経営の健全性・効率性について
令和2年度より地方公営企業法を適用し公営企業会計へ移行している。当市の公共下水道の整備率は、令和3年度末現在で66.7%と低く、現在も面整備の促進を図っているところである。①経常収支比率は100%を上回り、費用を収益で賄えている状況であるが、一般会計からの繰入金に依存しているため、面整備の促進と接続率の向上及び適正な使用料単価による使用料収入の確保と経費削減が必要である。③流動比率は類似団体と比べほぼ同水準となっているが100%に満たない状況である。これは、現在も未普及地域に対し面整備を図っており、企業債償還額が多額となっているためである。④企業債残高対事業規模比率は、類似団体と比べ極めて高い状況であるが、今後も面整備や施設の改築・更新に投資を要するため、更に高まることが予想される。⑤経費回収率については、年度毎の実施する事業費用により高低はあるが、現在面整備の途中であるため、今後の面整備率と接続率の向上により改善が見込まれる。⑥汚水処理原価は、会計年度毎の実施事業により増減はあるものの、類似団体と比較し概ね同水準で推移しているが、更なる管理費用の抑制や効率的な運営管理を行う必要がある。⑦施設利用率と⑧水洗化率については、類似団体平均値と比べ低くなっているものの、今後面整備の進捗及び接続の促進に伴い、排水量の増加及び接続率の向上により、改善が図られることが見込まれる。
老朽化の状況について
当該事業の供用開始は、肱南処理区が平成7年度、肱北処理区が平成20年度である。汚水管渠については、耐用年数が50年とされていることから、現時点での更新工事の必要性は低い。処理場については、肱南浄化センターにおいて建築後20年以上が経過し、施設の経年劣化や設備の機能低下が生じていることから、平成23年度より長寿命化事業を実施し平成30年度に完了した。また、雨水ポンプ場及び肱北浄化センター等の施設についても老朽化等に対応するため、平成29年度にストックマネジメント実施計画を策定、令和元年度に実施設計を作成し、令和2年度から令和4年度にかけて計画的な改築更新を実施している。
全体総括
当該事業の経営状況は、累積欠損金はないものの、その他の指標については健全性・効率性ともに類似団体の平均値を下回る状況となっている。これを改善し、健全で安定した下水道経営を目指すため、全体計画区域の縮小や事業計画区域の拡大による事業規模の適正化を図っている。また、維持管理費の削減や効率的な運営管理に努め、面整備の促進と併せて、戸別訪問等による接続促進を行うことで接続率向上を図るとともに、適正な使用料収入の確保のため、使用料改定の必要性について、定期的に検証することとしている。今後においても経営戦略に基づき、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上に努める。