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財政力指数は、全国平均を上回る高齢化(令和4年度末高齢化率34.7%)に伴う生産年齢人口の減少や、高齢化の進展に伴う扶助費の継続的な増加により、平成21年度以降低下傾向にあり類似団体平均を下回っている。令和4年度はこれらの要因に加え、臨時財政対策債の大幅な減により、分母となる基準財政需要額が増となったことで、財政力指数は前年度と比較して0.02ポイント低下した。今後は行政経営改革プランに基づき、令和2年度から令和6年度の5年間にかけて、市税収納率の向上(現年度課税:5年間で0.3%向上、過年度課税:5年間で0.4%向上)、市有財産の処分、新たな財源の確保に取り組み、歳入の確保に努めるとともに、歳出の抑制に努め、収支均衡型の財政構造への転換を図り、持続可能な財政構造の構築に努める。
物価高騰の影響により物件費が増加したことや、取手地方広域下水道組合に対する負担金の増により補助費等が増となったことなどにより、経常経費充当一般財源全体で約5.5億円の増となった。一方で,個人市民税の増収等によって地方税が約2.0億円の増、普通交付税の再算定が行われたことにより、普通交付税が約1.4億円の増となったが、臨時財政対策債が約14.3億円の減となったことで、経常一般財源等が全体で約10.9億円の減となった。前年度は普通交付税の再算定に加え、臨時財政対策債の増など、全国的な要因によって経常経費充当一般財源の増額幅以上に経常一般財源等が増となったため、経常収支比率が89.8ポイントとなっており、令和4年度は前年度と比較して6.2ポイント増加の96.0ポイントとなった。今後は、市税全体の収納率の向上や、滞納の解消、事業の見直し等による効率的な財政運営により、経常収支比率の改善に努めていく。
令和4年度における人口1人当たりの人件費・物件費等は前年度と比較して12,189円の増となり、類似団体平均と比較して若干高くなっている。主な要因として、人件費において退職者が増となったことに伴い退職手当組合負担金が0.6億円増となったことや、物件費においてプレミアム付商品券事業や生活応援商品券事業の実施、物価高騰に伴う光熱水費の増などにより、物件費全体で約12.9億円の増となったことで、前年度と比較して人件費・物件費のどちらも増となっている。今後は、行政経営改革プランに基づき、公共施設の民間業務委託や、指定管理者制度の一般公募を進め、市場の競争原理による経費削減を図ると共に、適正な給与水準の維持に努める。
当市の一般行政職の給料表については、国の給料表に準じており、人事院勧告に従い、給与体系の見直しを随時行っていることなどから、ラスパイレス指数は類似団体平均や全国市平均を下回っていると考えられる。また、地域手当については、国基準による支給割合16%に対し、10%に抑制して支給(平成28年度は8%、29年度以降10%で支給)している。今後もラスパイレス指数の推移に留意しつつ、適正値の維持に努める。
待機児童対策・子育て支援の充実のために保育士を積極的に採用していることや、消防を市単独で行っていることから、類似団体平均を上回っていると考えられる。職員数は合併後の平成17年度には1,069人となっていたが、削減を続け、平成25年度以降は、800人前後で推移している。令和5年4月1日時点では804人となっており、前年度と比較すると7人の増となっている。職員の年齢構成において中高年層の構成比が高く、今後の数年間において、多くの退職者が見込まれることから、ICTや、再任用制度・会計年度任用職員制度・任期付職員制度などの多様な任用制度を活用することで、組織の効率化、活性化、スリム化を図りながら、より適切な定員管理に努める。
実質公債費比率は6.7%となっており、前年度と比較すると0.4ポイント悪化し、依然として類似団体平均を上回っている上、改善傾向が続いていた平成30年度以降で初めて悪化する結果となった。平成30年度に起債した臨時財政対策債や、令和2年度に起債した合併特例事業債の償還を今年度から開始したことにより、公債費充当一般財源は増となった。一方で、道路橋りょう費や社会福祉費の減少により、事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費が大幅に減少した。また、臨時財政対策債の減により、分母となる標準財政規模が大幅に減となったことで、単年度の実質公債費比率は増加し、3カ年平均でみても、前年度比で0.4ポイント悪化している。今後も緊急度や市民ニーズの高い事業の選択実施等を進め、新規発行額の抑制及び平準化に努める。
将来負担比率は9.2%となっており、前年度と比較すると3.6ポイント改善しているが、依然として類似団体平均を上回っている。数値が改善した要因は、年度内の地方債償還額が新規発行額を大幅に上回り、地方債現在高が746百万円の減となったことや、組合等負担見込額が599百万円の減となったことなどにより、将来負担額が前年度比約14.2億円の減となったことが挙げられる。一方で、充当可能財源についても、下水道費や公債費等の減少によって基準財政需要額算入見込額が減となり、充当可能財源全体で前年度比約6.2億円の減となった。結果として、将来負担額の減少幅が充当可能財源の減少幅を上回り、将来負担比率の数値の改善につながった。今後も将来世代への負担を少しでも軽減できるよう、新規事業の実施などについて総点検を図り、地方債の新規発行を抑制することで財政の健全化を図っていく。
