琴平町：公共下水道

経営の健全性・効率性について

収益的収支比率は、下水道整備事業の先行投資にかかる起債償還額および利息の支払い、流域下水道の維持管理負担金等が使用料収入の減収と相まって、100％未満の状況が続いていたが、平成29年度については使用料収入が平成28年度決算より増収したことで、100%を上回り単年度収支は黒字となった。同様の理由により経費回収率についても類似団体平均値を上回り、企業債残高対事業規模比率については、地方債残高が年々減少している為、右肩下がりの傾向となっていくと考えられる。汚水処理原価については、職員給与費等の減少による汚水処理費用の減少と有収水量の増加により、類似団体平均値に近い数値となり改善傾向にある。また、水洗化率については、全体として緩やかに右肩上がり傾向となっているが、類似企業団体平均値よりも下回っているため、下水道施設の有効利用の観点から広報やホームページ等で啓発活動を行い水洗化率上昇に取り組んでいく必要がある。なお、琴平町は流域関連公共下水道事業認可変更を行い、下水道整備を実施しない事とした。それにより、下水道整備により企業債を借り入れる事が無くなったので、企業債残高は緩やかに減少が続くことが想定される。

老朽化の状況について

琴平町における下水道管渠の整備については、昭和62年から順次整備を行い現在に至っており、平成29年度において最長で31年経過している。下水道管渠の標準耐用年数は50年となっているため、標準耐用年数は経過していないが、老朽化は順次進んでいく為、今後は長寿命化計画を策定し、管渠更正等により既存ストックを活用して、費用の抑制に努め下水道事業を円滑化していく。なお、琴平町の下水道は金倉川流域公共下水道に属しており処理場は保有していない。

全体総括

平成29年度決算及び今後の見通しについては、平成27年度７月に行った料金改定の結果により、各経営指標に改善がみられ、企業債残高対事業規模比率、経費回収率について類似団体平均値を上回った。しかし、下水道供用区域内の人口減少や観光客の減少、有収水量の減少により使用料収入は今後増加が見込めない状況である。この事情を踏まえ、平成28年度に策定した琴平町下水道事業経営戦略(平成28年度～平成37年度)に基づき、今後も料金改定について見直しを行っていく等、更なる経営の健全化を目指して効率的な事業運営を行っていく。また、人口３万人未満の地方公共団体は、公営企業会計への移行が原則必要となった為、当町についても公営企業会計へ移行し、経営資産等を正確に把握し経営管理を向上していく。汚水処理事業の広域化・共同化については、県と近隣市町で連携して下水道事業の経費削減の為、実現に向けて協議していく。