経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、前年度より5.5ポイント減となった。全国平均や類似団体平均を下回っているが、使用料収入が少ないため一般会計からの補助金に依存し、経常利益を確保している。②累積欠損金はない。③流動比率は、100%を下回っているが、前年度より18.85ポイント増となった。全国平均も下回っているが、類似団体平均より上回っている。④企業債残高対事業規模比率は、平成15年度より供用開始をしたが一般会計から繰入金を入れることにより、全国平均や類似団体平均と比較して大きく下回っている。⑤経費回収率は、前年度より14.56ポイント減となった。全国平均や類似団体平均より下回っている。使用料収入で汚水処理費を賄えておらず一般会計補助金に依存している状況であるため、接続推進を図り使用料収入を増やしたい。⑥汚水処理原価は、前年度より33.7円増となった。全国平均や類似団体平均を上回っている。維持管理費の節減や接続率向上により有収水量を増やしたい。⑦施設利用率は、前年度と同じ63.48%であった。全国平均や類似団体平均より上回っており、施設の稼働は適切に維持されている。⑧水洗化率は、前年度より0.65ポイント増となった。全国平均と比較して39ポイント、類似団体平均と比較して25ポイントと下回っており、水洗化が遅れている状況である。今後は更なる接続推進に努めて水洗化率を上げていく必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、前年度より3.11ポイント増となった。全国平均や類似団体平均を下回っているが、令和2年度から公営企業会計に移行した際、固定資産評価額を経過年数分減じて評価し直したうえで減価償却をしたことが要因である。②管渠老朽化率は、法定耐用年数を経過した管渠はないため、該当なし。今後、ストックマネジメント計画に基づき、定期的な点検を実施し腐食の発生した管渠は、管路補修の対応をしていく必要がある。
全体総括
類似団体と比較し「水洗化率」が平均値を下回っており、今後は接続促進等を推進し、類似団体の状況に少しでも近づいていく取り組みを行う必要がある。平成15年度に供用開始しているため、ストックマネジメント計画に基づき、施設の更新等を計画的に実施していく必要がある。公営企業会計に移行し、経営状況についてより明確に把握出来るようになったことから、使用料の収納率向上及び経費削減に取り組み、一般会計からの財政支援の抑制に努めるとともに、施設・設備及び管渠の計画的な更新及び整備を行い、計画的な事業運営と安定経営に取り組んでいく。