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基準財政需要額において、西部保育園民営化により社会福祉費が大きく減少し、基準財政収入額において、高額所得者死亡による退職所得割の大幅な増額があったものの、結果的に財政力指数は据置きとなった。退職所得割の増は単年度要因であることから、次年度以降は指数が低下すると見込まれる。
人事院勧告による人件費の増、児童クラブ等の児童福祉施設の体制強化による臨時職員の増のほか、平成25年度借入分の元金償還開始に伴い、歳出が増加した一方で、普通交付税が大幅に減額したことが重なり、前年度と比較して2.4ポイント上昇した。普通交付税の減額は、単年度要因である高額所得者死亡による退職所得割の大幅な増加によるものであることから、平成29年度においては平準化すると予想されるが、扶助費については今後も増加が見込まれ、加えて、東郷中央土地区画整理事業に係る建設事業債及び臨時財政対策債の影響により公債費も増加することが見込まれるため、引き続き経常的な事務事業の見直しを進めていく必要がある。
人事院勧告に準じて改定したことによる基本給及び期末手当の増により、人件費は昨年度と比較して増加したものの、物件費において、指定管理者制度を活用していた西部保育園を民営化したことに伴う指定管理料の皆減があったことから結果的に減少した。今後は、物件費において委託事業に係る人件費の上昇、臨時職員の充実等により、金額が上昇する見込みである。
国家公務員と比較するラスパイレス指数では、学歴により数値に影響が出るが、本町では学歴にかかわらない人事評価等による職員配置を行っていることから、人事異動等に数値が大きく左右される場合がある。
景気回復により所得割が増加したほか、設備投資が進んだことにより償却資産が増加したことなどから、標準財政規模が増加したほか、これまで投資的経費を抑制してきたこと及び起債の償還が進んでいることから、実質公債費比率は近年減少傾向にある。しかし、今後、東郷中央土地区画整理事業に伴う周辺地域のインフラ整備、公共施設の老朽化対策等により地方債残高は一層増加する見込みであるため、留意する必要がある。
東郷中央土地区画整理事業に伴う周辺地域のインフラ整備等により、財政調整基金の取り崩しが増大したため、充当可能財源等が減少したものの、地方債の償還額が借入額を上回ったこと、下水道事業債の償還が進んだことによる公営企業債等繰入見込額の減少により、将来負担額は減少した。しかし、今後、東郷中央土地区画整理事業に伴う周辺地域のインフラ整備、公共施設の老朽化対策等により地方債残高は一層増加する見込みであるため、留意する必要がある。
職員数の増加は抑えているものの、人事院勧告による基本給及び期末手当の増額により増加した。計画的な人事管理を行っているため、大きな変動はないと見込まれるものの、人事院勧告による影響があるため、制度改正等の動向については常に留意していく。
西部保育園民営化に伴い、指定管理料が皆減したものの、児童クラブ、児童発達支援所等の児童福祉関係施設の体制強化等による臨時職員賃金の増、B型肝炎予防接種の定期接種化等により、物件費が増加した。過去から全国平均と比較し数値が大きいが、定員管理の適正化を進めるため、指定管理者制度の活用、外部委託や臨時職員の雇用を積極的に行ったことが要因として挙げられる。数値の改善に向けて引き続き経常的経費について見直しを行っていくとともに、数値について留意していく。
平成24年1月から本町が独自に実施している0歳から18歳までの入院・通院に係る医療費の無料化の影響等により扶助費は増加しているものの、保育園の民営化、認可化等による特定財源の増加額が経常経費の増額を上回ったため、結果的に減少した。本町は、現在、転入人口増に向けて、各種施策を展開していることから、今後も扶助費は増加が見込まれる。
下水道事業特別会計への繰出金は減少したものの、国民健康保険特別会計及び介護保険特別会計への繰出金が増加した。なお、国民健康保険特別会計へは法定外・基準外繰出が常態化しているが、平成30年度から広域化されることに伴い、保険税が見直しされることから、一般会計からの繰出は減少が見込まれる。
廃棄物処理一部事務組合の業務見直しにより、負担金は減少した。近年、私立幼稚園就園奨励費補助金が増加傾向にあり、今後も増加が見込まれるものの、し尿処理一部事務組合が平成30年度末で解散されることに伴い、補助費等全体としては、減少が見込まれる。
平成25年度に実施した役場庁舎耐震改修事業、デジタル同報無線整備事業、中部保育園園舎建替え事業の起債の償還が開始したことに伴い、増加した。平成28年度から、東郷中央土地区画整理事業に関連する事業で借入を始め、例年と比較して借入全体の額が増えていることから、留意が必要。
扶助費・物件費の歳出割合が高く、主な要因は18歳までの医療費無料化事業、子育て支援拡充に伴う関連施設における臨時職員の充実等である。これらは、本町の掲げる「子育てするなら東郷町」を実現するためには必要な事業であり、高い水準となることはやむをえないと解しているが、数値については今後も注視していく。
兵庫小学校等建設事業及び学校給食共同調理場増築改修事業の支払いが進んだこと等により、将来負担額が減少し、将来負担比率は、平成24年度から発生していない。また、近年、投資的経費を抑制した結果、起債の償還が進んだことにより、実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準にある。しかし、今後は東郷中央土地区画整理事業に伴う周辺地域のインフラ整備、公共施設の老朽化対策により、実質公債費比率の上昇及び将来負担比率の発生が見込まれるため、留意する必要がある。
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