経営の健全性・効率性について
・経営の健全化経常収支比率は上昇傾向にあり、平成26年度では116.00%であり、対前年度比2.60ポイントの上昇となっている。企業債残高及び流動比率は、繰上償還を実施したこともあって、比率においても減少している。平成26年度の料金回収率は、110.55%と対前年度比4.4ポイントの増となっており、全国平均との比較でもわずかながら上回る状況となっている。・効率性給水原価は、140~145円程度で推移しており、類似団体及び全国平均をわずかながら下回っている。施設利用率は、ほぼ50%代の前半で推移しており、類似団体及び全国平均に対して6~7ポイント程度下回る一方、有収率は86%台後半から87%台前半と大きな変動は見られず、類似団体と全国平均の中間あたりの数値で推移している。施設の利用率に対して有収率が他団体とほぼ同程度であることから効率の良い営業となっている。また、施設並びに管路の老朽化が進んではいるものの、現状これらの維持管理が適切に行われていることが、有収率の安定化につながっているのではないかと思われる。
老朽化の状況について
管路更新率は、平成24年度から類似団体平均値と大きく変わらなくなり、近年は全国平均値程度で推移している。これは、目前となった簡易水道事業との統合を見据えた取り組みを優先させている影響もあると思われる。ただ、老朽管の耐久性も当然に年々悪化していくため、今後も計画的な更新を実施していく必要がある。
全体総括
当市の上水道事業エリアは、簡易水道事業が所在する中山間地域を含めた山間地より河川によって運ばれてきた土砂によって形成された平坦地域に展開している。また、居住区域も比較的集中していることから効率的な給水が可能であり、平成16年度の市町村合併時の料金設定も上水道事業の料金をベースとしたことから影響はなく、現在も比較的安定した経営となっている。なお、地形的な要因による給水効率の悪さや、近年の少子高齢化の影響が如実に表れている経営基盤の脆弱な簡易水道事業との統合を目前に控え、統合後における収入面も含めた維持管理を考慮すると、将来的には料金の改定について検討せざるを得なくなることが予想される。