地域において担っている役割
むつリハビリテーション病院は、旧国立療養所大湊病院を平成14年に厚生労働省から移譲を受けて開設したものであり、下北圏域唯一の専門的な機能回復訓練を提供することができる、長期療養型の病床を有する病院であり、リハビリを中心とした連携病院としての役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
指定管理者制度を導入済みであり、施設運営に不足する額を病院設置自治体の繰入により補填する取り決めとなっているため、経常収支比率は概ね100%に近い数値となるが、令和4年度に指定管理者が変更となり、赤字補填の繰入金が次年度となることから経常収支比率が低くなっている。療養病院は長期入院が多いため、病床利用率については全国平均より高い数値となるが、介護療養病床(40床)の休止により、令和4年度、令和5年度ともに全国平均より低い数値となっている。療養病院は医療資源をあまり使わないことから、材料費対医業収益比率については低い数値となり、相対的に職員給与費対医業収益比率については高くなっている。また、新型コロナウイルス感染症の影響、介護療養病床の休止により、医業収益が減少し、職員給与費対医業収益比率が過去5年間で最も高いものとなっている。
老朽化の状況について
病院設置自治体の財政状況の悪化から、設備の更新が滞り、有形固定資産減価償却率、器械備品減価償却率は増加傾向となり固定資産の老朽化が進んでいたが、透析治療の開始に向けた機器整備、電子カルテの導入等を令和5年度に行ったため、有形固定資産減価償却率、器械備品減価償却率ともに減少となっている。療養病院は高額な医療器械を使用しないため、1床あたり有形固定資産は概ね全国平均を下回っている。
全体総括
指定管理者制度を導入済みであり、施設運営に不足する額を病院設置自治体の繰入により補填する取り決めとなっているため病院経営は安定しているが、介護療養病床が令和5年度末で廃止となり、人員不足のため介護医療院へ転換もできず、令和6年度からは医療療養病床の80床で運営していくこととなる。新たな収益の確保として透析治療を開始する予定であり、経費節減等を行いながら収支の改善に努める。