千葉県：佐原病院

地域において担っている役割

当院は地域の中核病院として、急性期医療の一般医療活動に併せ、罹患率の高い消化器がんなどのがん治療及び訪問看護等を行うとともに、救急基幹センターや災害拠点病院としての役割を担い、地域住民の医療需要に応えている。

経営の健全性・効率性について

経営の健全性・効率性については、⑤入院患者１人１日当たり収益及び⑥外来患者１人１日当たり収益は昨年度より増加し、ともに平均値を上回っている。また、⑦職員給与費対医業収益比率は昨年度より減少したが、依然として平均値を大きく上回っている。⑤入院患者１人１日当たり収益及び⑥外来患者１人１日当たり収益の増加は、令和3年度よりコンサルタント業者指導のもと地域包括ケア病棟の運用見直しを行ったことによるものである。⑦職員給与費対医業収益比率については、診療科の存続のために職員を雇用する中で、費用削減のために雇用条件の見直しを行ったことで昨年度よりも比率が下がっているが、類似病院の平均値と比較すると大きく上回っている状況である。

老朽化の状況について

老朽化の状況については、①有形固定資産減価償却率、②器械備品減価償却率ともに平均値を上回っている。これは、長期間使用している施設・器械備品が老朽化により経年劣化する一方で、十分に更新できていないことが原因となっている。なお、③1床当たりの有形固定資産について、R3年度に金額が急激に増加しているが、これはR3年度から在宅療養支援病院の認定を受けるにあたり病床数を241床から199床へ変更したことによるものである。

全体総括

医業収益の悪化により、「経営の健全性・効率性」、「老朽化の状況」ともに、改善が必要な状況にある。「千葉県立病院新改革プラン」に掲げた取り組みを着実に実施するとともに、常勤医師の確保を進め、救急患者の受入れや紹介患者の増加を図ることにより入院患者を確保し、医業収益を増収させ、経営の健全性・効率性を改善していく。同時に、老朽化した施設・器械備品については計画的に更新し、適切な管理に努めていく。