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地方財政ダッシュボード

茨城県取手市の財政状況(2019年度)

🏠取手市

地方公営企業の一覧


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

平成20年度秋以降の世界的な経済金融危機や東日本大震災、欧州危機等による景気の悪化から、市内大手企業の収益減に伴う法人市民税の減収などの影響により、近年は微減の状況が続いている。令和元年度決算は前年度と比較し0.01ポイント減少の0.68となり、類似団体平均を下回っている。市内に大手企業が立地していることから、景気や為替の動向等、法人市民税に関わる状況の変化が市の収入全体に大きく影響するため、今後も注視していく必要がある。また、個人市民税については、緩やかな景気の回復により徐々に持ち直しの兆しがみられるものの、生産年齢人口の減少による減収が危惧される。当市としては、行政経営改革プランに基づき歳入の確保に努めており、平成29年度には手数料・使用料について改定を行い、受益者負担の適正化を図った。歳入を確保するとともに、さらなる歳出の抑制に努め、収支均衡型の財政構造への転換を図り、持続可能な財政構造の構築に努める。

経常収支比率の分析欄

前年度と比較して1.1ポイント上昇の97.1%となり、類似団体平均と比較して2.8ポイント上回っている。分母である経常一般財源は、普通交付税473百万円、地方特例交付金155百万円の増であったものの、市民税全体で474百万円、臨時財政対策債305百万円の減などにより134百万(0.58%)の減となった。分子である経常経費充当一般財源は、扶助費や消費税率引き上げに伴う物件費の増などにより112百万円(0.50%)の増となった。分子である経常経費充当一般財源が増加し、分母である経常一般財源が減少したことにより、経常収支比率が上昇した。今後も、人件費の抑制と併せて、内部事務経費の削減や、事務事業の見直しと再構築、公共施設マネジメントの推進、一部事務組合・第三セクター等の組織の見直し、指定管理者制度の活用など、歳出の抜本的な見直しに努め、継続して行財政改革を実施していく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

全国、茨城県及び類似団体平均と比較しても下回る結果となっている。消費税率引き上げに伴い物件費については増加したが、職員の年齢構成の変化(平均年齢-0.8歳)に伴う職員給の減などによる人件費の減少が大きくなっているためである。今後、定年退職者等の人員補充は実施するものの、適正な給与支給と定員管理による人件費の抑制と内部事務管理経費等の削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

全国市平均及び類似団体平均と比較してもラスパイレス指数は下回っている。これは、昇格試験の実施等による昇格基準の見直しなどによりラスパイレス指数が減となったものと思われる。また、地域手当についても、人事院勧告では16%支給地域に指定されているものの、抑制して支給している(平成27年度6%、28年度8%、29年度10%で支給)。今後も人事院勧告に準拠し、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

全国、茨城県平均は下回っているものの、類似団体平均については上回る状況となっている。これは、市直営による消防業務や、待機児童対策・子育て支援の充実のために保育士を積極的に採用していることなどが影響していると考えられる。今後も、組織や事務事業の見直しに併せて計画的な定員管理の中で職員の適正化を図る。

実質公債費比率の分析欄

全国平均、類似団体平均を上回っている状況が続いているが、徐々にではあるが数値の改善が見られる。単年度数値においては、令和元年度は6.24%で平成28年度の7.31%と比較して1.07ポイント低下となった。分子の、公債費に準ずる債務負担行為に充てた一般財源、一部事務組合への負担金の減などにより、分子が対前年度比較で214百万円の減(-15.21%)、分母は普通交付税の増により37百万円の増(+0.20%)となった。分子が減となり、分母が増となったことから、実質公債費比率は前年度比較で低下した。今後も適正な事業の選択・実施による市債の発行、償還年限の見直し等を行い、公債費の減額及び償還金の平準化を図り、実質公債費比率の低下に努める。

将来負担比率の分析欄

全国平均、類似団体平均を上回っている状況が続いている。将来負担額のうち組合等負担額は減となったものの、地方債残高、退職手当負担見込額が増となり、分子となる将来負担額合計が対前年度比較で1,002百万円の増(+16.71%)となった。また、臨時財政対策債発行可能額、標準税収入は減となったものの、普通交付税等が増となり、分母が対前年度比較で37百万円の増(+0.20%)となった。分子の増が分母の増を大幅に上回ったことから、将来負担比率は対前年度比較で大きく増加した。今後、公債費等の義務的経費の削減を中心とする行政改革を進め、後世への負担を少しでも軽減するよう、事業の総点検等を実施し、地方債発行の抑制など、地方債現在高の上昇を抑え財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

