鏡石町：公共下水道

経営の健全性・効率性について

経費回収率は類似団体平均値より低く、下水道事業の財源は使用料等の収益以外に一般会計操入金や高資本費対策による交付金によって賄われている。企業債残高対事業規模比率は類似団体平均値より高い数値となっているが、これは、区画整理事業（20.2㏊）にあわせ、Ｈ4～Ｈ24年(21年間）整備を前倒し起債しているものである。また、東日本大震災による下水道災害復旧事業が昨年完了したこともあり、企業債残高対事業規模比率が昨年より高くなっている。企業債償還において使用料収入で賄えない不足分は資本費平準化債借り入れと一般会計繰入金を充当している。汚水処理原価は類似団体平均値より高いが、水洗化率は年々増加しており接続率向上による有収水量の増加が見込まれる。市街地の整備が既成してきたため、市街化調整区域に関しては費用対効果を検証し、処理方法の見直しを行う。

老朽化の状況について

対応年数を経過している管渠はないため、管渠改築工事は実施していない。ストックマネジメント計画に基づき、管渠調査を実施し今後改築工事を施工予定。

全体総括

安定した経営のために財源試算と投資資産の均衡を図る。財源確保にあっては、維持管理に係る経費に見合った料金収入の確保を図り、既設管渠の有効活用を進め、さらに、水洗化率の向上を図ることによる料金の確保を進めていく。歳出の削減にあっては、効率的な管渠築造を進め、事業費の圧縮を図り、また、効率的な維持管理を進めるため、Ｈ28年度に施設の長寿命化計画を策定した。コストの縮減を進めるともに、不明水の解消を図り有収率の向上に努めていく。一般会計からの繰入にあっては、資本の平準化を図りながら高資本対策を活用し使用料の軽減を図るため、また、生活環境の向上施策として、一定規模の繰入を受ける必要がある。今後は、料金の見直しや資産の明確化を図り、安定的な経営を目指す。