経営の健全性・効率性について
・経営の健全化経常収支比率はわずかに減少したものの、全国平均及び類似団体の平均と同程度の数値となっている。今後、簡易水道事業との統合も控えるため、引き続き料金収入の確保と適切な維持管理による経費の節減に努めていく。流動比率は、以前行った繰上償還の影響もあって昨年より全国平均及び類似団体の平均を下回る状況となっているが、昨年よりわずかながら上昇しており、更に改善していく考えである。企業債残高対給水収益比率は類似団体の傾向と同じように、ここ数年はわずかずつとはいえ、順調に減少していると考えている。料金回収率は昨年より微減とはなったが、平年並みの数値を維持している。・効率性給水原価は、ここ数年140~150円程度で安定的に推移しており、全国平均及び類似団体の平均を下回る状況が続いている。施設利用率は近年の数値と大きな変動はなく、有収率もほぼ平年並みの数値であった。施設利用率に対して、給水原価や有収率及び料金回収率も大きな動きがない状況であることから、効率的かつ安定した営業が続いていることが窺える。また、施設や管路の老朽化が進んではいても、現状でこれらの維持管理について適切な対応が図られていることが、有収率の安定につながっているのではないかと考えられる。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、類似団体の傾向と同じように年々少しずつ伸びている。管路更新率は、ここ数年減少傾向にあり、平成27年度は類似団体の平均と同程度となった。これは、目前に迫った簡易水道事業との統合に向けた取り組みや事業を優先させている影響によるものと思われる。しかし、施設や老朽管の耐久性も年々悪化していくため、長寿命化や計画的な更新の実施と、適正な維持管理が必要と考えている。
全体総括
当市の上水道事業区域は、河川の堆積によって形成された平坦地域に展開し、居住区域も比較的集中していることから効率的な配・給水が可能であり、また平成16年度の市町村合併時における料金設定も、上水道事業の料金形態に統一されたことから影響はなく、現在も比較的安定した経営状態である。しかし、経営基盤の脆弱な簡易水道事業との統合が目前に迫るなか、統合後における収入面や旧簡易水道施設の維持管理等を考慮すると、現在の経営状況への影響が危惧されたため、平成29年度より料金改定することとしている。