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全国平均を上回る高齢化率(令和4年10月1日現在:34.95%)により、社会保障関係経費が高い状況であるため、類似団体平均を下回っている。歳出の徹底的な見直し、定員管理・給与の適正化などの取組を進めるとともに歳入確保対策により財政基盤の強化に努める。
博物館の新規開館による管理運営経費の増や退職者増による退職手当の増等により経常経費が増えている。また、経常一般財源等においても普通交付税や臨時財政対策債等の減により減少しているため比率は2.4ポイント上昇した。公共施設に係る維持管理経費や社会保障関係経費等の増加が今後も見込まれるため、市税の課税客体の把握に努めながら、使用料等も含めた収納率の向上を図り、自主財源を確保するとともに、市債残高の抑制や定員管理の適正化等により、安定的な財政基盤の確立を目指す。
類似団体平均を上回っている主な要因は、人口減少に加え、物件費においては物価高騰対策事業や新型コロナウイルス感染症対策事業を行ったことによる事業費の増であり、人件費においては類似団体と比較し職員数が多いことや、職員構成の違いなどから平均給料が高いことである。これまで定員適正化の取組や給料の減額措置などを実施し給与水準の適正化を実施してきたが、今後も民間活力の導入や事務事業の見直し等を図るとともに、国、県や他団体の状況等を踏まえた給与制度・水準の実現などの取組を進め、定員管理や給与の適正化に努めていく。
本市の給与水準は、数次にわたる是正の結果、逓減傾向で推移してきたが、更なる適正化を図るため、平成26年4月から3か月間、一律2.3%の給料減額措置を実施するとともに、同年7月以降は定期昇給の抑制措置を行った。また、平成27年度には国に準じて給料表の引下げ改定(平均-2%)を実施したうえで、同年度から平成29年度までの各年度において、4月から3か月間は引下げに伴う経過措置(現給保障)を行わないとともに、7月以降は定期昇給の抑制措置を実施した。平成30年度からは、給料表の等級と職務の関係の整理や新たな職の設置などによる給料表の運用基準の見直しを実施しており、給与の適正化に引き続き取り組んでいる。今後も給与制度全般について、国・県や他団体の状況等を踏まえ適切に対応していきたい。
昭和60年以降、7次にわたる行財政改革に取り組み、512名の職員数を削減し適正化を図っている。平成18年2月の旧北方・北浦町、ならびに平成19年3月の旧北川町との市町村合併に伴い職員数は増加し、類似団体の平均を上回る職員数で推移しているが、平成21年度までの第5次行革期間には、一般ごみの収集、道路の維持補修、学校給食調理業務などを民間委託し、149名の職員数を削減した。また、平成26年度までの第6次行革期間でも、市立保育所での指定管理者制度の活用をはじめ、その他の事務事業の見直し等に取り組み100名の職員数を削減した。更に、令和元年度までの第7次行革期間においても、市民課窓口業務、水道料金収納業務、資源物の収集の民間委託などにより、職員数削減目標の60名削減を達成した。今後、第8次行革に取り組む中で、引き続き定員管理の適正化に努めるとともに、デジタル技術を活用した行政効率化や行政手続等のオンライン化を進め、効果的・効率的な行政運営を推進する。
過去に行った大型事業や令和3年度から順次償還開始となった内藤記念館再整備事業等に係る地方債償還の影響により、比率は類似団体平均を上回っている。今後も西階公園野球場施設整備事業等の大型事業に係る元金償還に伴う公債費の増加要因があるものの、市債発行額を元金償還額以内に抑制することや交付税措置のある有利な起債を活用することにより、健全な財政運営に努める。
臨時財政対策債発行可能額の減等により分母である標準財政規模が減少したものの、分子である地方債の現在高が大幅に減少したため、比率は1.3ポイント改善している。今後も充当可能財源等の減少が見込まれるため、人件費の削減や経費節減を中心とした行財政改革を進め、財政の健全化に努める。
類似団体と比較し職員数が多いことや、職員構成の違いなどから平均給料が高いことが人件費を押し上げる主な要因となっているが、これまでの定員適正化の取組により、総人件費の抑制に努めてきた。また、給与水準の適正化を図るため、平成25年度から平成29年度までの間、給料の減額措置や定期昇給の抑制措置などを実施してきた。平成30年度からは、給料表の等級と職務の関係の整理や新たな職の設置などによる給料表の運用基準の見直しを実施しており、給与の適正化に引き続き取り組んでいる。今後も事務事業の見直しと併せ、RPAやAIなどの活用による業務の効率化を推進するとともに、国、県や他団体の状況等を踏まえた給与制度・水準の実現などの取組を進め、定員管理や給与の適正化に努めていく。
類似団体平均と比較すると、比率は低い状態である。その要因として、これまで経常経費の節減に努めてきた効果によるものと考えている。しかし、博物館の新規開館等による施設の維持管理費や業務の民間委託化の推進などによる物件費の増加が見込まれるため、必要な経費の精査によりコストの縮減を図っていく。
扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均を下回ってはいるが、今後も、制度拡大に伴う子ども医療費の増等により社会保障関係経費の増加が見込まれるため、事業の精査等により、扶助費の適正化に努める。
