経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、平成26年度で57.91%であり、100%を割り込んでいることから単年度収支が赤字であることを示している。これは、企業債償還金が経営を圧迫していることが要因である。④企業債残高対事業規模比率は、料金収入に対する企業債残高の割合であり、類似団体平均値と比較すると良い指標を示しているが、全国平均は下回っている。経年比較では改善傾向にあるが、これは企業債残高が減少していることが要因である。⑤経費回収率は、料金収入で回収すべき経費をどの程度賄えているかを示す指標であり、類似団体平均値とほぼ同数であるが、全国平均とは大きく乖離している。平成26年度現在では71.21%であり、汚水処理費用の約7割程度しか料金収入で賄えておらず一般会計からの繰入金等に依存している状況を示している。⑥汚水処理原価は、有収水量1㎥当たりの汚水処理費であり、類似団体平均値と比較して良いが全国平均を下回っている。経年比較では年々若干原価が増加している。これは、人口減少等による有収水量の減少が要因である。⑧水洗化率は、類似団体平均値より良いが全国平均は下回っている。人口減少が原因と考えられる。
老朽化の状況について
公共下水道事業は、昭和56年度より面整備を年次計画で実施してから平成27年度で35年目に入り、また昭和62年度より一部供用開始し29年目となり、下水道施設の老朽化が目立つ。管渠改善率の指標からは、類似団体平均及び全国平均を大きく上回る結果となっているが、平成26年度実績は0.77%であり、このままでは、すべての管路を更新するのに130年かかるペースとなっている。早期の更新を図る為には、管路更新のペースを引き上げる必要がある。
全体総括
今後の下水道事業は、少子高齢化に伴う人口の減少等から、さらなる料金収入の低下が見込まれる。また、施設の老朽化による更新費用が年々増加することから、より一層効率的な経営が求められるところである。【今後の取組】1.下水道に対する住民の理解を深める事により水洗化率を向上させ、有収水量の増加を図る。2.事業認可区域の見直しにより、新規投資を抑制し費用を削減すると同時に企業債残高の圧縮に努める。3.経費回収率が低く、整備した施設が現状では適切な料金収入に結びついていない事から、料金収入の適正化を図ることにより一般会計からの繰入金を圧縮する。4.平成32年度に会計の法適用化を行い財政状況を明確にし経営の健全化と長期的な展望の基、持続可能な経営を目指す。