全国平均及び類似団体平均と比較すると高い割合になっている。取手市は昭和40年、50年代の人口急増期に公立保育所の新設等による職員の採用を行っていた。そのため、高齢職員の占める割合が類似団体等よりも高くなっているため、人件費も高い傾向となっている。しかしながら、近年は職員の年齢構成の変化に伴う職員給の減などにより人件費の抑制が図られ、27~29%前後で推移している。令和元年度決算は前年度と比較して0.3ポイントの減となったが、これは調理員の退職者不補充等に伴う給料の減などによる人件費の減が大きかったためである。今後も組織・事務事業の見直しを実施するとともに適正な定員管理に努める。

物件費の分析欄

全国、茨城県及び類似団体平均と比較すると下回る結果となっており、過去5年間の推移を見ても低い水準を維持している。令和元年度決算は前年度と比較して0.4ポイントの上昇となったが、これは令和元年10月からの消費税率引き上げに伴う増により、分子である経常充当一般財源が増となり、市民税や臨時財政対策債の減等により、分母となる経常一般財源総額が減少したためである。今後も、旅費や需用費、備品購入費、委託料など継続的に精査、見直しを図っていく。

扶助費の分析欄

茨城県平均は上回っているものの、全国平均や類似団体平均と比較すると低い割合となっているが、年々割合が大きくなってきている。全国的に高齢化社会を迎えているなか、当市においても社会保障経費にかかる経費は今後も増加が予想される。特に生活保護費、障害者自立支援給付費、児童扶養手当にかかる費用が増加してきており、経常収支比率を押し上げる主因となっていくことが懸念される。今後、市が単独で行う各種扶助の経費については、継続的に精査、見直しを図っていく必要がある。

その他の分析欄

令和元年度決算は、前年度と比較して0.4ポイントの上昇となった。主な要因としては、繰出金の増加や、市民税や臨時財政対策債の減等により、経常一般財源総額が減少したためである。後期高齢者医療、介護保険事業の特別会計に対する繰出金については、高齢化率の割合が高いことなどから年々増加傾向となっている。

補助費等の分析欄

全国平均及び類似団体平均と比較すると高い割合になっている。取手地方広域下水道組合負担金等の減により、分子である経常充当一般財源が減となり、市民税や臨時財政対策債の減等により、分母となる経常一般財源総額も減少したことにより、前年度と同率となった。また、補助金については、平成21年度に10%のマイナスシーリングを実施し、平成22年度には公募制補助金を導入し削減に努めている。今後も引き続き適正な補助金の交付を行い、公平性・公益性の確保に努めていく。一部事務組合についても、維持管理経費の削減などの働きかけによる負担金の抑制や、組織の見直しの検討により効率的な行政運営を図っていく。

公債費の分析欄

公債費については、過去に実施した都市基盤整備事業の元利償還金に加え、喫緊の課題である学校施設の老朽化対策事業の実施や、臨時財政対策債などの特例的な地方債の借入により地方債現在高が増加した影響で、地方債の元利償還金も増加しており、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を3.9ポイント上回っている。さらに下水道事業の元利償還金に係るものなど公債費に類似の経費を合わせると、人口1人当たりの決算額は類似団体平均を3,657円上回っており、公債費の負担は非常に重いものとなっている。今後、公債費は高止まりで推移することが予測され、将来に対する投資的な事業についても、緊急性や優先順位を十分検討し、公債費の抑制や平準化を図っていく。

公債費以外の分析欄

令和元年度決算では、市民税や臨時財政対策債の減等により、分母となる経常一般財源総額が減少した影響もあり、人件費を除いて比率が増となり、前年度と比較して1.5ポイントの上昇となった。今後、類似団体平均と比較し高い水準のものについては、継続的に精査、見直しを行い健全な財政運営を行っていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

