経営の健全性・効率性について
経営不振による業務縮小を行っている大口利用者からの給水収益は、ピーク時であった平成17年度と平成26年度を比較すると、25分の1に減少したが、これまで、県営水道への依存率を抑え、自己水の占める割合を可能な限り高めることにより、給水原価を低く抑えるよう努めるとともに、効率的かつ効果的な設備投資を実施してきた成果もあり、有収率を高い水準で維持しつつ、企業債残高についても、減少し続けております。また、平成26年度においては、経常収支比率や流動比率、料金回収率についても類似団体平均値を超えるなど、非常に安定した経営状況であると思われます。
老朽化の状況について
耐用年数を経過した施設であっても、運よく大規模漏水や大きなトラブルが発生していなかったため、老朽化が進んでいることを認識してはいるものの更新が先送りとなってしまうことも多く、特に管路の更新については、石綿管の布設替については順調に進んでいるものの、全体的な更新率は著しく低い数値となっております。
全体総括
経営状況については、概ね順調であると思えるが、節水用器具の普及や給水人口の減少という全国的な水道事業の抱える問題が、当水道事業においても、今後の健全経営に向けた大きな懸念材料であると考えられます。また、老朽化施設の更新問題に対しては、管路の耐震化を図りながら、更新率2.0%を目標に布設替を進めていく必要があると思われます。なお、浄水施設については、水道ビジョン等を基に中長期的な観点から、老朽化施設の更新に投資すべきか、それとも一部の施設を廃止して県営水道の受水率を高めるべきかの検討が必要であり、安定した経営を維持するためにも、給水原価への影響を考慮した検討を慎重に進めていきます。