経営の健全性・効率性について
経常収支比率が100%を下回ることはなく、黒字経営を続け、1年以内に支払うべき債務に対する現金等の資産の割合を示す流動比率も高水準を維持しており、健全性を維持できている。給水収益に対する企業債の割合は、類似団体の全国平均と比べると低く良好な水準となっているが、県内の類似団体のほとんどは、さらに低い水準(年間の給水収益の額に対して企業債残高の方が少ない)となっているので、そのような団体に近づけれるよう努めていきたい。料金回収率が類似団体の平均値より高くなっている要因は給水原価(有収水量1㎥あたりについて、どれだけ費用がかかっているかを表す)が平均値より低くなっているからであり、今後も無駄な費用が発生しないよう、経費の削減に努め、経営努力を続けていきたい。施設利用率に関しては、年間の1日平均配水量に対する配水能力の割合になっているので、季節による需要の変動を加味しつつ、引き続き毎年注視し、無駄な資産の更新はせず、健全な資産管理に努めていきたい。有収率(愛知県からの水の仕入に対してお客様に供給している割合)は、他地域に比べ平地で狭いという高浜市の利点を活かし、良好な水準を保てています。
老朽化の状況について
法定耐用年数を超えた管路の割合は2%台で推移しており、現状は老朽化した資産は類似団体と比較しても少ない。管路更新率について、26年度は2%近い管路の更新を行った。しかしながら年度ごとにばらつきがあり、過去5年間の平均は1.3%程に留まっている。このペースでは計算上、全ての水道管の更新をするのに76年間かかる計算となる。管種によっては長寿命化され、更新基準を80年と設定してもよいのではと考えられる水道管もありますが、より安定した更新ができるよう、資金面、体制面で努力していきたい。
全体総括
現状は、高い有収率を維持していること(老朽管の破損でおこる漏水等による有収率の低下が少ないこと)や、管路経年化率が低い値で推移できていることから、必要な更新投資をしつつ、健全性を維持できているといえる。しかしながら現状の管路更新率では、今の良好な状態が続くとは言えず、いずれ老朽化資産の割合が増えていくことを意味するので、これから老朽化していく資産に対し、的確な更新基準は何年なのか、どの程度の資金が必要となってくるかを改めてしっかりと精査していきたい。