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類似団体の平均は上回ったものの、3カ年平均が「1」を割り込んで3年目となり、前年度とほぼ同数で0.03ポイント下降に留まっている。その要因として、基準財政収入額と基準財政需要額に大きな変動が無かったことによる。今後も、市税徴収の強化、企業立地の促進などによる歳入確保に努めるとともに、人件費、扶助費、公債費などの経常的経費の一層の節減に取り組み、更なる財政基盤の強化を図る。
類似団体平均を0.5ポイント上回っているものの、給与特例減額の影響及び市税の回復等により前年度から1.4ポイント改善することができた。社会保障費の増大により比率の改善は難しいが、今後も引き続き経常経費の抑制に努めるとともに市税を中心とした自主財源の確保を図るなど、行政改革長期プラン(28年度効果額目標13億円)を推進していく。
人件費・物件費等の適性度が類似団体平均と比較して低くなっている要因としては、平成14年度から平成18年度末まで専門職以外の職員採用を行っていないことや通勤手当・住居手当等の見直しの成果が挙げられる。また、従来から民間でも実施可能なものについては、委託化を行い労務職の退職不補充を進めるとともに、事務事業の見直し等により経費の節減を図ってきたことが要因と考えられる。さらに、平成25年度の消防広域化に伴い消防職員に対する人件費が負担金になったことにより例年に増して減少している。今後も人件費・物件費の適正化に取り組んでいく。
ラスパイレス指数は、対前年比較で8.8ポイント減少の101.8となり、類似団体平均98.9を2.9ポイント、全国市平均98.6を3.2ポイント上回っている。また、県内市(さいたま市を除く)において、平成26年は上位から11番目である。平成18年度に実施した給料の定期昇給12ヶ月延伸の一部を復元したことにより平成22年4月に上がったことに加え、国家公務員給与削減措置に伴い平成24年に上がったが、平成25年10月1日から平成26年3月31日の期間で給与特例減額を実施したことにより、平成25年10月現在試算値102.1となっている。今後においても更に諸手当の一部見直し等を検討する。
平成14年度から平成18年度末まで、専門職以外の職員採用を行っていないなど、職員数の削減に努めてきた結果、人口千人当たりの職員数は類似団体平均の6.40人より低い5.03人となっている。平成25年度に消防を外部組織化したこともあり、平成26年4月1日現在の職員数(854人)は平成17年4月1日現在の職員数(1,106人)と比較すると22.8%(252人)の削減であり、新地方行革指針(総務省)に基づき定めた4.6%(51人)を大きく上回る削減を図ることができた。今後の職員数については、毎年の総員適正化計画の策定において、職員の適正配置を図っていく。
過去からの起債抑制策により類似団体平均を下回っている。しかし交付税の代替財源である臨時財政対策債に加えて、学校耐震化事業の増により、平成23年度発行額は目標である償還元金以下に抑制する事が出来なかった。発行額の増加は、後年度において元利償還金の増加に繋がる事から比率の上昇も懸念され、今後とも新規発行の抑制に努めていく。
一般会計等の地方債残高は増加したが、公営企業繰入見込額、組合等負担見込額及び退職手当負担見込額等が減じて将来負担額総額としては減じた。更に充当可能財源が増額した事により比率は減少した。しかし市債発行額がここ数年増加傾向にあることから、今後も市債新規発行と健全財政の維持にむけてバランスのとれた財政運営が必要である。
人件費に係る経常収支比率が大きく改善した要因は、消防広域化による消防職員の人件費の減並びに給与特例減額によるものであり、類似団体平均と概ね同水準となった。今後も引き続き行財政改革長期プラン及び総員適正化計画に基づき、効率的で柔軟な体制を図るなど、人件費の抑制に努めていく。
物件費に係る経常収支比率は委託事業の減等により0.4ポイント改善したが、引き続き類似団体平均を上回り、かつ高止まり傾向にある。今後も行財政改革長期プランにより経常経費について見直しを進めるとともに委託料については委託内容の精査、指定管理料の見直しを、また使用料等の特定財源の見直しを行うなど、経費削減と財源確保に努めていく。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り、かつ高止まり傾向にある。要因として、生活保護費が引き続き高水準で推移していることに加え、障害者福祉費の増加が挙げられる。扶助費の削減は難しいが、市単独事業を中心に更なる見直しを進めるなど抑制に努めていく。
その他(維持補修費、繰出金)に係る経常収支比率は類似団体の平均を下回っているが、特別会計への繰出金は減少しているものの施設の補修費が増加し、昨年度から0.3ポイント上昇している。今後も公共施設の適正な維持管理に努めるとともに、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療特別会計への繰出金増加傾向にあるため、保険税の適正化や医療費等の抑制策などにより、普通会計の負担を軽減していく。
補助費等に係る経常収支比率が大きく上昇した要因は、消防広域化による埼玉西部消防組合負担金の増によるものである。よって、この5年間で初めて類似団体の平均を下回ることとなった。これまでも、行政改革長期プランにより事務事業の見直しの一つとして補助金の適正化を掲げ削減努力をしてきたが、今後もさらなる適正化に努めていく。
公債費に係る経常収支比率は、類似団体平均を下回りかつ下降傾向にある。公債費総額の減少要因は、高利率で借りた時期の起債の償還が終了したこと等による。しかし、今後は臨時財政対策債や小・中学校の耐震化をはじめとする公共施設の整備により地方債の増加が見込まれる。そのため行政改革長期プラン前期実行計画において、新規地方債発行額を元金償還額未満とすることに努めるなどの目標指標を定めており、今後も財政の健全化に取り組んでいく。
公債費以外に係る経常収支比率については若干改善されたが、3年連続で類似団体平均を上回っている。それぞれの分析は各項目によるが、扶助費に関する経常収支比率が依然として高い水準で推移していることが要因である。
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