経営の健全性・効率性について
経営の健全性・効率性を表す指標が、前年度と比較しますと悪くなっています。経常収支比率や料金回収率が減少する要因は、大口需要家の事業撤退による給水収益の減少と、浄水場等の水道施設建設に伴う減価償却費の増加にあります。また、簡易水道事業との統合により累積欠損金も引き継いでおり、累積欠損金比率も高い数値となりました。市内に2浄水場を新たに建設したことにより、流動比率と施設利用率も悪化しています。このような状況を踏まえ、平成29年1月に西脇市水道事業経営戦略を策定しました。概要としましては、①基幹病院や指定避難所を重要給水施設と位置付け、重要給水施設へと繋がる配水管から更新を進める。管路更新の優先順位をつける。②管路更新年数の設定を法定耐用年数から実使用年数に変更。年平均5.4億円の事業費を年平均3.1億円に圧縮する。③耐震性能を有する低コスト耐震管を採用し、工法の見直しを行う。④水需要を見直し、8浄水場整備計画を4浄水場整備計画に改め、廃止、休止、統合するなどスリムな整備計画を実施する。以上4点の計画を実施することにより、維持管理経費が削減され、平成35年度で累積欠損金が解消し、20年後には流動比率400%、料金回収率100%、企業債残高対給水収益比率300%以内を目標指標として設定しました。施設利用率も施設の統廃合、ダウンサイジングにより80%まで上昇し、効率性が高まります。
老朽化の状況について
管路経年化率からも分かるように管路の老朽化が進行していますが、法定耐用年数に合わせて管路の更新を行っていくと、水道事業の経営に大きな負担がかかります。本市の水道料金は県内で比較しても高い水準であり、使用者に新たな金銭的負担を求めることなく管路更新を円滑に行うため、西脇市水道事業経営戦略を平成29年1月に策定しました。上述のとおり、基幹病院や指定避難所を重要給水施設として位置付け、最優先に重要給水施設への管路耐震化、管路更新時期の延伸化による事業費の削減等を計画しています。平成22年度より国庫補助事業の採択を受け、老朽管路更新事業を行っており、基幹管路より随時、整備を進めていきます。
全体総括
平成28年度を以って、2浄水場整備、簡易水道事業の統合整備が終わり、平成29年度では、基幹水道施設である『春日浄水場』の廃止に向けて取り組みます。廃止に伴う資産減耗費を特別損失として計上するため、累積欠損金が5億円まで膨らむと想定しています。しかし、翌年度からは費用節減効果が表れ、平成35年度に累積欠損金が解消されると見込んでおります。また、老朽管路の更新が集中する時期を20年以後と見込んでおり、更新に係る財源を確保するため、老朽管路更新順位の設定や更新時期の延伸化など、年間工事費を4億円以下に設定しました。西脇市水道事業経営戦略では、経営の見える化、数値化に重点を置き、毎年度進捗管理を行い、5年に一度を目安として見直しを行います。