歳出決算額は、住民一人当たり391,103円となっている。令和2.1.1現在の人口が107,097人となっており、前年度の平成31.1.1現在107,489人と比較して392人減少しており、歳出総額が前年度より3,372百万円増の41,886百万円となったことにより多くの費目について住民一人当たりの決算額が増加した。民生費は住民一人当たり149,006円となり、前年度比10.3%の増となっている。これは、井野なないろ保育所・地域子育て支援センター整備事業の実施や民間保育園・認定こども園運営費、障害者自立支援給付費、生活保護費などの社会保障経費が増となったことが要因である。商工費は住民一人当たり5,627円となり、前年度比92.0%の大幅な増となっている。これは、プレミアム付商品券事業の実施や産業活動支援条例補助金などが増となったことが要因である。土木費は住民一人当たり55,933円となり、前年度比20.2%の増となっている。これは、取手駅北土地区画整理事業の進捗により大幅に増となったことなどが要因である。教育費は住民一人当たり50,193円となり、前年度比18.4%の増となっている。これは、戸頭中学校校舎大規模改造・武道場非構造部材耐震改修事業などで減となったものの、藤代南中学校校舎・体育館大規模改造事業、小中学校空調設備設置事業等が増となったことが要因である。今後も事業の緊急性や優先順位を十分検討し、事業費の削減や、市債の新規発行の抑制を図るとともに、借換えや耐用年数等を勘案した償還期間の設定を行い、公債費についても縮減や平準化を図っていく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算額は、住民一人当たり391,103円となっている。令和2.1.1現在の人口が107,097人となっており、前年度の平成31.1.1現在107,489人と比較して392人減少しており、歳出総額が前年度より3,372百万円増の41,886百万円となったことにより多くの費目について住民一人当たりの決算額が増加した。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり64,609円となっており、類似団体50団体中11番目の高い水準にある。人件費が高い水準にある要因は、消防業務を一部事務組合ではなく市単独で行っていること、昭和40年、50年代に人口が急増したため、多くの職員を採用しており、高齢職員の占める割合が類似団体等よりも高くなっているため人件費も高い傾向となっていると考えられる。年度ごとの推移をみると、行政経営改革プランの成果や職員の年齢構成の変化もあり、職員給の減などにより人件費の抑制が図られ、平成27年度以降人件費総額は減傾向となっているが、人口も減となっているため、一人当たりの人件費ではほぼ横ばいとなっている。令和元年度の決算は、調理員の退職者不補充等に伴う給料の減などにより減となったが、人口一人当たりの決算額は人口が前年度よりも減少したため微減となった。扶助費は住民一人当たり85,276円となっており、全国、茨城県及び類似団体平均よりも低くなっているが、前年度決算額と比較すると6,179円の増となっている。全国的に高齢化社会を迎えているなか、当市においても社会保障経費にかかる経費は今後も増加が予想され、特に生活保護費、障害者自立支援給付費等にかかる費用が膨らんできている。普通建設事業費(うち新規整備)は住民一人当たり30,922円となっており、前年度決算額と比較して20,450円の大幅な増となっている。これは、取手駅北土地区画整理事業、280MHz防災無線設置事業や小学校空調設備設置事業を実施したことによる。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

実質収支比率は、令和元年度においては3.54%であった。これは、分子となる実質収支が18百万円の減(形式収支30百万円の増、翌年度に繰り越す財源48百万円の増)、分母となる標準財政規模が75百万円の増(標準税収入額93百万円の減、普通交付税473百万円の増、臨時財政対策債305百万円の減)となり、前年度と比較すると0.09ポイント減少となった。財政調整基金残高は、近年10%前後と低い割合で推移してきたところであるが、令和元年度は前年度と比較して2.61ポイント減少の7.28%となり、さらに数値が悪化した。実質単年度収支については、令和元年度には前年度と比較して0.75ポイント減少の-2.65%と2年連続のマイナスとなった。これは、前年度に続き市内大手企業の業績の下落による法人市民税の大幅な減収に伴い、財源手当として財政調整基金を取り崩したためである。今後、収納率の向上、市有財産の処分等により歳入を確保するとともに、さらなる歳出の抑制に努め、将来を見据えた財政運営に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

一般会計及び特別会計を含めた連結赤字比率の合計については黒字であり、令和元年度の比率は9.01%で、前年度の黒字8.63%と比較すると、0.38ポイントの増加となった。国民健康保険事業特別会計については、平成21年度までは赤字であったが、平成22年度より黒字に転じている。平成22年度以降は、すべての会計が黒字になっており、財政の健全化が保持されている。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

