小千谷市：公共下水道

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は、減少傾向にあるが類似団体平均値と比較して高い数値となっている。②累積欠損金比率は、黒字経営が続いていることから累積欠損はない。③流動比率は、R2年度と比較して減少し、類似団体平均値を下回った。④企業債残高対事業規模比率は、企業債残高が増加したことにより増加したが、類似団体平均値を下回っている。⑤経費回収率は、近年100％前後で推移していることから、使用料で回収すべき経費を概ね使用料で賄えているといえる。⑥汚水処理原価は、類似団体を下回っているが、全国平均を上回っていることから、今後も投資の効率化や維持管理費の削減に努めて行く必要がある。⑦施設利用率は、流域関連下水道のみで処理していることから処理場は無い。⑧水洗化率は、類似団体を大きく上回っているが、算出元となる処理区域内人口及び水洗便所設置済人口共に減少している。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は、耐用年数を経過した施設が少ないことから、類似団体平均値よりも高くなっている。加えて面的整備の概成後、固定資産の増加は微増程度に留まる中で、減価償却が年次的に進んでいる状況となっている。②管渠老朽化率は、公共下水道の供用開始年月日がH5年3月31日であり法定耐用年数を経過した管渠がまだ存在しないため、管渠老朽化率は0％となっている。③管渠改善率は、②で述べた理由により老朽化対策による管渠の計画的更新に着手していないが、令和2年度においてはカメラ調査にて発見した漏水箇所の管渠改善を行っている。

全体総括

当市は予定していた面的整備が概成し、水洗化率も既に高い水準にあることから、今後新規接続の大きな伸びは期待できない。また、農業集落排水の一部処理区を公共下水道へ統合することにより、一時的に使用料収入が増加したが、人口減少の影響により再び減少に転じている。加えて、既設資産の維持管理費も物価上昇と重なり増加傾向となっている。将来にわたって安定的に事業を継続するために、ストックマネジメントの実施による更新投資の平準化及び料金改定の検討を進めていく必要がある。