経営の健全性・効率性について
公共下水道事業は現在も宝積寺処理区の一部において、汚水管渠整備を進めています。①経常収支比率は黒字であることを示す100%を超えており、短期的な債務に対する支払い能力を表す③流動比率も平均値を上回っておりますが、⑤経費回収率は100%に届いていないため、使用料で回収すべき費用を全て使用料で賄えていない状況です。また、⑥汚水処理原価においては一般会計が繰出基準に基づき負担する額を控除しているため150円/㎥となっています。④企業債残高対事業規模比率は、現在も起債により事業拡大を行っていることから、整備が完了し、起債の償還が進むまでは今後も平均を上回る見込みです。⑦施設利用率については、供用開始区域の拡大や水洗化率の向上により年々高くなっており、類似団体平均値及び全国平均よりも高い水準であることから、適正な利用状況であるといえます。⑧水洗化率については、約85%であり全国平均と比べると低いものの類似団体とは同水準となっています。令和3年度においては供用開始区域の拡大による処理区域内人口の増加よりも公共下水道への接続人口の増加分が上回ったため、微増となりました。
老朽化の状況について
事業着手から約30年が経過しており、類似団体よりは低い比率ではあるものの、老朽化が進行している施設については修繕や改築の必要があります。そのため、平成30年度に中長期的な視点で管渠、処理場施設の状態を予測しながら、計画的・効率的に管理運営するための計画「ストックマネジメント計画」を策定しました。引き続き、その計画をもとにライフサイクルコストの低減に努めていきます。
全体総括
平成31年2月、令和元年度から令和10年度までの10年間について、計画的かつ合理的な経営を行い、安定的な事業運営を今後も持続させることを目的とした「下水道事業経営戦略」を策定しました。引き続き、決算確定後には投資・財政計画と実績の比較検証を行い、計画と乖離が生じる場合には、その原因を分析し、必要な見直しを行っていきます。また、下水道使用料の改定を令和5年4月に予定しており、今後は使用料収入の増加に伴い経費回収率が改善される見込です。併せて水洗化の促進を行い今後の財源の確保に努めていきます。