地域において担っている役割
和歌山医療圏のへき地拠点病院として過疎地における一般医療の提供に取り組んでいる。また、周辺の二次救急も受け持っている。当院の周辺地域には、民間病院と公立病院があるが、それぞれの得意な分野での棲み分けを図っている。当院は特に回復期機能を担っており、また、海南海草地域で唯一の精神科を有する病院として患者をケアする施設が充実している。また、各種介護保険事業も積極的に取り組んでおり、地域住民の医療・保健・福祉に貢献している。
経営の健全性・効率性について
回復期を中心とした病棟に再編したことで、安定した収益・稼働率の確保が可能となったことで、医業収支比率、修正医業収支比率、病床利用率とも、令和4年度から大きく改善されており、類似病院平均値を見ても大きく上回っている。経常収支比率も100%を上回っており、健全性・効率性が確保された病院経営ができている状態にある。
老朽化の状況について
老朽化については、令和3年度以降、有形固定資産減価償却率・器械備品減価償却率ともに類似病院平均値を下回っており、計画的で適正な設備投資ができている状態にあると考える。ただ、病院建築後25年以上が経過し、老朽化が進んでいるため、今後は施設の計画的な改修に取り組む必要がある。
全体総括
新型コロナウイルス感染症への対応が大きく転換した年であった。また当院は病棟再編を行ってから初めての年度決算であった。コロナ関係補助金の大幅な減少があったが、病棟再編が医業収益の大幅な改善につながり令和3年度から3期連続での黒字決算となった。しかしながら費用面では、世界的な物価高騰、人件費の上昇等により費用増が続いており厳しい病院経営には変わりない中で、今後どのように安定した経営を継続していくかが課題になってくると考える。