琴平町：公共下水道

経営の健全性・効率性について

収益的収支比率は、下水道整備事業の先行投資にかかる起債償還額および利息の支払い、流域下水道の維持管理負担金等が近年の有収水量の減による使用料収入の減収と相まって、100％未満の状況が続いている。同様の理由により経費回収率についても類似団体平均値を下回っている状況が続いており、汚水処理原価も類似団体平均値を上回っている。近年のこの状況を改善する方策として、人件費の見直しによる維持管理費の削減や、地方債償還金を資本費平準化債により平準化を行う等の経営の健全化を行ってきたところであるが、更に経営の健全性・効率性を高める方策として、平成２７年７月に料金改定を行い年間約２１％の増収を見込んでいる。また、水洗化率については、下水道施設の有効利用の観点から、毎年行っている未接続世帯への戸別訪問を継続して行い、類似団体平均値を下回っている水洗化率を向上すると同時に、有収水量及び使用料収入が増加するように引き続き努めていく。なお、今後数年においては大幅な整備も行わないため、企業債残高は緩やかに減少が続くことが想定される。また一部地域については、地理的要因により整備費用が増大することが見込まれるため、引き続き費用対効果を検証し、合併浄化槽による水洗化の対応も含めて下水道事業を実施していきたい。以上の方策により各指標が改善へと向かうものと考えている。

老朽化の状況について

琴平町における下水道管渠の整備については、昭和６２年から順次整備を行い現在に至っており、平成２７年度において最長で２９年経過している。下水道管渠の処分制限期間２０年を経過している管渠はあるものの、標準耐用年数は５０年となっているため、現時点で改築・更新作業は行わず、今後において点検及び調査を行ったうえで、長寿命化計画を策定して、予防保全的な管理を行うと共に既存ストックを活用して、計画的に改築・更新を行う予定である。なお、琴平町の下水道は金倉川流域公共下水道に属しており処理場は保有していない。

全体総括

平成２６年度決算及び今後の見通しについて、若干ではあるが各経営指標に改善の傾向がみられる状態である。また、平成２７年７月の料金改定により更なる経営の健全性・効率性の向上が期待できると考えているが、同時に維持管理費の見直しも随時行っていく。また、今後、施設の老朽化が進むに連れ、更新費用の増加が見込まれることから、長寿命化計画等により更新費用の平準化を図れるよう対応していくことにより、下水道事業の経営を持続可能なものとしていく。