阿波市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

経常収支比率は100％以上を維持しているが減少傾向となっており、主に維持管理費のさらなる削減が必要である。累積欠損金は無く、また流動比率は平均値よりも高く、短期的な支払能力は十分だと考えられる。企業債残高対給水収益比率は前年比で減となったが増加傾向であり、今後の老朽管の更新事業や給水収益の減少と相まって懸念事項となっている。料金回収率は100％以上で推移し、平均値以上であるが今後料金の見直しについても考慮の時期が近づいている。給水原価は平均値より下回っており、また施設利用率も平均値とほぼ同等であるため施設規模は妥当であると考えられる。有収率は前年比で2％を超える増加となっているものの、平均値より低く、修繕費、電気代等の増加を招き収益を圧迫する基となっているため、有収率の向上が喫緊の課題である。

老朽化の状況について

有形固定資産減価償却率が高く、施設の老朽化が進んでいる。また管路の経年化比率も今後増加が予想される。管路更新率は平成２７年度は新設の送水管布設事業を主に行ったため、実績値が０となった。老朽管路の更新は重要管路を主に進めることとしており、より具体的な整備計画として策定済みの阿波市水道ビジョンに基づいた「基本計画」の策定を進めている。

全体総括

施設全体が老朽化し、老朽管路等からの漏水等により有収率が67.83％と平均値と比較しても低くなっている。その結果、修繕代、電気代等の費用の増加を招き、人口減少による給水収益の減少と相まって経営を圧迫する要因となっている。そのため老朽管路の更新及び漏水個所の修繕等による有収率の向上が当面の最重要課題である。また中長期的には、料金の見直しも検討する必要があると考えられる。