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四国中央市は、全国有数の製紙工業都市であり、また、紙加工業などの紙関連業も盛んで、市民の大半が何らかの紙関係の仕事に従事しており、まさに「紙のまち」である。活発な地場産業に支えられ歳入総額に占める市税の割合が約4割、自主財源の割合が約5割と比較的財政力に恵まれたまちと言え、このことは財政力指数が平成23年度決算で0.81と類似団体の0.70や愛媛県平均の0.44より高いことからもうかがえる。ただ、産業構造が「紙」に特化した単一構造のため、原油高や円安と言った外的要因を受けやすく脆さも併せ持っているため前年度に比べて低くなっている。
平成19年度以降大幅な経常的経費の削減をすすめたことにより、平成23年度決算で84.5%と平成19年度決算の94.9%と比較して改善されており、類似団体の86.7%とほぼ同じとなっている。今後は扶助費等の増による義務的経費に圧迫され財政の硬直化が進むことが予想されるため、今後も経常経費の削減に引き続き努めなければならない。
類似団体とほぼ同じ水準である。合併以降物件費や維持補修費等については削減を重ねてきたたことが要因として挙げられるが、適正な市民サービスや施設の管理運営上はこれ以上の削減は困難であるため、今後は施設の統廃合など行政のスリム化により抑制を図っていきたい。
類似団体の105.2に比べ106.1と比較的高い水準であるため、財政状況がすぐに好転することが困難であるため、今後も引き続き人件費の抑制に努め給与の適正化を図っていく必要がある。
合併に伴い一部事務組合職員の身分を新市に引き継いだため、平成16年度は職員数が1,270人と類似団体に比べ約200人超過していた。その後定数適正化計画に沿って人員の削減を進めてきたが、人口千人当たりの職員数は類似団体と比較しても依然高く推移しており、経常収支比率を押し上げ、財政硬直化の要因となっている。引き続き職員数の純減と人件費総額の削減が重要課題となっている。
合併前に一部事務組合等で実施した大型事業などの償還や臨時財政対策債の発行増に伴い、平成23年度決算における実質公債費比率が15.1%と類似団体の11.1%に比べて高いため、財政を圧迫している。今後も新市建設計画に基づく大型事業が予定されており、事業実施に際しては一層慎重に行わざるを得ないため、継続事業については容易に市債に頼ることなく適正な事業量を執行していくよう努め、実質公債費比率の低減を図る。
平成19年度決算においては267.2%であった将来負担比率は、107.4ポイント減少し、159.8%となったが、類似団体の58.6%に比べて非常に高いものとなっている。これは臨海土地造成事業における将来負担額が大きく影響しているものであるが、今後は借入額の抑制や地方債残高の更なる低減を図るとともに基金の積み増しを行い、類似団体なみの負担率を目標とする。
人件費については、定員適正化計画により職員数が減少していることから、職員給は216,980千円減少しているが、退職手当負担金が178,275千円増加しており、全体では、0.2%の減少となった。
物件費については、固定資産税の評価替に伴う固定資産評価業務委託料で94,354千円減少となったが、予防接種医師委託料が123,939千円増加となったため、物件費の総額では前年比で4.1%の増加となった。今後は人員削減に伴うアウトソーシング化により委託料の増加が見込まれるため人件費は下がるものの物件費は増加していくことが見込まれる。
子ども手当が前年度に比べて204,975千円の増額となったことと、制度改正による児童扶養手当の増により前年度から0.8%の増となった。今後も障害福祉サービス関連の扶助費が大きく増加となる見込みである。
維持補修費等についてはこれまで経費削減のため恒常的にカットを行ってきたため、類似団体とほぼ同じ水準にあるが、施設の老朽化等に伴い今後は継続的に増加していくことが見込まれるため適正な執行を図っていく必要がある。
公債費については21.6%と、類似団体の17.0%に比べて依然高い状況にある。今後も新市建設計画に基づく大型事業が予定されており、継続事業については容易に市債に頼ることなく適正な事業量を執行していくよう努め、公債費の低減を図る。
類似団体の平均値が前年度の65.8%から69.7%と大きく下がっているのに比べて62.9%と前年度とほぼ同じ水準となっているが、義務的経費に圧迫され財政の硬直化が進んでおり、構造的な財源不足に陥っているため、今後も経常経費の削減に引き続き努めなければならない。
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