美唄市：市立美唄病院

地域において担っている役割

救急医療・透析医療・小児医療を担う市内唯一の病院である。訪問診療や訪問看護の充実を図るほか、保健・福祉・介護分野の専門職や関係機関との連携により、疾病予防や入退院支援の強化に努めている。学校医など保健行政活動への協力、福祉施設の協力病院などの地域貢献、研修医・看護学生の実習機関としての役割も担っている。

経営の健全性・効率性について

令和３年度については、新型コロナウイルス感染症の影響により、入院については救急外来を含む外来患者の減少が入院患者の減につながったこと、常勤医師の減により、入院できる診療科が限られたこと、外来については、通常の診療時間と並行して臨時発熱外来での診療を行ったことにより診察できる患者数が限られたことなどから収益減となった。これにより②④の低下、⑦の上昇となっている。⑤については、施設基準の届出の影響、⑥については、発熱患者に対する新型コロナ特例による診療報酬上の加算の影響があり、増加傾向となった。⑧に大きな変化はないが、材料費については、材料費のベンチマーク活用、薬価交渉を行っている。収入増加・確保対策として、新たな施設基準取得に向けた体制や、訪問診療(看護)体制の充実を図り、患者ニーズに応えること、感染対策を行い、安心・安全な医療の提供に努めることで②④⑦の改善を図ることとしている。

老朽化の状況について

現院舎は築５０年以上（昭和３８年～４１年建設）経過し、設備関係をはじめ施設全体の老朽化が著しい。現在、病院建替えを予定しており、並行して年次更新計画により医療機器等の整備をすすめていることから、①有形固定資産減価償却率②機械備品減価償却率についても解消される。

全体総括

「Ⅰ地域において担っている役割」で述べたように、不採算部門に関わる医療の提供を行っていることから、②医業収支比率の伸びが鈍化している。地域包括ケア病床の増床（令和２年度に８床から１１床に増床）、訪問診療・訪問看護の体制の充実や、新たな施設基準を取得することにより増収に努め、安定した収益が確保できるよう改善に努める。令和３年度については、改革プランの５年間の総括を行った。令和４年度以降に経営強化プランを策定し、経営の効率化等について具体的な取組に基づき経営改善を図ることとしている。