経営の健全性・効率性について
累積欠損金がなく、経常収支比率は全国平均、類似団体平均を下回っているが100%を超えている。流動比率は、全国平均を上回り、短期債務に対する支払い能力は十分に確保されている。一方、給水収益に対する企業債残高は、全国平均、類似団体平均を下回っており、給水収益が減少傾向にある中で、企業債を活用した浄配水場の更新計画(24年度~27年度)を進めており、設備投資、それに係る財源の調達が適正に行われていると考えています。料金回収率は100%を上回るが、年々低下し、経営に必要な経費を水道料金で辛うじて賄えている状況である。給水原価は、全国平均、類似団体平均よりも安く抑えられている。施設利用率は、全国平均、類似団体平均を大きく下回り、施設の効率性が低い水準にあることがわかる。有収率は、全国平均、類似団体平均を上回り、供給した配水量の効率性は高い。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、全国平均より数値は低いが、年々その率は増加しており、法定耐用年数を経過した資産の更新等の必要性は高くなっている。25年から管路経年化率が上昇しているが、高度経済成長期に整備された施設の更新が進まないため、管路の経年化率(老朽化)は、ますます上昇すると見込まれる。管路更新率は、24年度以降、更新ペースが鈍化し類似団体平均を下回るようになっている。管渠の改築等の必要性が高いが、財源の確保や経営に与える影響等を踏まえ、経営の改善や投資計画の見直しが必要となっている。
全体総括
現時点で経営の効率性、財務の健全性は概ね確保されている。しかしながら、給水人口の減少等により、水道料金収入が減少する中で、厳しい財政状況が予想されることから、各指標の傾向を踏まえ、十分に分析し対策を講じることが求められる。また、施設の効率性が低い水準にあることから、今後の人口や水需要の動向に注意しながら施設規模の見直しや老朽施設の更新等の検討を行い、計画的に効率的な経営に努めていくことが必要である。そのため、平成28年4月からは、太田市、館林市、みどり市、板倉町、明和町、千代田町、大泉町及び邑楽町の3市5町で上水道事業を統合し、群馬東部水道企業団として業務を開始する。これにより広域化による国の交付金を活用した施設整備や水道施設の再構築による統廃合を行い、効率的な事業運営及び運営基盤の強化を推進していく。