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財政力指数は0.40と前年度に比べ0.01下がり、類似団体平均を0.25と大きく下回ったが、県平均よりは0.06上回った。東日本大震災等による影響により町民税のうち法人税割などで税収増があり、基準財政収入額で前年度比0.01%増となったが、社会保障費関係需要額の伸びなどにより、基準財政需要額が前年度比0.03%増となったため、全体として0.01%の減となった。肥大化する需要額に対しそれに見合う収入額が伴っていないことから、依然として脆弱な財政基盤となっている。町税や使用料を含めた特別収納対策を全庁的に取り組み、自主財源の確実な確保を図り財政基盤の強化に努めたい。
経常収支比率が83.4%と前年度に比べ2.8%減となり、類似団体との比較においても3.5%下回っており、数値上では弾力性のある財政状況に良化したという結果となっている。これは、前年度に対し経常経費充当額が普通交付税が4.6%増加し、地方税においても2.7%増加したことから、0.8%増加したことに加え、過去実施した大型事業に係る償還が完了したことにより公債費で18.5%減少したことが大きな要因となっている。しかし、児童措置費など児童福祉費を含む扶助費において0.3%の増、物件費で0.4%の増となっており、硬直化の要因を含んでおり予断を許さない状況が続いている。特に、扶助費については、子育て支援施策の影響もあるが、今後、効果及び内容を適宜評価し長期的な見通しを考慮しながら事業の検討を行う必要がある。
前年度より0.1%減となり類似団体内順位も前年度と比べ11位よくなり、類似団体平均よりさらに下回る結果となった。人件費については、22年度の口蹄疫防疫作業等による臨時経費が減となったが、共済費に係る組合負担金等が増となったことから、前年度比で2.6%増となった。また、物件費については、22年度から引き続き実施している緊急雇用創出事業が事業数の増により増加し、制度改正等に伴うシステム改修費などが増額したが、口てい疫防疫対策事業及び新燃岳噴火に伴う降灰除去対策事業など22年度の特殊要因が一部減となったため、結果前年度より減額となった。職員数が減少した一方で権限委譲や制度改正により業務量が増え、委託業務などの物件費の増加が今後懸念される。
適正な給与水準の維持に努めており類似団体平均と比べ0.1低い数値となっている。全国町村平均と比べると1.2高い結果となった。今後町民に納得と支持が得られる給与制度の運用を検討する。なお、23年度は、平成22年度に対し9.08%悪化しているが、国家公務員の次元的な(2年間)給与改定特例法による措置がないとした場合の参考値は96.5であり、参考値との比較では、0.73%の増である。
定員適正化計画に基づき23年度まで退職者一部不補充等を実施しているため、常に低い数値となっている。今年度は前年度に比べ0.03人増となったが、類似団体平均と比べても1.1人少なく、宮崎県市町村平均より1.94人少ない。今後も適正な人員管理に努める。
類似団体平均に比べ2.4%下回り、類似団体内順位も前年度50位から42位となった。これは、分母を構成している普通交付税や臨時財政対策債が増額となった影響が大きいためである。今後数年間は、12年度に実施した総合文化施設整備事業や一般廃棄物最終処分場整備事業などの償還が完了し、公債費が大幅に減額となりさらに数値が良くなる見込みである。ただ、近年実施した勝岡・三股・梶山・宮村小学校体育館整備事業などの元金償還が始まることや、24年度~26年度に実施する大規模事業により、地方債発行額が多額となるため、28年度以降は公債費が再び増える見込みである。公債費の平準化の観点から長期的な財政計画を立て、地方債発行額の抑制及び基金残高を増やす必要がある。
前年度に比べ7.8%下がり、マイナス計上となった。これは、地方債残高は増加したものの、公営企業債等繰入見込額が4.3%減額となったのに対し、普通交付税及び地方税の増収により基金取崩額を抑制し今後計画されている大型事業を見越した基金の積み増しを捻出したことから充当可能基金が8.6%増額となり、さらに公営住宅使用料を高い割合で公債費に充当できたことから、充当可能特定歳入額増額においても26.1%増額できたためである。今後、公共下水道事業、防災行政無線デジタル化事業、都城市クリーンセンター建設事業及び都城地域健康医療ゾーン整備事業といった大型事業を同時期に実施することから、基金積立金の増額や将来コストを見据えた上での普通建設事業等の実施など、これまで以上に計画的な財政運営が必要となる。