全国平均及び類似団体平均と比較すると依然として高い割合になっており、茨城県の平均も上回っている。取手市では昭和40年代から昭和50年代にかけての人口急増期において、公立保育所の新設等に伴う職員の採用を行っていたため、高齢職員の占める割合が類似団体よりも高くなり、人件費も高い傾向となっている。しかしながら、近年では職員の年齢構成の変化に伴い、職員給の減少などによって人件費の抑制が図られ、27~29%前後で推移している。令和4年度は前年度と比較すると1.4ポイントの増となったが、これは令和4年度に会計年度任用職員期末手当が1.3月分から2.4月分に引き上げられたことや、退職者の数が増加したことに伴って退職手当組合負担金増となったことなどが主な要因である。今後も組織・事務事業の見直しを実施すると共に適正な人員配置、定員管理に努めていく。
茨城県及び類似団体平均と比較すると下回る結果となっており、過去5年間の推移をみても下回る傾向が続いている。令和4年度は前年度と比較すると1.4ポイントの増となった。主な要因として、物価高騰に伴う光熱水費の増や、じん芥収集運搬委託料の増など、分子となる経常経費充当一般財源が増となった一方で、普通交付税の再算定などの増額幅を臨時財政対策債の減額幅が大きく上回ったため、分母となる経常一般財源総額が減となったことから、分子は増、分母が減となり、前年度と比較して増となった。今後も旅費や需用費、委託料、備品購入費などの継続的な精査、見直しを図っていく。
全国平均や類似団体平均と比較すると依然として低い水準が続いている。令和4年度においても、障害者・障害児への給付費や管外保育園を含む民間保育園入所委託料など、前年度から増加傾向が続いているものの、一方で生活保護費負担金の過年度分の精算により、特定財源が増加したことで、結果として前年度と同水準の10.8ポイントとなった。今後も市独自で実施する扶助費について、継続的に精査・見直しを行い、健全な財政運営に努めていく。
令和4年度決算は、、前年度と比較すると0.9ポイントの増となったものの、全国平均や類似団体平均よりは低い水準となっている。前年度比で増となった主な要因は、地域振興基金積立金や公共施設整備基金積立金などの増により、分子である経常経費充当一般財源が増となった一方で、臨時財政対策債の大幅な減により、分母である経常一般財源等が減となったためである。後期高齢者医療、介護保険の特別会計に対する繰出金については、高齢化率の割合が高いことなどから、増加傾向が続いている。
全国平均及び類似団体平均と比較すると高い水準が続いている。令和4年度決算においては取手地方広域下水道組合に対する負担金の増により、分子となる経常経費充当一般財源が増となった一方で、臨時財政対策債の減額により分母となる経常一般財源等が減となったことで、前年度と比較して1.5ポイント増の12.7ポイントとなった。今後も引き続き適正な補助金の交付を行い、公平性・公益性の確保に努めていくと共に、一部事務組合については、維持管理経費の削減などによる負担金の抑制や、組織の見直しの検討により、効率的な行政運営を図っていく。
全国平均及び類似団体平均と比較すると、依然として高い割合が続いている。公債費については、平成30年度に起債した臨時財政対策債や、令和2年度に起債した合併特例事業債の償還を今年度から開始したことに加え、一部事務組合等の地方債充当負担金も増となったことで、分子となる地方債の元利償還金は増加した。結果として、前年度比で1.0ポイントの増となった。類似団体平均と比較すると経常収支比率は4.4ポイント上回っており、公債費の負担は非常に重いものとなっている。今後も緊急度や市民ニーズの高い事業の選択実施等を進め、新規発行額の抑制及び平準化に努める。
令和4年度決算では、臨時財政対策債の大幅な減などにより、分母となる経常一般財源総額が減となった影響もあり、扶助費を除いた全ての項目において比率が増となり、扶助費も前年度と同水準となっているため、前年度と比較して5.2ポイントの増となっている。今後も引き続類似団体平均と比較して高い水準にあるものについては、継続的に精査、見直しを行い、健全な財政運営を行っていく。
(増減理由)財政調整基金は普通会計前年度繰越金の積立や財源調整に伴う積立により186百万円増、一方で減債基金は公債費に充当する一般財源等の不足に対応するため、150百万円を取り崩したことなどにより130百万円の減となった。特定目的基金は新たに地域振興基金を造成し、1,136百万円の積立を行ったことや、ふるさと取手応援基金寄附金の増加によりふるさと取手応援基金に1,083百万円積み立てたことなどにより1,366百万円増、結果、基金全体としては1,421百万円の大幅増となった。(今後の方針)公債費が中長期的には減少していくものの、当面は高止まりの見込みであり、老朽化が進む施設の改修等への充当も増加する見込みである中、財政調整基金の残高が適正であるとされる標準財政規模の10%を下回っている。今後は、少しでも積み増しができるよう、残高が増加傾向にあるふるさと取手応援基金の積極的な活用を図っていくと共に、令和4年度に新たに造成した地域振興基金も併せて活用していく。
