経営の健全性・効率性について
経常収支比率は100%を僅かに上回る程度で推移しているものの、経費回収率が類似団体平均に比べて30%程度下回っているなど、事業効率が低い状況が続いている。引き続き、水洗化率の向上など収支改善を行っていく必要がある。また、令和7年度まで企業債の元利償還額が増加することが見込まれる当市の事業会計において、流動比率が低くとどまっている状態は財政硬直を顕著に表しており、過疎債の借入などの方法で早急に対応していかなければならない。更に、施設利用率も類似団体平均から10%程高い状態にあり、処理場施設の負荷軽減に対応した処理池の増設時期などを計画的に見込んで施設運営を行っていく必要がある。
老朽化の状況について
有形固定資産の減価償却率は、類似団体平均から7%程低い状態だが、事業開始から20年以上が経過し、今後において加速度的な処理施設等の老朽化を見込んでいるため、ストックマネジメント策定による施設の改築・更新コストの平準化を確実に行う必要がある。また現在、管渠については法定耐用年数に達していないため、改築・更新事業等は予定していないが、供用開始後約20年が経過しているため、TVカメラ調査を実施し、調査結果に基づいた部分的な改築を行っている。今後は、管渠についてもストックマネジメントを策定し、計画的かつ効率的に点検・調査及び修繕・改築を行うことでライフサイクルコストの低減を図る。
全体総括
経常収支はかろうじて健全な数値を示しているが、事業効率が悪く、財政が硬直していることから緊急の支出に対応できないことが予想される。したがって、綿密な予算作成と収支管理を行っていくことが喫緊の課題となる。そのためにも、汚水ポンプ施設のストックマネジメント計画策定に基づき、下水道施設全体を計画的かつ効率的に管理し、収支計画に反映していく必要がある。