その他に係る経常収支比率は前年度より0.1ポイント上昇し、類似団体平均より高くなっている。今後も、社会保障関係経費の増加に伴う介護保険特別会計や後期高齢者医療特別会計への繰出金の増加が見込まれるため、健康増進や健康長寿推進の施策を充実することにより、今後の伸びの抑制に努める。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体平均と比較して低い水準となっているのは、ごみ処理や広域消防といった一部事務組合への加入状況の違いが主な要因となっている。各種団体への補助金については、補助金見直し基準に基づき見直しを行っており、社会情勢の変化を踏まえながらを今後も整理合理化に取り組んでいく。
公債費に係る経常収支比率については、過去に行った大型事業や令和3年度から順次償還開始となった内藤記念館再整備事業等に係る地方債償還の影響により、類似団体平均と比較して高い水準にあるが、償還終了となる市債の元金償還額が大きいことや市債発行額を元金償還額以内に抑制するよう努めることにより、比率は徐々に低下する見込みである。
公債費以外に係る経常収支比率については、人件費や物件費の影響により2.4ポイント上昇しているが、類似団体平均より低い水準となっている。今後も、施設の維持管理費など経費の増加が見込まれるため、歳入確保対策等により財政基盤の強化に努める。
(増減理由)ふるさと納税を財源とするふるさと延岡応援基金へ882百万円、過疎地域持続的発展支援基金へ147百万円等の積立てがあるものの、野口遵記念館建設事業完了に伴う野口遵記念館建設基金取崩し1,394百万円、退職者数増に伴う退職手当基金取崩し200百万円等により、基金全体としては1,494百万円の減となった。(今後の方針)計画的に積立てを行い一定の基金を確保していくためにも、国県の財政支援を積極的に活用するとともに、ふるさと納税の増額など新たな財源の確保に向けた取組を強化し、安定した歳入確保等の取組を実施する。
(増減理由)令和3年度決算剰余金及び預金利息等による積立てが1,062百万円あるものの、特別会計への繰出金、普通建設事業などの財源調整のための取崩しが686百万円、台風14号に係る被災者支援・復旧事業のための取崩しが327百万円及び、新型コロナウイルス感染症対策に係る取崩しが49百万円であったため増減なしとなった。(今後の方針)公共施設の耐震化・更新等の増加や物価高騰等による市民生活支援により徐々に減少していく見込みであるが、災害発生などの不足の事態に備えるため、さらなる経費節減、安定した歳入確保等の取組を実施する。
(増減理由)地方債償還のための取崩しが100百万円、預金利息等による積立てが9百万円となり、全体で91百万円の減少となった。(今後の方針)交付税措置のある有利な起債の活用を図るとともに、元金償還額の範囲内での借入を行うことで市債残高の抑制を図りながら、大型事業等に係る地方債の償還計画を踏まえ、有効活用に努める。
(基金の使途)・地域づくり推進事業基金:地域づくりを推進する事業。・ふるさと延岡応援基金:活力あるまちづくりに資する事業。・地域振興基金:市民の連帯の強化及び地域振興に要する経費。(増減理由)・地域づくり推進事業基金:預金利息等による積立てが14百万円あるものの、地域づくりを推進する事業のため30百万円を取崩したことによる減。・ふるさと延岡応援基金:活力あるまちづくりに資する事業のために577百万円を取崩したものの、ふるさと寄附金増等に伴い882百万円を積立てたことによる増。・地域振興基金:預金利息等による積立てが3百万円あるものの、地方創生に資する事業やまちづくり推進に資する事業等のため133百万円を取崩したことによる減。(今後の方針)地域振興基金については、地域振興に資する事業を積極的に推進するため今後減少する見込みである。ふるさと納税の増額などに向けた取組を強化し一定の基金確保を行えるよう、安定した歳入確保等の取組を実施する。
長期的な視点で総合的かつ計画的に公共施設等の管理を行うための方針として、平成27年度に「延岡市公共施設維持管理計画」を策定している。現時点において、有形固定資産減価償却率については類似団体より低い水準にはある。これは老朽化した公共施設の更新や学校の耐震化・新増改築事業等を進めてきたことによるが、施設の最適化や予防保全型管理を行い施設の長寿命化を図っていく。
有形固定資産減価償却率は類似団体よりもやや低い水準にあるが、将来負担比率については類似団体よりもやや高い水準にある。有形固定資産減価償却率については、これまで老朽化した公共施設の更新や学校の耐震化・新増改築事業等を行ってきたことによるものであり、将来負担比率については野口遵記念館建設事業の進捗に伴い、野口遵記念館建設基金残高が減少したことが主な要因である。今後も健全な財政運営を図るため、公共投資の選択・重点化を行うとともに、交付税措置のある有利な市債の活用などの取り組みを継続する。
将来負担比率と実質公債費比率ともに類似団体よりも高い水準にある。将来負担比率については、野口遵記念館建設事業の進捗に伴い、野口遵記念館建設基金残高が減少したことが比率が高くなった主な要因である。実質公債費比率については、今後大型事業に係る元金償還開始等に伴う公債費の増加要因はあるものの、償還終了となる起債の元金償還額が大きいため、比率に大きな変動はないと見込まれる。今後も健全な財政運営を図るため、交付税措置のある有利な市債の活用などの取り組みを継続する。
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