経営の健全性・効率性について
①経常収支比率100.92%経常的収支比率は100%以上となっており、単年度収支では黒字である。しかし、今後、維持管理経費は増加傾向にあることから、使用料収入のみでは経費を回収できない状況が見込まれる。③流動比率24.88%短期的な支払能力を示す値であり、類似団体の平均値を下回っている。これは企業債の償還金が多いためであり、より支払い能力を高めるため経営改善を図っていく必要がある。④企業債残高対事業規模比率589.27%類似団体平均を下回っており,順次企業債の償還が進んでいることから今後は改善していく見込みとしている。⑤経費回収率80.63%回収すべき汚水処理費を使用料で賄えておらず、より一層の収入の確保と汚水処理に係る費用の節減に努めることが必要である。⑥汚水処理原価265.33円汚水処理費について、公費負担分が増加したことに伴い汚水処理原価は減少しているが、類似団体と比較して高くなっているため、より効率的な汚水処理と水洗化人口の増加等に伴う有収水量を増やす取り組みが必要である。⑧水洗化率71.10%類似団体と比較し平均値を下回っており、更なる水洗化の促進が必要である。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率5.58%償却対象資産の減価償却の指標であり、老朽化の程度は類似団体平均を下回っている。公共下水道事業は、平成12年7月から供用開始し、21年が経過している。老朽化の各指標は参考にしつつも、他団体との比較や数値に捉われることなく、ストックマネジメント計画に基づき老朽化の実態を把握したうえで、効果的な対応を図る必要がある。
全体総括
人口減少等による料金収入の減少や、保有する施設の老朽化に伴う更新投資の増加など、経営環境は厳しさを増していくことから、将来にわたって安定的な事業をしていくためには、自らの経営について的確な現状把握を行うことが必要不可欠である。今後、健全かつ持続可能な下水道事業を進めるため、令和4年度に改定予定の「経営戦略」に基づき、投資と財政の均衡、使用料等の収益の確保並びに効率的な整備や適切な維持管理を行うとともに、ストックマネジメントを実施し、施設のコスト低減化や計画的な修繕を図るなど、経営の健全化に努めていく必要がある。