経営の健全性・効率性について
【収益性・健全性】経常収支比率は、昨年同様、黒字を維持している。給水原価が上がったことで料金回収率は下がったものの、累積欠損金は発生しておらず、現状ではどの数値も類似団体と比較して健全性を保っている。しかしながら、施設整備資金確保のために企業債残高比率が増加している点やそれによる流動比率が一時的に上昇し資金支払能力を保っていると考えれば、維持管理費が逓増するなかで健全経営を続けていくためには今後は自主財源を確保しなくてはいけない状況にあるといえる。現状で平成26年1月の料金改定以降黒字経営となっているが、中長期的には以前のような収支ギャップ状態に陥る危険性があり、今後安定した事業経営をおこなっていくため、経営の効率化を図り経費抑制に努めることが重要である。【効率性】施設利用率、有収率は類似団体の平均値を上回る水準であり、適正な施設規模にて安定供給しているが、今後の維持管理費等の支出を考えれば、安定して給水収益を得るため更なる向上を目指し漏水防止対策等に取り組む必要がある。
老朽化の状況について
現状では、有形固定資産のうち法定耐用年数を経過した資産は、類似団体と比較しても多くない。しかしながら、配水管について一部地域において法定耐用年数を10年以上残しながら腐食による漏水被害があったため、更新時期を早め、平成27年度から平成35年度まで(9年間)にその地区の配水管すべてを更新する計画で行っている。また、配水管以外の資産である浄水場内の浄水施設及び配水施設については改修が完了し、現在、機械・電気設備である中央監視設備の更新工事を平成28・29年度(2ヵ年)で行っている。なお、今後においては、非常用自家発電設備の更新工事を予定しており、更新に係る費用も多額となる。
全体総括
現在、料金改定後2年目となるが、他の類似団体と比較しても健全経営を保てていると言える。平成27年からの5年間の施設整備費や舗装本復旧費、配水管の更新など、経費は今後も増える見込みであり、人口減少や施設の老朽化等経営環境が厳しさを増すなかで、サービスの安定的継続提供を行うために一層の経営健全化に努めていく。