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平成24年度以降ほぼ横ばいの状態が続いており、平成30年度決算では、依然として類似団体内平均を0.24ポイント上回っている。本町では、町税収入に占める法人税額の割合が小さく、税収が経済情勢等の影響を受けにくい傾向にある。今度も引き続き、事務事業の徹底的な見直しと施策の重点化の両立に努め、活力あるまちづくりを展開しつつ行政の効率化を推進し、更なる財政の健全化に努める。
補助金・負担金の整理・合理化を進めてきたことや、地方債の新規発行を抑制してきたことにより、類似団体内平均を下回る水準で推移している。しかし、人件費と扶助費は類似団体平均より高い傾向が続いており、特に扶助費は類似団体内平均を2.0ポイント上回っている状況である。加えて、今後は、平成29年度以降の地方債の増発により、公債費が増加する見込みである。今後も引き続き、歳出の徹底的な見直しと施策の重点化を図り、経常経費の削減に努める。
人件費・物件費の人口1人当たりの決算額は、類似団体内平均を若干下回る水準で推移している。これは、民生部門と消防部門の職員給が、職員数が多いことから類似団体内平均を上回っているものの、その他の人件費と物件費で類似団体内平均を下回っているためである。今後も引き続き、効率的な人員配置や適正な給与水準の維持に努めるとともに、行政の効率化を推進し、歳出の削減に努める。
いずれの年度も、類似団体内平均を大きく下回った水準で推移している。平成27年度には職員の経験年数階層の変動により若干の上昇となったものの、平成28年度には-1.9ポイントと大きく落ち込んだ。職務を責任に応じた適正な給与制度の運用等に努めたこと等により、平成29年度以降は上昇傾向にあるものの、依然として類似団体内平均を大きく下回っている。今後も、適正な給与水準を確保するとともに、各手当等の見直し等を推進すること等により、一層の給与制度の適正化に努める。
人口1,000人当たりの職員数は、類似団体内平均を上回った水準で推移しており、特に平成27年度以降は1.0ポイント以上高くなっている。これは、保育所・児童館等の児童福祉に係る施設を多く備えていることや消防本部と消防署を単独で備えていることにより、民生部門と消防部門の職員数が多いためである。本町においても子育て支援の充実を図っていることから、今後も保育部門の職員数の増加が見込まれるが、職種ごとの職務性や職務内容を考慮しつつ、効率的な人員配置等により、適正化な定員管理に努める。
実質公債費比率は、年々減少傾向にあり、類似団体内平均を下回る水準で推移している。しかしながら。将来負担比率の推移が示しているように、平成29年度以降は借入額が増加しており、その元金償還が始める令和2年度以降は、実質公債費比率も増加に転じる見込みである。そのため、今後は大規模事業の事業計画の整理を進めて規模の縮小・適正化を図るなど、起債依存の事業計画を見直し、起債に頼ることのない財政運営をしていく必要がある。
平成30年度決算は、前年度から14.4ポイント上昇し、42.6%となった。これは、自由通路等整備事業を始めとした大規模事業の実施により、平成29年度以降に借入額が増加していることに加え、下水道事業の進捗による公営企業等繰入見込額の増加や財源不足に対応するための基金の取崩しによるものである。今後も下水道事業の拡大による公営企業への繰出しの増加が見込まれるため、大規模事業を始めとした事業計画の徹底的な見直しによる地方債の抑制及び基金残高の確保に努める。
人件費に係る経常収支比率は、類似団体内平均と比較すると高い水準で推移しているが、これは、保育所・児童館等の児童福祉に係る施設を多く備えていることや消防本部と消防署を単独で備えていることにより、類似団体と比較して、民生部門と消防部門の職員数が多いことが主な要因である。今後も、効率的な人員配置等による定員管理の適正化や適正な給与水準の確保、一層の給与制度の適正化に努める。
近年の物件費の推移を類似団体内平均と比較すると、賃金と需用費で上回っているものの、役務費や委託料で大きく下回っているため、全体として類似団体内平均を若干下回る水準で推移している。需用費で多くを占めているのは、学校給食の賄材料費である。賄材料費は、物価の変動に伴い公費負担を増額していることや、学校給食を引き続き町の直営で実施していくことから、更なる効率的な運営が求められている。
扶助費に係る経常収支比率は、毎年度、類似団体内平均を1.5~3.0ポイント程度上回った水準で推移している。これは、社会福祉費や老人福祉費に係る経費が類似団体と比べて多額であることが要因である。これは福祉施策を積極的に推進している結果であると考えるが、財政状況が一層厳しさを増す中にあって、財政を圧迫する傾向に歯止めをかけるよう、事務事業の見直しを検討する必要性が増してきている。
その他に係る経常収支比率は、下水道会計の法適化により下水道事業への補助金を補助費等に計上することとなった平成29年度決算を除いて、増加傾向が続いている。特別会計への操出金について、今後も増加傾向が続くと見込まれることから、特別会計の独立採算制の原則に立ち返った事業の見直しを推進するとともに、繰出基準を検討し、特別会計への繰出金の抑制に努める。
補助費等の経常収支比率は、補助金等の整理・合理化を進めたことにより、類似団体内平均を下回る水準で推移しており、平成30年度決算でも、前年度比1.6ポイント減少している。しかし、下水道事業について、事業の進捗や企業債の償還額増加とともに、補助金の増加が見込まれるため、企業会計の独立採算制の原則に立ち返った事業の見直しを推進するとともに、繰出基準を検討し、補助金の抑制に努める。
過去の起債抑制策により類似団体内平均を下回って推移しており、近年も微減傾向が続いている。しかしながら、自由通路等整備事業等の大規模事業で、平成29年度以降は多額の町債を発行しており、今後は公債費の増加が見込まれている。そのため、大規模事業の計画を見直して規模の適正化を図るなど、起債に頼らない財政運営が必要である。
