経営の健全性・効率性について
①経常収支比率が安定して100%を超えており、この5年間は継続して上昇している。収益も給水収益がメインであり他のものに依存しているとは言えない。②累積欠損金比率は例年0%であり、剰余金もあるため欠損金が発生することはないと思われる。③流動比率は最低値でも700%以上あるため、流動負債を、流動資産を現金化しても払えなくなるような問題はない。④企業債残高対給水収益比率は、企業債残高が残り少ないため50%以下に収まっており、負債を給水収益が上回っている。⑤料金回収率はH25年度以前は100%を下回りこそしたものの、97%以下にはなっておらず、H26年度以降は100%を超えている。⑥給水原価は平均値に比べかなり少額で安定している。⑦施設利用率も平均値に比べ10ポイント以上高くなっており、施設の能力を効率的に利用できている。⑧有収率についても平均値に比べ5ポイント以上高く、配水の無駄が少ないといえる。よって岩倉市水道事業の経営は健全、効率的と評価できる。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率及び②管路経年化率については平均値を上回っており、他市に比べて老朽化が進んでいるといえる。一方③管路更新率はH26年度以降平均値を上回っており、更新が進んでいるといえる。今後も平均値を上回る③管路更新率を維持し、①有形固定資産減価償却率及び②管路経年化率の低下に努める。
全体総括
1.経営の健全性・効率性における①経常収支比率と⑤料金回収率がともに高く、収益を水道料金で賄えている。ただし、2.老朽化の状況における①有形固定資産減価償却率及び②管路経年化率については平均値を上回っており、その対策として平均値を上回る③管路更新率を維持しようとする中、料金値上げ等の見直しも検討する必要があると考えられる。1.経営の健全性・効率性における⑦施設利用率・⑧有収率はともに高く、施設能力を十分に活用し収益につなげているといえる。健全で効率的な経営をしており、経営に問題はないが、2.老朽化の状況における①有形固定資産減価償却率や②管路経年化率が示すように老朽化資産が多いが、その分③管路更新率を高め、他市より管路更新を進めている状況といえる。今後もこの経営水準を維持したまま、老朽化資産を順次更新していく。