元利償還金等(A)について、平成30年度と比較すると175百万円の減になっている。これは、元利償還金が、平成20年度に借入れた取手駅東口多目的広場用地取得事業債の償還が終了となったことなどにより109百万円減となったことや、組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等が64百万円の減となったことが主な要因である。一方、算入公債費等(B)については、平成30年度と比較すると39百万円の増になっている。これは、道路橋りょう費及び下水道費の減に伴い、事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費が31百万円の減となったものの、臨時財政対策債及び合併特例債の償還額の増に伴い災害復旧等に係る基準財政需要額が69百万円増になったことなどが要因である。元利償還金等(A)の合計が175百万円減少している上、元利償還金等から差し引くことのできる歳入公債費等(B)が39百万円増加しているため、実質公債費比率の分子としては214百万円の減となった。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

将来負担額(A)について、平成30年度と比較すると1,640百万円の増になっている。これは、組合等負担見込額が減少(対前年度比1,128百万円の減)したものの、一般会計等に係る地方債の現在高が学校教育施設等整備事業債や緊急防災・減災事業債などの発行により増加(対前年度比2,717百万円の増)したことが主な要因である。また、充当可能財源等(B)については、平成30年度と比較すると639百万円の増になっている。これは、充当可能基金現在高が減少(対前年度比214百万円の減)したものの、基準財政需要額算入見込額が増加(対前年度比760百万円の増)したことが主な要因である。将来負担額(A)の合計が1,640百万円増加し、そこから差し引くことのできる充当可能財源(B)の合計も639百万円増加したが、将来負担額(A)の合計の増加分が大きいため、将来負担比率の分子としては、対前年度比で1,002百万円の増加となった。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)令和元年度は寄附金の増加により「ふるさと取手応援基金」が127百万円の増、学校施設の老朽化対策に活用するための積み立てにより「学校施設整備基金」が35百万円増となったが、一方で法人市民税の大幅な減収に対応するための取崩し等により「財政調整基金」が591百万円の減、公債費の償還に対応するため「減債基金」の取崩しにより280百万円の減、公共施設の老朽化対策等への充当により「公共施設整備基金」が47百万円の減となったため、積立金現在高全体で755百万円の減となった。(今後の方針)法人市民税の先行きの不透明さや、公債費の増加傾向、老朽化の進む施設の改修等への充当の増加を考慮すると、基金残高の急激な増加は見込めないが、少しずつでも積み増しができるよう努めていく。

財政調整基金

(増減理由)主な要因として法人市民税の大幅な減収に対応するための取崩し等により591百万円の減。(今後の方針)生産年齢人口の減少により個人市民税が伸び悩んでいること、法人市民税の先行きを見通すことが難しいことから、急激な基金残高の増加は見込めない状況にあるが、標準財政規模の10%を確保するよう努めている。

減債基金

(増減理由)公債費の償還に対応するための取崩しにより280百万円の減。(今後の方針)満期一括償還が平成29年度で終了したことにより大きな取り崩しは見込まれないが、合併特例債及び臨時財政対策債により公債費は増加しているため、今後は基金残高が緩やかに減少することが見込まれる。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設整備基金:文化施設、社会福祉施設、その他の公共施設を円滑かつ効率的に整備することにより、市民の生活環境の向上を図り、健康で文化的なまちづくりを促進。みどりの基金:広く市民その他の積極的な参加と協力により、緑の保全と緑化の推進及び啓発を図り、健康で快適な生活環境づくりに寄与することを目的とする。(増減理由)公共施設整備基金:取手庁舎議会棟大会議室改修工事10百万円、取手駅西口エスカレーター改修工事9.5百万円、宮ノ前ふれあい公園改修工事7.9百万円、藤代スポーツセンター体育館給水ポンプ改修工事6百万、中谷津1号・新町2号ポンプ改修工事4.8百万円を充当したことによる減ふるさと取手応援基金:未来を担う子どもたちを応援する事業などに48百万円充当したものの、ふるさと取手応援寄附金の寄付額175百万円を積み立てたことによる増(今後の方針)市の所有施設は昭和40年代から50年代に整備されたものが多いことから、近年、公共施設整備基金や学校施設整備基金については、老朽化の進む施設の改修等への充当の増加に伴い、基金残高は減少傾向にある。当面はこうした厳しい状況が続くことが見込まれるが、基金残高の確保に努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成27年度59.0%、28年度60.4%、29年度61.4%、30年度は62.0%、令和元年度は63.0%となり、公共施設への新規投資より資産の減価償却が上回った結果、前年度に比べ増加した。令和元年度の内訳として、事業用資産64.6%、インフラ資産61.8%と事業用資産においてより老朽化の程度が進んでいる。今後、人口構造の変化により公共施設等の利用需要が変化していくことが予想される中で、中長期的な視点のもとに、公共施設等の最適な配置(選択と集中)を進めていく必要がある。同時に、新規投資と更新投資のバランスを重視しつつ、資金の確保と更新時期を把握することで計画的に財政負担を軽減・平準化することが、安定的な行政経営に不可欠となる。

