経営の健全性・効率性について
①経常収支比率、③流動比率、⑤料金回収比率とも100%を超えており、経営は健全であるといえるが、流動比率が前年度に比べ大きく下がっている。これは、真美ヶ丘配水場整備工事や耐震管への布設替工事を企業債借入を行わず自己資金で実施したことで現金が減少し、3月末時点の未払金が増えたためである。また、料金回収率については、今後、給水人口減や節水による給水量の減少による給水収益の減収が見込まれるため、維持修繕や運営に係るコストの見直しに取り組む必要があるといえる。⑦施設利用率が低く、配水量は年々減少している状況であり、今後は給水人口の減少も見込まれるため、施設の規模や遊休状態を把握し、必要に応じてダウンサイジング等を行う必要があると考える。④企業債残高対給水収益比率については、平成7年度から企業債の借入を行っていないため非常に低い数値となっているが、今後、水道管の更新事業が増加すれば、企業債の借入も必要となってくると見込まれる。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率が高めであり、法定耐用年数に近い資産が多いといえる。また、②管路経年化率が前年から大きく増加しており、昭和32年4月に供用開始して以来58年が経過し、法定耐用年数を超えている管路が多くなってきているといえる。以上のことから、近い将来、更新に係る経費が必要となってくると見込まれる。③管路更新率は27年度では1.37%であり、この率で計算すると全ての管路を更新するのには70年以上かかることとなる。更新率を上げるための計画の見直しも必要と考えられる。
全体総括
経常収支比率、流動比率、料金回収比率から見て経営は今のところ健全であるといえる。平成25年度に策定した更新計画により順次、管路の更新を行っているところであるが、管路経年化率が高く、今後、施設の更新の増加が見込まれる。今後、管路更新工事の増加や給水人口の減少などにより、現行の料金収入では不足が生じてくると考えられる。効率的な事業運営や施設更新に取り組みながら、企業債の借入や料金改正も視野に入れる必要がある。