経営の健全性・効率性について
①…100%未満は赤字、100%以上は黒字であることを示している。→黒字を維持しており、経営状況は健全な水準にある。②…営業収益に対する過年度からの累積欠損金の状況を示しており、0%であることが求められる。→数値が0%であり、健全な経営状況にある。③…短期的な債務(1年以内に支払うべき債務)に対して支払うことができる現金等がある状況を示す100%以上であることが必要。→H26年度については、地方公営企業会計の新制度が適用となり、流動負債に翌年度償還予定の企業債を含むことになったことで若干減少がみらえるものの、高い水準を維持しており、支払い能力が高いことを示している。④…料金収入に対する企業債残高の割合を示しており、企業債残高の規模を表している。→類似団体の平均値と比べると給水収益に対する企業債残高の割合が低いことがわかるが、経年でみるとわずかずつ増えている。⑤…給水収益で回収すべき経費をすべて給水収益で賄えている状況を示す100%以上であることが必要。→100%以上を維持している。⑥…有収水量1㎥あたりについて、どれだけの費用がかかっているかを表したものである。→H26給水単価240.58円(給水収益÷有収水量)がH26給水原価233.78円を上回っているので、費用が給水収益で賄われていることになり、経費回収率も100%を超えていることから、適切な数値であるといえる。⑦…数値が高いほど施設を無駄なく効率的に使用しているといえるが、数値が高すぎると施設に過大な負荷がかかっていることになる。→H26最大稼働率は42.75%(日最大配水量÷日配水能力×100)、H26負荷率は77.59%(日平均配水量÷日最大配水量×100)である。類似団体と比較すると数値が低い状態である。負荷率ではなく最大稼働率が低く、毎年わずかずつ減少していることから、一部の施設が遊休状況ではないか、投資が過大ではないかを検証する必要がある。⑧100%に近いほど施設の稼働状況が収益に反映されている。→類似団体と比較すると若干低いものの、毎年わずかずつ上昇している。100%に近づけるために、今後も漏水対策など有収水量増加の取り組みを継続する必要がある。
老朽化の状況について
①…施設など償却対象資産の老朽化の度合いを表したもの。100%に近いほど耐用年数に近づいていることを示している。→類似団体と比較すると老朽化の度合いは若干高く、ゆるやかに進行しているため、計画的に更新していく必要がある。②…耐用年数を超えた管路延長の割合を表したもの。管路の老朽化の度合いを示している。→類似団体と比較すると耐用年数を超えた管路は少ないことがわかる。③…当該年度に更新した管路延長の割合を表しており、管路の更新ペースや状況を把握することができる。→管路全体(100%)からみた更新ペースはH26年度は1.25%と遅いペースであることがわかる。
全体総括
経営状況は健全であるといえるが、施設利用率が低いことが課題としてあげられる。最大稼働率も低いことから、季節による需要の変動の影響だけが原因とは考えにくいため、一部の施設が遊休状況ではないか、投資が過大ではないかを検証する必要がある。給水人口が減少傾向にあることから、施設規模の見直し等を検討する必要が生じることも考えられる。債務残高は、類似団体と比較すると少ないが、経年で比較すると少しずつ増えている。以上を踏まえたうえで、老朽化施設の計画的な更新を進める必要がある。あわせて、今後も漏水対策など有収率向上の取り組みを継続していく必要がある。