近年は類似団体内平均を下回っていたものの上昇傾向が続いており、平成29年度決算で類似団体内平均を上回ったが、人件費と扶助費、補助費等が減少したことにより、平成30年度決算は、類似団体内平均を1.3ポイント下回ることとなった。財政状況が厳しさを増す中にあって、今後の公債費の増加が見込まれるため、事務事業の徹底的な見直しにより歳出を削減することの必重要性が増している。
(増減理由)財政調整基金、公共施設整備基金、下水道整備基金に510百万円を積み立てた一方、自由通路等整備事業に充てるために公共施設整備基金から30百万円、下水道事業への補助金に充てるために下水道整備基金から40百万円、多世代交流施設建設事業に充てるために福祉基金・地域福祉基金から合わせて230百万円を取り崩したほか、財源不足を補うために財政調整基金から520百万円を取り崩したことにより、取崩額が計820百万円に上ったことにより、基金全体としては、310百万円の残高減少となった。(今後の方針)財源不足に対応するための財政調整基金からの取崩しや、公共施設の整備費用の増加、下水道事業の進捗による下水道事業費の増加などに対応するための特定目的基金の取崩しにより、今後も減少傾向が続く見込みである。今後は、更なる歳出の徹底的な見直しと事務事業の重点化を図りながら、財源を確実に確保することによって、財源不足の縮小及び基金残高の確保に努める。
(増減理由)将来の取崩しに取崩しに備えるために積立額の一部を公共施設整備基金と下水道整備基金に積み立てたこと及び普通建設事業や扶助費の増加による財源不足に対応するため積立額(410百万円)を超える520百万円を取り崩したことにより、前年度に比べて110百万円減少した。(今後の方針)財政調整基金の積立の目安は、標準財政規模の約15%である10億円としているが、財源不足が増加する傾向にある現状では、毎年度の取崩しは避けられない状況にあるため、歳出の見直しと財源確保を図りながら、基金への積立てを行っていく。
(増減理由)平成30年度は基金運用益である利子分のみを積み立てたため、基金残高は2千円の増加にとどまった。(今後の方針)平成29年度以降の起債額の増加により町債残高が増加傾向にあることから、将来の償還額の増加に備えるため、積立可能額の一部を積み立てていく予定である。
(基金の使途)公共施設整備基金:公共施設の整備事業下水道整備基金:公共下水道の整備事業土地区画整理基金:土地区画整理事業福祉基金:福祉施設の整備、福祉の向上地域福祉基金:地域福祉の増進(増減理由)公共施設整備基金:自由通路等整備事業のため30百万円を取り崩した一方、将来の公共施設整備費用の増加に備えるために50百万円を積み立てたことにより、20百万円増加した。下水道整備基金:下水道事業への補助金に充てるため40百万円を取り崩した一方、下水道事業の進捗による事業費及び企業債の償還費の増加に備えるために50百万円を積み立てたことにより、10百万円増加した。福祉基金・地域福祉基金:多世代交流施設建設事業に充てるため、福祉基金から33百万円、地域福祉基金から197百万円を取り崩したことにより減少した。(今後の方針)公共施設整備基金:将来見込まれている大規模事業や公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の整備費用の増加に備えるため、今後も積立可能額の一部を積み立てていく予定である。下水道整備基金:下水道事業の進捗により、今後も下水道の整備費用及び企業債の償還費用が増加する見込みであることから、今後も積立可能額の一部を積み立てていく予定である。
有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値と比べて若干高くなっているのは、昭和55年以前に整備され、建設から40年以上が経過した公共施設が多いためである。特に、庁舎・消防署・学校・保育所など、整備や更新に大きな財政負担が必要となる施設の多くが、昭和50年代までに整備されたものであり、老朽化が進行している。今後も、公共施設総合管理計画や施設保全計画(個別施設計画)に基づいた計画的な整備・更新を行い、公共施設の適切な維持管理に努める。
債務償還比率は、類似団体内平均値と比べやや高めとなっている。今後大規模事業の財源とするための多額の起債発行や基金の取崩しが予定されており、地方債残高の大幅な増加と充当可能基金残高の減少により、債務償還比率も高くなることを見込んでいる。今後は、増加する地方債償還額に備えるため計画的な基金への積立てを行いつつ、起債の抑制を図りながら、健全な財政運営に努める。
将来負担比率について、平成29年度より増加しており、類似団体内平均値を大きく上回っている。有形固定資産減価償却率についても、建設から40年以上経過している公共施設が多いことにより、類似団体内平均値を上回っているのが現状である。今後も、大規模事業に係る多額の起債発行と基金の取崩しによる将来負担比率の増加に加え、耐用年数の到来を迎える公共施設が増加することによる整備費用の増加が予想されるため、起債の抑制を図りながら、公共施設管理計画等に基づいた計画的な公共施設の整備・更新を図ることにより、財政負担の軽減と平準化に努める。
将来負担比率は、平成30年度に大規模事業の財源とするための多額の地方債を発行したことにより大きく上昇したが、一方で、実質公債費比率については、過去の事業債の償還が順次終了したことや平成28年度まで起債を抑制してきたことにより、類似団体内平均値を下回る水準で推移している。しかしながら、平成29年度から増加した地方債の発行は、少なくとも令和2年度までは増加を続ける予定であり、これらの元金償還が始まる令和2年度には、実質公債費比率も大きく上昇する見込みであるため、今後は、更なる起債の抑制と公債費の適正化に取り組んでいくことが必要である。
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