債務償還比率の分析欄

平成27年度は785.6%、平成28年度は941.5%、平成29年度774.5%、30年度は849.3%、令和元年度は935.3%であり、類似団体平均と比較すると高くなっており、経常的に確保できる資金に対して地方債等の債務負担が重い状況にあるといえる。これは、地方債残高が増加している中、業務収支における黒字分が大きくないことが要因である。今後、公共資産投資と地方債残高のバランスを考慮しながら、将来世代への負担の先送りが顕著とならないよう、安定的な財政運営を検討していく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに、類似団体平均と比較して高くなっており、対前年度比較でみてもいずれも増加している。令和元年度については、将来負担額のうち組合等負担見込額は減となったものの、地方債残高や退職手当負担見込額等の増により、分子となる将来負担額合計が増となった。一方で、臨時財政対策債や標準税収入等については減となったが、普通交付税が大幅に増となったことから、分母全体でみても増となった。結果的に、分子・分母の値ともに増となったが、分子の増が分母の増を大幅に上回ったことから将来負担比率も大きく増加することとなった。なお、将来負担比率が類似団体平均と比較して特に高くなっている要因としては、区画整理事業や小中学校の大規模改造等の公共資産への投資を行っており、将来世代が便益を享受する資産を形成する一方で、財源としている地方債残高が増加しているためである。さらに、公共施設全体として老朽化の程度が進行しており、そのための改修を実施するなど将来世代への負担も増加しているといえる。今後は、中長期的に経年での推移のバランスを注視し、健全な財政運営を進めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率ともに、類似団体平均と比較して高くなっているが、実質公債費比率については対前年度比較でみるとやや低下している。これは、大規模事業の償還終了により公債費充当一般財源が減となったことや一部事務組合への負担金が減となったことによるものである。今後も公債費等の義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、将来世代への負担を少しでも軽減するよう、新規事業の実施等に係る総点検を行い、財政の健全化に努めるとともに、適正な事業の選択・実施による地方債発行、償還年限の見直し等を行い、公債費の減額及び償還金の平準化を図る。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率が特に低くなっている施設は、認定こども園・幼稚園・保育所である。認定こども園・幼稚園・保育所については、有形固定資産減価償却率が平成30から令和1にかけて大きく低下している。これは、子育て環境の整備のため、令和元年度に老朽化した吉田保育所と舟山保育所を統合し、東部子育て支援センターの機能を含めた井野なないろ保育所・地域子育て支援センターを新しく設置したためである。これに伴い、一人当たり面積も増加し、類似団体平均を上回ることとなった。維持管理にかかる経費の増加に留意しつつ、引き続き、子育て環境の整備に積極的に取り組んでいく。また、類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率が特に高くなっている施設は、公営住宅である。これは、公営住宅の多くが、昭和40年代から50年代にかけて建設されており、全施設が築40年を経過しているためである。現在、木造の住宅は、老朽化が著しいため、入居者の募集を停止しており、現入居者が退去し次第、取り壊す方針を決定している。プレキャストコンクリート造の住宅は、平成28年度から令和2年度にかけて屋根・外壁の改修を含めた長寿命化計画を策定しており、計画的な予防保全の考え方に基づき、維持管理・耐久性の向上等の改善を実施していき、使用を継続していく。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率が特に低くなっている施設は、一般廃棄物処理施設、保健センターであり、他の施設に関しては同程度の水準となっている。一般廃棄物処理施設については、一部事務組合である常総地方広域市町村圏事務組合が平成28年度より連結対象となった。また、主な施設である常総環境センターが老朽化のため建て替えを実施し、平成24年7月に竣工した比較的新しい施設であるため数値が低くなっている。保健センターについては、平成27年度に既存の2施設を統合して、取手駅前の新設の複合施設へ移転したことにより減価償却率が低下した。また、平成28年度には旧施設のうち1施設を売却、もう1施設の所管替えを行い、未利用資産の効率的活用に努めている。公共施設等については、平成28年度に策定した「取手市公共施設等総合管理計画」に基づき、今後も長期的視点で更新・維持管理等を行っていく。