(増減理由)普通会計前年度繰越金の積立や財源調整に伴う積立により増加している。(今後の方針)財政調整基金の残高は、標準財政規模の10%を確保するように努めていく。
(増減理由)地方債の償還のため150百万円を取り崩したことにより減少している。(今後の方針)合併特例債及び臨時財政対策債の償還額増加等により公債費は当面の間、高止まりとなることから、今後も基金残高が減少していくことが見込まれるため、基金残高の確保に努める。
(基金の使途)・地域振興基金:合併特例債(基金積立分)を財源として基金を造成し、市民の連帯の強化や地域振興等のために必要な事業に活用する。・公共施設整備基金:文化施設、社会福祉施設、その他の公共施設の整備を推進し、市民の生活環境の向上と健康で文化的なまちづくりを促進する。・ふるさと取手応援基金:ふるさと取手応援寄附金を財源として多様な事業を実施することにより、様々な人々の参加による個性豊かで活力あるふるさとづくりと地域全体の活性化を図る。(増減理由)・地域振興基金:令和4年度に新たに造成した基金であるため、皆増。・ふるさと取手応援基金:ふるさと取手応援寄附金1,083百万円を積み立てたことによる増。(今後の方針)・地域振興基金:令和5年度にも令和4年度同様に積立を行い、財源として借り入れた合併特例債(基金造成分)を償還した額を基金から取り崩して事業に活用できるため、令和6年度当初予算から活用し、財政調整基金が標準財政規模の10%を確保できるよう、様々な事業に活用していく。・公共施設整備基金:市の所有施設は昭和40年代から50年代に整備されたものが多いことから、施設の老朽化が進んでおり、当面の間は、改修等への充当により基金残高が減少していくことが見込まれるため、市有財産の売り払いを推進するなど、基金残高の確保に努める。・ふるさと取手応援基金:ふるさと納税ポータルサイトや返礼品の更なる拡充をすることで寄附の増加を図り、基金残高の確保に努める。
平成29年度61.4%、平成30年度62.0%、令和元年度63.0%、令和2年度64.0%、令和3年度65.3%となり、公共施設等への新規投資を資産の減価償却が上回った結果、前年度と比較して1.3ポイント増加した。令和3年度の内訳として、事業用資産が66.2%(前年度比0.8%増)、インフラ資産が64.6%(前年度比1.5%増)となっており、事業用資産においてより老朽化が進んでいる。今後、人口構造の変化によって公共施設等の利用需要が変化していくことが予想されている中で、中長期的な視点に基づき、公共施設等の最適な配置(選択と集中)を進めていく必要がある。同時に、新規投資と更新投資のバランスを重視しつつ、資金確保と更新時期を把握することで、計画的に財政負担を軽減・平準化することが安定した行政運営に必要となる。
平成29年度774.5%、平成30年度849.3%、令和元年度935.3%、令和2年度855.4%、令和3年度582.8%となり、類似団体平均と比較すると高い状況が続いており、経常的に確保できる資金に対し、地方債等の債務負担が重い状況にあると言える。地方債残高が以前よりも減少しているものの、業務収支における黒字部分が依然として小さいことが要因である。今後、公共資産投資と地方債残高のバランスを考慮しながら、将来世代への負担の先送りが顕著とならないよう、安定的な財政運営を維持していく。
将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに、類似団体平均と比較して高くなっており、対前年度比較でみると、将来負担比率は減少しているが、有形固定資産減価償却率は増加している。令和3年度については、将来負担額のうち設立法人の負担額等負担見込額が増となったものの、地方債残高、組合等負担見込額、退職手当負担見込額等の減により、分子となる将来負担額合計が減となった。一方で、標準税収入等は大幅な減となったものの、普通交付税、臨時財政対策債発行可能額が大幅に増となったことから、分母全体でみても増となった。結果的に、分子が減、分母が増となったことから将来負担比率も減少することとなった。なお、将来負担比率が類似団体平均と比較して特に高くなっている要因としては、区画整理事業や小中学校の大規模改造等の公共資産への投資を行っており、将来世代が便益を享受する資産を形成する一方で、財源としている地方債残高が減少しているものの、依然として大きいためである。さらに、公共施設全体として老朽化の程度が進行していることも要因である。今後は、中長期的に経年での推移のバランスを注視し、健全な財政運営を進めていく。
将来負担比率、実質公債費比率ともに、類似団体平均と比較して高くなっているが、将来負担比率、実質公債費比率ともに対前年度比較でみるとやや減少している。これは、分母となる標準財政規模が増となったことや一部事務組合の負担等見込額が減となったことによるものである。今後も公債費等の義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、将来世代への負担を少しでも軽減するよう、新規事業の実施等に係る総点検を行い、財政の健全化に努めるとともに、適正な事業の選択・実施による地方債発行、償還年限の見直し等を行い、公債費の減額及び償還金の平準化を図る。
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