白山石川医療企業団:公立つるぎ病院

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地方公営企業の一覧

公立松任石川中央病院 公立つるぎ病院


収録データの年度

2023年度 2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度

経営比較分析表(2023年度)

地域において担っている役割

当院は「在宅療養支援病院」「へき地医療拠点病院」として、鶴来・白山ろく地域全体に至る広大な診療圏をカバーしている。無医地区を含む当該診療圏においては、医療機関が極めて少なく、当院からの巡回診療の他、当院が一体的に運営している吉野谷及び中宮、白峰診療所、また、他の近隣医療機関と連携するなど、へき地医療において中心的役割を担っている。

経営の健全性・効率性について

前年度に引き続き、病床利用率は芳しくない状況である。ひ尿器科の常勤医を配置したことにより手術数が増加し、入院単価は上昇したが、外来においては発熱者外来にて実施していた各検査が減少したことにより単価は減少に転じた。また新型コロナウイルス感染症の5類引き下げに伴い各種補助金も打ち切りとなり、経常収支比率は前年より2.7%減の96.8%となった。外来はオンライン診療やAI問診を活用し効率性の向上、入院では入退院調整部門が地域の医療機関と連携を密にすることで他施設からの転院を促進するとともに、ショートステイなどの附属施設を活用し、状況に応じて効率的に運用することで収益の向上につなげたい。経費については、特に材料費の高騰の影響を受けており、給与費は令和6年度を含め今後さらなる人事院勧告により引き上げが予想される。これらは診療報酬改定で十分にカバーされず、全国的にも非常に厳しい病院経営にさらされており、当院も例外ではない。

老朽化の状況について

建物・建物附属設備等の老朽化が進んでおり、有形固定資産減価償却率は増加傾向にある。建設より24年が経過しているため、必要に応じて計画的に更新を行っている。器械備品減価償却率については、類似病院平均値と同程度となった。地域的な特異性や医療過疎地としての医療ニーズに応じた医療機器の計画的購入を図る。また、1床当たりの有形固定資産が多いのは、ショートステイ、通所リハビリテーションセンター等の病院附属施設があるためである。

全体総括

当院においては、鶴来・白山ろく地域における地域包括ケアシステム(住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供)を地域のニーズに応じるよう改善しながら、既存の回復期などの医療機能に加え介護機能(ショートステイ、通所リハビリ・訪問リハビリ)も併せ持つことで、効率的な社会資源の活用と、地域における医療・介護提供体制の飛躍的な向上を目指すものである。今後もへき地における医療・介護サービス提供体制の基幹的施設となるよう包括的機能強化に努める。令和5年度は勿論、令和6年度においても公立病院の経営状況は過去に類を見ないほど非常に厳しい状況下にある。自助努力による効率的経営を進めるのは勿論、国や県からの補助金制度等についても活用できるものは漏らさず申請し、医療過疎地における総合病院としての機能維持に努める。