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から244百万円の減少(-0.2%)となった。金額の変動が大きいものは有形固定資産(事業用資産・物品インフラ資産)、流動資産(基金)であり、事業用資産は公共施設の新築工事や大規模改造工事の実施により657百万円増加し、物品は市内小学校特別教室空調設備設置工事や同報無線システム改修工事の実施により1,080百万円増加したものの、インフラ資産は資産の取得額を減価償却による資産の減少が上回ったことにより1,374百万円減少した。基金は財政調整基金や減債基金の減少により870百万円減少した。一方で負債総額が前年度末から2,744百万円増加(+5.3%)しているが、負債の増加額のうち最も金額が大きいものは、地方債の増加(2,718百万円)である。全体会計では、資産総額が前年度末から228百万円増加(+0.2%)し、負債総額が前年度末から2,746百万円増加(+5.3%)した。資産総額は前年度末から有形固定資産が363百万円増加、投資その他の資産が214百万円増加、流動資産が349百万円減少した。特に国民健康保険事業特別会計において現金預金、財政調整基金が増加したことにより全体会計では増加へ転じた。負債総額は、一般会計等同様、地方債の発行により増加した。連結会計では資産総額が前年度末から227百万円減少(-0.1%)し、負債総額が前年度末から2,142百万円増加(+2.0%)した。資産総額は前年度末から有形固定資産が157百万円増加、投資その他の資産が94百万円減少、流動資産が278百万円減少した。全体会計で資産は増加に転じたが、連結で再び減少となった。負債総額は常総地方広域市町村圏事務組合、取手地方広域下水道組合において地方債が減少したが、茨城県南水道企業団において地方債及び未払金が増加したことにより増加した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、純経常行政コストは、35,283百万円となり、前年度比2,982百万円の増加(+9.2%)となった。そのうち、経常費用は36,598百万円であり、前年度比3,069百万円の増加、経常収益は1,315百万円であり、前年度比86百万円の増加となった。純経常行政コストに臨時損益を含めた純行政コストは、35,335百万円となり、前年度比2,936百万円の増加(+9.1%)となった。増加の要因は、経常費用のうち、業務費用の人件費で退職手当引当金が増加し前年度の戻入益から繰入に転じたこと、物件費等で主に認定こども園認定児入所委託料やプレミアム付商品券事業委託料等の委託費が増加したこと、移転費用の補助金で主に茨城国体取手市実行委員会交付金が増加したこと、社会保障給付で主に障害者自立支援給付費が増加したこと、その他で取手駅西口特別会計の駅北土地区画整理事業における物件移転補償費が増加したことなどがあげられる。プレミアム付商品券事業及び茨城国体事業に関する経費については、今年度で終了するが、それ以外の経費は波があるものの来年度以降も同様の傾向が続くことが見込まれるため、事業の見直し等により経費の抑制に努める。全体会計では、純経常行政コストは、52,988百万円となり、前年度比2,787百万円の増加(+5.6%)となった。純経常行政コストに臨時損益を含めた純行政コストは、53,040百万円となり、前年度比2,740百万円の増加(+5.4%)となった。一般会計等に比べて、競輪事業会計の車券販売収入等を計上しているため、経常収益が1,051百万円多くなっている一方、国民健康保険事業特別会計や介護保険特別会計で給付費等を計上しているため、移転費用が16,946百万円多くなり、純行政コストは17,705百万円多くなっている。連結会計では、純経常行政コストは、66,551百万円となり、前年度比3,533百万円の増加(+5.6%)となった。純経常行政コストに臨時損益を含めた純行政コストは、66,599百万円となり、前年度比3,490百万円の増加(+5.5%)となった。一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上しているため、経常収益が5,079百万円多くなっている一方、移転費用が26,498百万円多くなっているなど、経常費用が36,348百万円多くなり、純行政コストは31,264百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(32,340百万円)が純行政コスト(35,335百万円)を下回ったことから、本年度差額は2,995百万円となり、寄付・調査判明による資産の増加等を含めると、純資産残高は前年度末から2,988百万円の減少となった。財源は、前年と比較すると、税収等で法人市民税法人税割が減少したが、固定資産税、普通交付税が増加したこと、国県等補助金で子どものための教育・保育給付費負担金、防災・安全交付金(生活空間の安全確保分)が増加したこと等により1,850百万円増加した。