経営の健全性・効率性について
主な水源が良質な地下水であり、浄水施設が必要ないため、⑥給水原価が平均値より安く(良く)なっています。また、⑧有収率も平均値より高く(良く)なっています。このため、⑤料金回収率や①経常収支比率も概ね良好な数値となっており、②累積欠損比率も0であることから、経営の健全性については現時点では問題なく、健全な状態であるといえます。しかしながら、人口減少や節水意識の向上などにより有収水量は毎年微減傾向にあり、給水収益についても大幅な増加は見込まれません。そのため、今後も健全経営を維持するためには更なるコスト削減や料金の安定収入を図る必要があります。また、⑦施設利用率については平均値より低い(悪い)数値となっており、現在の配水量に対し、配水能力の余力が大きい状態が伺えます。人口減少等により今後大きな配水量の増加は見込めない状況であるので、維持管理費の抑制のためにも、更新時にダウンサイジングするなど施設の高効率化を検討する必要があります。
老朽化の状況について
昭和45年に水道事業開始し40年以上経過しています。現状では②管路経年化率は平均よりも低い(良い)推移をしていますが、水道施設に多額の投資を行った昭和50年代からまもなく40年となるため、今後②管路経年化率は急激に高く(悪く)なることが見込まれます。老朽管の大量更新を控えているため、③管路更新率については平均より低い(悪い)水準にとどまっています。
全体総括
経営状況は良好な数値を保っているものの今後老朽管の大量更新の時期を迎えるため、将来的に経営状況は悪化することが見込まれます。人口減少や節水型機器の普及等により、給水量の大きな増加は見込めない中で老朽管の更新を行うこととなります。中長期的な更新需要と収支の見通しを明らかにした経営戦略の策定に着手し、料金改定など収入面の安定化と経常コストの削減など経営努力を行い、健全経営の維持を図ります。