経営の健全性・効率性について
当市の水道事業は、累積欠損金比率こそ0%となり類似団体平均を大きく下回ってはいるが、経常収支比率については類似団体平均まで届いておらず、短期的な債務に対する支払能力を表す流動比率についても平成22年度から急激に下がっている状況である。これは施設の老朽化に伴う修繕、改修工事等が多く発生し、そこに係る費用が大きく増大したためである。またそうした費用にかかる財源として、企業債を発行しなかったため、流動比率が大きく下がる状況となった。しかし、類似団体平均及び全国平均を大きく上回る残高であった企業債については、平成22年度より順調に残高を減らしており、債務の平準化を目指して努力しているところである。有収率については類似団体平均を上回っていることから、今後は事業を計画的に行うことで流動比率を上昇させるよう努力していく。
老朽化の状況について
当市の水道事業は施設の老朽化がかなり進んでおり、今後の更新が喫緊の課題である。有形固定資産の減価償却率についてみると、平成26年度が47.08%となり、類似団体・全国平均と比較するとわずかに上回っている。また管路経年化率をみると、類似団体の平均値及び全国平均値を大きく上回っており、法定耐用年数を越えた管路延長の割合が多くなっている。管路更新率については、類似団体平均及び全国平均値まで達しておらず、老朽化した管の割合が多く更新が進んでいない状況である。今後については、老朽化した施設や管の状況を把握し、更新するための計画を策定することで限りある事業費を効率的に使用し、漏水などのトラブルを防ぎ、安心安全な水を届けられるように努力していく。
全体総括
当市の水道事業は、年々給水人口が減少し、それに伴い給水収益も減少している。また、施設や管路の老朽化も進んでおり、老朽化した管路からの漏水等、修繕にかかる費用も増加している。今後は老朽化した施設や管路の更新等、施設改良費が多額になると考えられるが、事業の経営状況もかんがみ、水道事業の経営状況を圧迫しないよう計画的に整備をしていく必要がある。そのための施設整備計画等の作成を行う。