山梨市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

経常収支比率については、平成23年度以降は100％を下回り、単年度数値が赤字となっている。また、料金回収率が平均に比べて低い値となっているが、これは収入の一部を一般会計からの繰入金で賄っていることによる。累積欠損金は発生しておらず、支払能力を示す流動比率も良好な値を示しているが、以上のことから、一般会計からの繰入金なしでは各経営指標はさらに悪化するものと考えられる。企業債残高対給水収益比率は増加傾向にあり、平均値よりも高い。管路の更新事業や布設事業により企業債残高は微増しているが、有収水量の減少に伴い給水収益が年々減少しているため、数値が悪化している。施設利用率は低下傾向にあり、平成25年度以降は平均値を下回っている。これは水需要の縮小に伴い、配水量が年々少なくなっていることによる。有収率についても、平均値に比べて低水準にある。これは老朽管が多く、漏水が比較的多いことによるものと考えられる。

老朽化の状況について

管路経年化率を見ると、平均の３倍から６倍という高い値となっており、当市の管路の老朽化が著しいことを示している。老朽化した管路からの漏水が継続していることが想定され、有収率の低さにつながっているものと考えられる。石綿管を含む老朽管の更新は継続して実施しており、管路更新率が平均値よりも高いことに現れているが、管路経年化率の改善にはさらなる投資が必要である。

全体総括

経常収支比率や料金回収率の値が良好でなく、収入の一部を一般会計からの繰入金で賄っていることから、経営については厳しい状況であると言える。水道事業は独立採算を基本とするため、繰入金に依存しない経営体質へと改善を図る必要がある。経費節減の取り組みを強化するとともに、料金収入の確保に向けて、適切な水道料金のあり方について検討していく。また、当市は老朽化した管路を多く抱えており、漏水による有収率の低下を招いている。老朽管の更新を継続していくとともに、漏水箇所の調査と修繕についても取り組みを強化し、有収率を向上させ、もって経営の健全化を図っていく。