経営の健全性・効率性について
(経常収支比率・累積欠損比率)経常収支比率については、H27決算で117.41%となっており、累積欠損金については存在しておりません。お客様から頂戴する水道料金や手数料などで事業全体の運営をまかなっており、一般会計からの繰入金も一切なく順調に経営を行うことができております。(流動比率)流動比率は100%を大きく上回っており、水道事業を運営するための運転資金を十分確保しております。(企業債残高対給水収益比率)本市水道事業においては、給水収益に対する企業債残高が他類似団体よりも大幅に上回っており、企業債の借入を抑制する必要があると考えております。(料金回収率)料金回収率は過去においても概ね110%前後で推移しており、給水に係る費用を給水収益のみでまかなうことができております。(給水原価)本市水道事業においては、純麗な地下水を利用しており、浄水設備が不要であるため、給水原価は100円未満となっており、安価な水道水を提供しております。(施設利用率)施設利用率は60%以上を維持しており、類似団体と比較しても効率的な施設利用を行っております。水道利用者の減少に伴い配水量が減少傾向になる場合には、ダウンサイジングなどの検討を行う必要があるものと考えております。(有収率)有収率は概ね86%となっているが、全国平均89%よりも低い数値となっており、配水・給水管の布設替などを通じて漏水の減少に努め、数値の改善をはかる必要があります。
老朽化の状況について
(有形固定資産減価償却率)法定耐用年数を迎える保有資産は近年増加傾向にあります。特に揚水ポンプやテレメータなどの設備については適切な修繕を行いながら活用しておりますが、修理部材の供給状況を確認しながら適切な時期に更新を行っていく必要があります。(管路経年化率)管路については、漏水が多発する箇所をはじめ、耐用年数を大幅に経過している管路を中心に布設替を行っており、類似団体や全国平均と比較しても、経年化率は低く抑えられております。(管路更新率)管路の更新については、漏水が多発する箇所をはじめ、耐用年数を大幅に経過している管路を中心に計画的な布設替を行っています。H27は監視設備や減圧弁、取水ポンプ等の機械設備の更新を多く行ったため、例年に比べ管路更新率が低くなっておりますが、今後も計画的に管路更新を行っていく必要があります。
全体総括
本市水道事業においては、お客様から頂戴する水道料金をはじめ給水収益を用いて概ね順調な事業運営を行うことができております。お客様のライフスタイルの変化や、節水型機器の普及、節水への取組などの背景から水道水の使用は年々減少傾向にあり、今後も緩やかに減少し続けていくことが予想されます。さらに、維持管理を超えるスピードで水道施設の老朽化が進行しており、計画的な更新が必要となってきているところです。今後も平成27年度に策定した「滑川市水道事業ビジョン」に則り、将来を見通した財政計画、整備計画が重要であると考えております。