への移行を予定しており、より詳細な経営状況の把握や経営改善手法の検討が可能となる見通しです。