経営の健全性・効率性について
企業債残高対事業規模比率は、計画的な建設改良事業による投資の平準化により徐々に減少してきているものの、依然として2000%を超えており、企業債償還金が膨大であることが、収益的収支比率、経費回収率の低さの最も大きな要因となっている。今後は企業債償還金の漸減に伴い、経営状況も徐々に改善していく見込みではあるものの、依然として厳しい経営状況は続いており、定期的な料金改定やさらなる経費節減、適正規模での管渠、機器等の更新など、経営効率を図っていく必要がある。
老朽化の状況について
施設稼働から30年以上経過し、機器・管渠の老朽化による影響が顕在化してくる時期である。今後は長寿命化、適切な修繕を継続しつつ、計画的な機器・管渠の更新を行っていく必要がある。
全体総括
人口減少による水需要の減少に伴い、汚水処理水量も減少していくことが確実と見込まれる状況において、収益的収支は将来においても赤字が継続する見込みであり、企業債償還金の減少による経営改善効果を見込んでも、将来にわたって適正な健全性、効率性を維持していくことは非常に困難である。このような将来の厳しい経営状況を正確に認識した上で、一般会計からの繰入れや定期的な料金改定による収入の確保、職員の適正配置や事務事業の効率化等による経費節減、新技術、適正規模を勘案した機器等の更新など、絶え間ない経営努力を継続して行っていく。