経営の健全性・効率性について
吉富町公共下水道事業は平成9年に事業着手、平成15年度に供用開始している。現在全体計画区域233ha中156haの整備が完了している。①経常収支比率⑤経費回収率について経常収支比率は100%を超え、経費回収率は100%を下回っている。使用料で回収すべき経費を賄えておらず、使用料以外の収入に依存する経営となっている。そのため、経営の効率化による経費削減に努めるとともに、使用料収入を増加させることが課題である。③流動比率について100%を下回っており、1年以内に現金化できる資産で1年以内に支払わなければならない負債を賄えていない。この債務は、翌年度以降順次償還予定の企業債であり、償還に必要な原資を一般会計からの繰入金で得ることが予定されている。④企業債残高対事業規模比率下水道事業は事業開始時に処理場の建設、下水道管渠布設等を行う必要があるため、事業開始時は投資額が多大となる。類似団体との差は水洗化率の低さにより使用料が低くなっているためである。⑥汚水処理原価施設能力に対し有収水量が低いため、平均と比較し高い傾向にある。下水道を普及し、有収水量を増加させることにより将来的に減少する見込である。⑦施設利用率現在整備中であるため、施設利用率は低い状況となっている。今後、下水道を普及させていくことにより処理場への流入量が増加し施設利用率も上昇する見込である。⑧水洗化率水洗化率が類似団体と比べ低い水準である。引き続き処理場見学会や未接続世帯に対する個別訪問等の取組により、水洗化普及活動を通して水洗化率の向上を図る。
老朽化の状況について
供用開始からの年数が、管渠の耐用年数を超えていないため管渠改善は行っていない。
全体総括
経営の健全性・効率性については、単年度の収支は黒字であり、累積欠損金も発生していないが、汚水処理費が使用料収入だけで賄えておらず、一般会計繰入金に依存する経営となっており、使用料収入を増加させることが課題である。老朽化の状況については、現在、法定耐用年数に達した管渠はほとんどないが、今後、人口減少による使用料収入の減少や管渠の老朽化による維持管理、更新費用の増加など、経営環境がより厳しいものとなることが予想されるため、経営戦略に基づき、経営の健全化、効率化を図る。