小布施町：公共下水道

経営の健全性・効率性について

①収益的収支比率は総収益、総費用とも94％台となった27年度を除き24年度から92％台で推移、29年度は実繰入額減少等により82％台となり、30年度は主に施設老朽化による修繕工事費増により実繰入額が前年度比約27％増、総収益も約9％増となった結果、前年度比の収益的収支比率は約3％増となった。依然として赤字経営が続いているのが現状である。④企業債残高対事業規模比率は、平均値、全国平均とも大幅に下回っており現在のところ適切な数値となっている。しかしながら、既設管路等における法定耐用年数が近づき老朽化してきているのが現実であるため、今後において多額の修繕費用が必要となる。このため、企業債借入も避けられないため当比率も上昇していくものと推測される。将来的な使用料金の見直しも見据え、健全経営を図っていく必要がある。⑤経費回収率は100％以上を維持しており、現段階では使用料で回収すべき経費を全て使用料で賄えている。⑥汚水処理原価は前年とほぼ同額となり平均値を下回ったが、全国平均を上回った。前年に引き続き対H28比36円弱上回っているが前年度から新たに資本費分の汚水処理費を計上したことに起因するものであり、年間有収水量は前年比0.6%減と大きな変動は無いため効率的な汚水処理が実施されている。⑧平成31年3月末現在の水洗化率は97.07%であり平均値、全国平均を大きく上回り安定した使用料収入が確保されている。

老朽化の状況について

①汚水管整備期間昭和61年度～平成30年度供用開始平成3年3月整備全延長59,752m経年管延長30年以上11,675.17m19.54%25～29年34,986.52m58.55%20～24年10,705.68m17.92%15～19年925.55m1.55%10～14年746.31m1.25%9年以下713.09m1.19%②雨水管整備期間平成3年度～平成18年度整備全延長4,608m経年管延長25～29年1,706.54m37.03%20～24年1,129.37m24.51%15～19年1,333.41m28.94%10～14年438.87m9.52%

全体総括

今後における既設の汚水・雨水管及びポンプ施設は、経年劣化による老朽化や法定耐用年数を控え更新が必要となることは確実である。このため、膨大な投資を必要とし一部企業債を財源とすることは避けられず、企業債残高は再び増加に転じると予想される。このような中、健全な経営を行っていくため公営企業会計適用に向けた取り組みと合わせH28で策定した経営戦略の見直しを行いつつ、今後は長寿命化計画(下水道ｽﾄｯｸﾏﾈｼﾞﾒﾝﾄ)の策定等の取り組みを実施していく。料金収入の確保については、人口減少により現行での使用料収入の大幅な増加は見込めないため、前段に示す取り組みの中で安定した経営が図れるよう使用料金の見直しを検討していく。水洗化の取り組みについては、「水循環・資源循環のみち2015構想」平成42年度目標値98％を目指し住民への周知を継続実施していく。