玉野市：玉野市民病院【地方財政ダッシュボード】

経営比較分析表（2020年度）

地域において担っている役割

市内には当院を含め6つの病院が設置されているが、当院では、公的医療機関として救急医療、小児医療を始めとする不採算医療を担うとともに、地域急性期、回復期を中心に地域における中核医療機関としての役割も担っているところである。また、同一医療圏内には高度急性期機能を持った多数の病院が設置されており、高度治療を終えた患者が地域に戻って安心して療養できる場所として、バックベッドの役割も担っているところである。

経営の健全性・効率性について

当院の経営状況として、累積欠損金比率が平均値を大きく上回り、多額の累積欠損金を計上するなど健全とは言えない状況であり、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、経常収支比率・医業収支比率において、前年度と比較して悪化した。特に収入面においては、入院外来共に平均単価は向上したが、受診控え等の影響もあり病床利用率が低下し収益減となった。また、費用面においても、前年度と比較し職員給与費対医業収益比率が悪化しており、コロナ禍の影響による衛生材料等の高騰により費用増があった。令和３年度からは地方独立行政法人へ移行、コロナ感染者の受入も開始し、経営改善に取り組んでいる。

老朽化の状況について

築40年以上が経過し、減価償却率において有形固定資産、機械備品いずれも80%を超え、施設の老朽化が進んでいる状況である。反面、１床当たり有形固定資産は平均値を大きく下回り、経営面における負担は軽減されているものの、利用者の安全性や医療の継続性を考慮すれば、施設の更新の必要がある。

全体総括

新型コロナウイルス感染症の影響もあり、依然として厳しい経営状況が続いているが、安定的な経営に向けて、令和３年度より同地域の企業立病院と合併し、地方独立行政法人化を行ったところである。老朽化した病院施設の対応については、現在新病院建設計画を進めており、令和６年度の新病院開院を目指し取り組んでいる状況である。

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