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類似団体の平均値を下回っている状況が続いており、地方交付税に大きく依存している財政構造である。平成18年3月20日の合併により、地方交付税をはじめとする合併特例の活用で一定の財政基盤強化が図られたところではあるが、特例期間も令和2年度までとなっていることから、自主財源確保が急務となる。今後は、行財政改革大綱実施計画や中期財政計画に基づく歳出削減や町税等の収納体制の強化に努めるほか、基盤産業の振興による経済の活性化や雇用の創出により財政基盤の強化に努める。
平成19年度から実施した高利率地方債の繰上償還等により削減を図っている公債費をはじめ人件費、補助費等の抑制に努めている。前年度より比率が上がったが、類似団体平均値よりも下回っている。今後とも、経常一般財源の確保と職員定員管理計画に基づく計画的な職員削減による人件費の抑制やPDCAサイクルより事務事業を点検・見直しを行い、経常経費の削減に努め、経常収支比率の低下を図る。
類似団体平均と比較して、人件費、物件費等の決算額を大きく上回っている。人件費、物件費等は、特に抑制に努めているが、決算額では維持補修費が前年度より上回っており、人件費及び物件費についても前年度を上回った。維持補修費は経年による施設の維持補修が増加し、今後も継続的な増額が見込まれる。また、人件費についても、一部事務組合や公営企業会計等への人件費充当繰出金等を含め類似団体を大きく上回っているため、今後は指定管理者制度の導入推進や経常経費の削減に努める。
行財政改革大綱実施計画に基づき、職員給与の適正化に取り組んでいる。類似団体平均値と比較してほぼ同水準となっている。平成24年度に独自削減を一部解除したこと等により上昇傾向にあり、前年度より0.6上昇した。平成23年度及び平成24年度は国家公務員の時限的な給与削減により一時的に国家公務員の水準を超えていた状況であったが、削減がなくなった平成25年度では94.6であり、平成26年度以降は95程度、平成30年度で96.3となったが、今後とも国の給与基準を遵守しながら各種手当ての点検・見直し等により給与の適正化に努める。
平成18年3月の合併という大きな要因はあるが、10年以上経過した現在も職員数は、類似団体平均値と比較して大きく上回っている状況にあり、当町の大きな懸案事項となっている。合併町であるため公共施設等が多く、施設の維持管理に職員を要する現状はあるものの、今後とも、職員定員管理計画に基づく計画的な定員管理や行財政改革の着実な推進により、効率的で効果的な行政体制の確立に努め、類似団体平均値との乖離を減少させる必要がある。
高金利地方債の繰上償還や起債の新規発行抑制に取り組んでおり、実質公債費比率は、類似団体平均値を下回ったが、今後予定されている大型普通建設事業に係る町債の償還に伴う公債費の上昇が見込まれており、適正な地方債管理が重要である。今後とも類似団体平均値をひとつの目安として、起債に大きく依存することのないよう健全な財政運営に努める。
地方債現在高の減少や充当可能財源の増加により、比率は年々減少し、平成25年度決算以降は、将来負担比率が生じていないものの、類似団体と比較すると地方債残高が多額になっているほか、職員数も多いことから将来の退職手当負担も多額になり、将来負担額が大きい状況にある。今後は、起債依存型の事業実施を見直し、起債の新規発行抑制による公債費の削減や定員管理の適正化による将来負担の軽減を図り、健全な財政運営に努める。
経常収支比率に占める人件費割合については、類似団体平均値を下回っている状況であり、決算額も減少傾向にあるものの、依然として高い水準にある。高水準の要因としては、類似団体と比較して職員数が多い状態が続いていることであり、今後とも、職員定員管理計画に基づく計画的な定員管理や行財政改革の着実な推進により、人件費の削減に努める。
物件費については、類似団体平均値を下回っており、決算額は前年同水準となっている。町有施設の指定管理者制度の導入も進めているが、コスト削減につながっていない現状であり、また、経費の削減についても思うように進んでいない。今後は、公共施設等総合管理計画の策定等を通じて、施設の統廃合検討、管理体制の見直しや徹底した維持管理費の削減を図る。
扶助費については、類似団体平均値を下回り低い水準にあるが、社会保障費用は年々増加の傾向にある。今後も国の臨時給付金などがあった場合には増加が見込まれることから、単独事業の施策見直しを含め、経費の圧縮に努める。
その他については、類似団体平均値を下回っているが、施設の老朽化等により維持補修費は増加傾向にある。今後とも、施設の適切な管理を徹底するほか、国民健康保険事業をはじめとする特別会計においては、受益者負担の適正化を図り、繰出金を減少させることにより普通会計の負担軽減を図る。
