経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、打ち切り決算(法適化)により費用の未払金(特例的支出)が発生したため、77.89%と前年度から12.84ポイント増加している。④企業債残高対事業規模比率は2,027.51%となっている。管渠工事や更新工事の事業費が多額となり、企業債に依存した経営となっている。⑤経費回収率は、打ち切り決算(法適化)により汚水処理費の未払金(特例的支出)が発生したため、100%となっている。⑥汚水処理原価は、打ち切り決算(法適化)により汚水処理費の未払金(特例的支出)が発生したため、159.66円となっている。⑦施設利用率は、いずれも類似団体と比較すると悪い状況にある。⑧水洗化率は、73.14%で年々微増となっている。類似団体と比較すると低くなっており、水洗化を促進する必要がある。本市における現在の下水道行政は、下水道使用料で汚水処理費を賄えず、一般会計からの繰入金を充当して運営している状況が続いている。国、地方公共団体ともに厳しい財政状況にあるなか、維持管理費用や改築更新への投資の増加、将来的な人口減少による使用料収入の減少等が見込まれることを踏まえ、快適な市民生活を支える下水道サービスを持続的に提供していくには、安定した下水道経営の実現が不可欠であり、そのためには、下水道管理者は経営基盤の強化を図るとともに、長期的な視点に立って計画的な管理・経営を行っていくことが重要である。
老朽化の状況について
大曲地域は昭和56年から事業を開始し、事業当初に整備した区域内の管路は施工から30年以上が経過している。将来的に耐用年数を超える管路及び処理場が年々増加していくことに備え、下水道の維持管理水準を確保しつつ、維持管理の効率化を実現し、下水道サービスを持続的に提供していくことが課題となる。
全体総括
下水道経営の健全化のためには、収入・支出において経営基盤強化のための取り組みを進める必要がある。収入では、引続き個別訪問等による普及活動を実施し、水洗化率の向上により有収水量を確保することや、適切な使用料水準の設定を行うことにより、収入不足を最小限にする必要がある。支出は、管理運営費を抑制し、住民負担を極力軽減するためには、維持管理に当たって組織の簡素合理化、定員管理の適正化、業務の民間委託等を推進し、経費の徹底的な抑制を図る必要がある。また、事業の経営状況の透明性と明確化を図る必要があることから平成30年4月から地方公営企業法の適用をしている。