人件費については、16年度を「行財政改革元年」と位置づけ職員適正化計画等に基づき特殊勤務手当の見直しや一般職の職員採用の抑制等を積極的に行ってきた。22年度には、これまでの行政改革大綱の見直しを行い、大綱計画期間を22年度から26年度とする「第5次三股町行政改革大綱」を制定した。23年度は共済費の組合負担額の増により0.3%増となったが、類似団体に比べ3.2%低い水準となった。今後もさらに、適正な人事管理及び人件費の抑制に努めつつ、行政サービスの低下を招かない工夫を行う。
物件費について、22年度の口蹄疫対策経費及び新燃岳降灰対策経費などの特殊要因が大幅な減となり全体で1.4%の減額となったが、経常的経費については、予算10%カットによる経費節減や合理化抑制に努めたが、昨年度に比べ0.4%増額となった。これは、電算システムに対する保守的業務や職員人件費削減に起因する関連業務の委託料の増に加え、燃料代の価格高騰に伴う燃料費及び光熱水費の増及び施設の老朽化による修繕料の増などが、主な増加要因となっている。今後、コスト削減や効率的かつ適正な経費執行に努め、物件費の抑制をこれまで以上に行っていく必要がある。
近年、類似団体でトップクラスの高い数値を示している扶助費の要因は、扶助費全体の7割を占める児童福祉費にある。これは、全体人口に占める若年層人口の割合が高く、乳幼児医療費の無料化や保育所運営費等に対する町単独経費など少子化対策について重点施策として取り組んでいるためである。扶助費に対する需要額は、今後さらに大きくなることが予想されるため、将来を見据えた効果的な事業の実施運営を行う必要がある。
その他については、昨年度から0.4%減少し類似団体平均値0.2%下回ることとなった。19年度から21年度までの過去三ヵ年において減少傾向にあったが、22年度以降、23年度は若干減額とはなったが、維持補修費及び繰出金が増加傾向にあることから、今後計画的な執行管理が求められる。特に維持補修費については、公共施設等の老朽化が今後さらにすすむことから、全施設における現状把握と今後の維持管理に関する見通しの洗い出しを行うことが急務となっている。
補助費等について、22年度に対し口蹄疫及び新燃岳噴火などの特殊要因による臨時的経費が減額となったことから、全体でも対前年比で23.0%の減となっており、経常的経費については、昨年度から0.4%減少し類似団体平均値を1.8%下回る結果となった。特に町単独補助金については、補助金の審議等による適正な補助金交付決定に努めた効果が出てきていると思われるが、事業執行を前提とした削減額については限界にきており、抜本的な見直しが必要となってきている。今後も引き続き補助費等の検証に努め、適正な執行を行う。
公債費については、23年度12.7%と類似団体平均値を2.7%下回っており、過去に実施した大型建設事業等の償還が随時完了することに伴い、ここ数年間減少傾向を示していたが、26年度以降増加傾向に転じる見込みである。今後、国の補正予算等に関連して実施した大規模な建設事業(勝岡・三股・梶山・宮村小学校体育館整備事業など)の元金償還が始まることや、25年度~26年度に大規模事業の実施が計画されていることから地方債発行額が多額となることが見込まれており、引き続き地方財政措置のある起債の発行に努め、将来負担の抑制に努める必要がある。
公債費以外の経費については、前年度比で0.2%増加したが、類似団体平均値を0.8%下回る結果となった。これは、扶助費以外の経費については、経費抑制に努めた結果、各費目において類似団体平均値を下回るか同程度に抑えられたことによるが、扶助費については、類似団体と比較して突出していることによる。今後、適正かつ効率的な行政サービスを提供するにあたり、世代間及び年度間における平準化を念頭に計画的な財政運営をすすめる必要がある。
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