補助費等については、決算額は前年を下回ったが、類似団体平均値を上回っている状況である。主な要因としては、国民健康保険病院の診療体制維持や病院機能向上を図るための設備投資等の負担が大きくなっていることによる。今後とも、診療体制の充実による病院経営の安定化に努めるほか、各種団体への補助金、負担金等についても、随時、見直し、廃止を行い経費圧縮を図る。なお、平成26年度及び平成27年度では、継続事業である消防庁舎整備による一部事務組合負担金が一時的に大幅な増要因となっていたが、事業が完了したため、平成28~30年度は特殊要因がないものの、依然として類似団体平均値を上回っている。
公債費については、合併により両町の地方債を引き継いだことにより、類似団体平均値を上回っている状況にある。地方債残高の増加により元利償還金が膨らんでおり、公債費負担は非常に重たいものとなっている。高金利地方債の繰上償還や地方債の新規発行抑制に取り組んでいるが、今後とも普通建設事業の抑制や繰上償還による地方債残高の削減に努める。
公債費以外については、公債費の比率が高いことから類似団体平均値を下回っているが、決算額は高い水準にある。今後とも、各区分ごとに行財政改革大綱実施計画、中期財政計画や職員定員管理計画等の各種計画に基づき、なお一層の財政健全化に努める。
(増減理由)ふるさと未来応援寄附によりふるさと未来応援基金に1.4億円積み立てたこと、産業関係団体からの寄附金等により産業振興基金に1億円積み立てた一方「地域振興基金」、「産業振興基金」から北栄団地整備事業、トラックスケール整備事業等のため2.5億を取り崩したこと、「ふるさと未来応援基金」から枝幸小学校改修事業や音標保育所改修事業等のため1.6億円を取り崩したが、財政調整基金の取り崩しがなく、1.4億円を積み立てたことから、基金残高全体としてはほぼ前年同額となった。(今後の方針)普通交付税の合併優遇措置の段階的削減等により今後も財源不足となることが想定されるが、行財政改革や中期財政計画に基づく歳出の削減などにより、計画的な積立・事業への充当に努める。
(増減理由)普通交付税の合併優遇措置の段階的削減となっているが、普通建設事業等の減少等により、基金の取り崩しがなく1.4億円積み立てることができた。(今後の方針)財政調整基金の残高は、地方交付税の減少等の影響により減少する見込みであるが、中期財政計画に基づき計画的な取り崩しに努める。
(増減理由)基金運用益の積立による増加。(今後の方針)地方債の償還は減少傾向であるが、元金償還額以下の町債発行を毎年度管理し、今後の基金残高についても適正に管理するよう努める。
(基金の使途)過疎地域自立促進特別事業基金:枝幸町過疎地域自立促進市町村計画に基づき地域の自立促進に資する事業の推進。産業振興基金:産業の振興を図るために必要な事業の推進。情報通信基盤施設整備基金:情報通信基盤施設の適正な管理、健全な運営に資するための事業の推進。交通輸送等整備推進基金:交通輸送体系の整備、推進及び生活交通路線の維持するための事業の推進。社会福祉基金:社会福祉の増進を図るために必要な事業の推進。。(増減理由)産業振興基金:基幹産業である農業・水産業の振興のため、トラックスケール整備事業、枝幸港改修事業など、0.5億円を取り崩したが、産業関係団体から1億円の寄附があったことから残高が増加した。(今後の方針)特定目的基金については、ふるさと未来応援基金(ふるさと納税)の寄附金等の積立、基金の目的に合致した事業への充当のための取り崩しを適正に管理するよう努める。
有形固定資産減価償却率については、類似団体平均と比べ若干高くなっている。当町は、合併町であるため公共施設が多く、その多くの施設の老朽化が進んでいることから、公共施設等総合管理計画により、類似施設の統廃合、適正配置、長寿命化等の維持管理に努める。
債務償還比率については、類似団体平均を下回っている。地方債について、交付税算入率の高い有利な地方債に限定した借入や普通建設事業の抑制に努めており、債務償還比率は下がってきている。今後も同様の方針で地方債現在高の圧縮を図っていく。
有形固定資産減価償却率は類似団体平均と比較して若干高くなっている。また、将来負担比率は類似団体同様に平成25年度以降発生していない状況となっている。有形固定資産減価償却率については、合併町であるため公共施設が多く、老朽化が進むことにより減価償却率が高くなることが想定されるが、公共施設等総合管理計画により、施設の統廃合、適正配置、長寿命化等の維持管理に努める。
実質公債費比率は年々下がってきているため、平成30年度においては類似団体を下回っている。また、将来負担比率は類似団体同様に平成25年度以降発生していない状況となっている。実質公債費比率は類似団体を下回ったが、地方債現在高については、類似団体と比較し多い状況となっている。これは、合併により両町の地方債を引き継いだことが要因となっている。地方債の新規発行に際しては、今後も同様の方針で、交付税算入率の高い有利な地方債に限定した借入を行い、地方債現在高、公債費の適正管理及び普通建設事業費を抑制し、実質公債費比率の低下に努める。将来負担比率についても同様に地方債現在高の抑制に努め、職員定員管理の適正化により、退職手当負担見込額等、将来負担の軽減を図ることにより、今後も将来負担比率は発生しないものと想定される。
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