経営の健全性・効率性について
①の経常収支比率は毎年110%前後を推移しているが、前年度より2.55%アップとなり、⑤の料金回収率も100%以上となっていることから、健全な運営がなされており、料金水準においても現時点では適切であると考える。②の累積欠損金比率については、該当は無い。給水収益はわずかであるが増加し、維持管理費等は前年並みで推移しており、今後も経費節減等に努力する必要がある。③の流動比率は短期的な支払能力についての指標であるが、類似団体や全国平均よりも高い数値となっており、流動資産の一つである現金預金も増加しており、流動負債の一つである一時借入金は横ばい状態にあるため、健全な状態であると考える。④の企業債残高対給水収益比率は若干ではあるが減少傾向となっている。毎年度同等の投資を実施している中で債務残高が減少していることは良好と考える。⑤の料金回収率については、100%を上回っており、給水収益で給水に係る費用を賄えている状況である。⑥の給水原価については、類似団体や全国平均よりもかなり低く抑えられている状況である。⑦の施設利用率については、類似団体や全国平均よりも高い数値となっており、施設が効率的に利用され、適正規模であると考える。今後利用率が減少するようであれば、ダウンサイジング等の検討も必要であると考える。⑧の有収率については、類似団体や全国平均よりも低い数値となっており、効率性があまり良くなく、施設の稼働状況が収益に充分反映しているとは言えない状況である。有収率が低い要因は、主に漏水等にあると考えており、毎年度計画的に不表現漏水箇所の調査を実施している。
老朽化の状況について
①の有形固定資産減価償却率については、類似団体や全国平均とほぼ似たような数値となっている。わずかではあるが右肩上がりとなっており、資産の老朽化が進みつつあると考える。②の管路経年化率については、類似団体や全国平均よりかなり高くなっており、平成27年度に法定耐用年数を経過した管路が多くあったことを示している。今後も増加すると考えられるため、老朽管の計画的な更新の必要がある。③の管路更新率については、類似団体や全国平均よりも低い数値となっているが、計画的に管路更新は行っている。更新率が減少した理由は、対象年度においては、管路更新以外の施設整備等に係る投資が多かったことによる。
全体総括
日置市水道事業の経営状況について、類似団体平均及び全国平均との比較では①~⑦の全てにおいて良い数値となっており、健全な状態にあると考えている。しかしながら、⑧の有収率については、効率性があまり良くないため、原因となる不表現漏水やメーター不感等について計画的に調査している状況である。また、日置市の水道施設は、昭和29年から昭和56年に整備されたものが大半を占め、老朽化が進んでいるため、道路改良工事に併せた管路更新に加えて、優先度に応じた計画的な管路更新が必要であると考える。