経営の健全性・効率性について
①の経常収支比率が111.65%であることが示すように単年度黒字であり、累積欠損金(グラフ②)も生じてないので、現時点において経営状態は健全である。③の流動比率は、100%以上であり、短期的な負債以上に現金預金等の流動資産を有していることを示している。⑤の料金回収率の値は105.08%であり、給水に係る費用は給水収益(水道料金)によって全て賄えている。また、⑥の給水原価が、全国平均値、類似団体平均値よりともに低い数値であることから、1㎥にかかる費用は安価であり、費用の効率性は高いと言える。④の企業債残高対給水収益比率の数値が各平均値を上回っているのは、水道料金が比較的安価であるのに加え、第4次拡張事業、簡易水道統合等の大型投資を行ったことが大きな理由である。現在は、企業債の残高を減少させるため、管路・施設更新に係る工事費の財源の半額を自己財源とするなど、企業債への依存度を低減し、企業債残高の減少に努めており、年次的には減少傾向にある。⑦の施設利用率は類似団体平均値よりやや低い数値となっており、安定した給水であるが、余力を残した状態である。⑧の有収率は平成27年度は、微減したものの、老朽管更新等の成果により各平均値より高い数値を維持している。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値より下回っているため、有形固定資産全体としては、やや新しいと言えるが、管路経年化率は類似団体平均値より高い。現在、一年あたり約5㎞を目途に老朽管更新を実施していてるため、管路更新率は高い数値である。今後はアセットマネジメントに基づき、さらに有効かつ計画的な老朽管更新を実施する。
全体総括
短期的な視点において経営状態は、良好であるといえるが、将来的には人口減少等の要因により、給水収益が大きく減少することは不可避であると考えられる。老朽管及び施設更新は、安定給水を実施するにあたり必要不可欠なものであるが、莫大な費用も必要となる。そのため水道ビジョン・経営戦略に基づいた事業運営に努め、様々な経営手法等を検討し、水道事業の健全な経営の持続を図る。