経営の健全性・効率性について
当市の公共下水道事業は令和2年4月1日から地方公営企業法の適用により、公営企業会計に移行しました。単年度収支を示す「①経常収支比率」は100%を上回っているものの、「⑤経費回収率」は100%を下回っており、一般会計からの繰入金等の収益により、費用を賄えている状況となっています。「②累積欠損金率」は0%であり、今後も発生しないよう努めていきます。「③流動比率」は企業債償還に係る負債が多くを占めており、この財源を一般会計からの繰入金により賄っています。当市の下水道事業は、供用開始後28年経過しましたが、国等の補助金の範囲内での整備に努めているため、現在も処理区域面積を拡大している最中です。このため、現状では施設能力に見合った利用者数となっていないことから、維持管理費や処理場の資本費等の費用負担が大きく、この差を一般会計からの繰入金で賄っています。以上のことから、「④企業債残高対事業規模比率」及び「⑥汚水処理原価」は類似団体に比べ高く、「⑤経費回収率」及び「⑦施設利用率」は低くなっています。今後は、下水道整備とともに使用料の見直しを進め、加入者数を増やすことで、使用料収入と有収水量を増加させ、現在の施設での効率的な汚水処理に努めていきます。「⑧水洗化率」は79.51%となり、年度末に処理区域の拡大を公示することから算定時に接続が難しい区域が生じていることが影響しております。
老朽化の状況について
当市の公共下水道事業は令和2年4月1日に公営企業会計に移行したことから、減価償却開始日も同日となるため、「①有形固定資産減価償却率」は実際よりも低い数値となっています。このため、固定資産台帳により資産の老朽化の把握に努めるとともに、計画的な更新をしていきます。また、当市の管渠については、最も古いものでも28年と新しく更新時期に至っていないため、「②管渠老朽化率」、「③管渠改善率」は0%になっています。しかし、下水道管の老朽化は年々進んでいくため、今後はストックマネジメント手法を取り入れた更新計画を策定し、施設の適正な維持管理に努めていく必要があります。
全体総括
当事業は、機械設備などの更新時期を迎えたものもあるものの、建物や管渠などの施設は新しく老朽化が進んでいないうえ、施設能力に対し整備が進んでいないため、施設利用率が低くなり、汚水処理原価は高いものとなっています。また、料金収入にも結びついていないため経費回収率も低く、企業債残高対事業規模比率は高くなっています。今後は、経営戦略、アクションプラン及びストックマネジメント計画に基づき、効率的かつ計画的に下水道管や処理場の整備を進めるとともに、使用料の見直しにも取り組み、自立的かつ安定的な経営を実現していく必要があります。