全体会計では、国民健康保険事業特別会計の国民健康保険税、後期高齢者医療特別会計の後期高齢者医療保険料、介護保険特別会計の介護保険料等が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて財源が18,175百万円多くなっているが、純行政コストも国民健康保険事業特別会計や介護保険特別会計の給付費等が含まれることから一般会計等と比べて17,705百万円多くなっていることで、本年度差額は▲2,525百万円となり、純資産残高は前年度末から2,518百万円の減少となった。財源は、前年と比較すると、国民健康保険事業特別会計において国民健康保険税が減少したが、後期高齢者医療特別会計において主に後期高齢者医療保険料の増加により税収等が増加、介護保険特別会計において普通調整交付金や介護給付費負担金の増加により国県等補助金が増加したこと等で1,990百万円増加した。連結会計では、茨城県後期高齢者医療広域連合の後期高齢者交付金、国庫県支出金等が含まれることから、一般会計等と比べて財源が31,242百万円多くなっているが、純行政コストも31,263百万円多くなっていることで、本年度差額は▲3,016百万円となり、純資産残高は2,369百万円の減少となった。財源は、前年と比較すると、茨城県後期高齢者医療広域連合において後期高齢者交付金、国庫県支出金が増加したこと等により2,536百万円増加した。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支が移転費用支出の大幅な増加により前年度比1,619百万円減少の▲824百万円であった。投資活動収支については、国県等補助金収入、基金取崩収入の増加により前年度比707百万円増加の▲1,864百万円となった。財務活動収支は前年度に引き続き、地方債発行収入が償還支出を上回り、前年度比1,374百万円増加の2,718百万円となり、本年度末資金残高は前年度から30百万円増加し、889百万円となった。全体会計では、一般会計等と同様の理由で、業務活動収支が前年度比1,319百万円減少の▲247百万円、投資活動収支が735百万円増加の▲2,333百万円、財務活動収支が1,374百万円増加の2,718百万円となった結果、資金収支は137百万円となり、本度末資金残高は2,145百万円となった。連結会計についても、一般会計等と同様の理由で、業務活動収支が前年度比878百万円減少の2,007百万円、投資活動収支が307百万円増加の▲3,949百万円、財務活動収支が1,485百万円増加の2,329百万円となった結果、資金収支は387百万円となり、比例連結割合変更に伴う差額を含めて、本度末資金残高は前年度から390百万円増加し、5,619百万円となった。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は類似団体平均と比較すると低い状況が続いている。これは類似団体と比べて当市の資産規模が相対的に低いためである。歳入額対資産比率は、資産の減少により年々減少しており、類似団体平均と比較しても低い数値となっている。資産総額と歳入総額のバランスを見る指標として、今後どちらかが急激に増減する場合に財政上の対応が必要となるため、経年で比較しながら留意していく必要がある。有形固定資産減価償却率については、類似団体平均より若干高い数値となっており、年々数値が悪化している。今後も公共施設等の老朽化が見込まれる中、人口構造の変化により公共施設等の利用需要の変化が予想され、中長期的な視点のもと、公共施設等の最適な配置(選択と集中)を進めていく必要がある。同時に、新規投資と更新投資のバランスを重視しつつ、資金の確保と更新時期を把握することで計画的に財政負担を軽減・平準化することが、安定的な行政経営に不可欠である。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均を下回っており、年々数値が悪化している。これは、類似団体と比べて当市の資産規模が相対的に低いこと、及び地方債発行等の増加により負債も増加していることが影響している。将来世代負担比率は、類似団体平均を上回っており、また、開始時点と比べて5.3%増加している。これは社会資本への投資の財源として地方債残高が増加したことが影響している。今後は新規に発行する地方債の抑制を行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努めていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均と同程度となっているが、年々増加傾向にある。令和元年度の増加の要因としては、区画整理事業に伴う移転補償費用の増加があげられる。また、当市においては、有形固定資産減価償却率が比較的高い水準にあることを踏まえると、今後、公共施設等の更新等への投資の結果として、さらに減価償却費の負担の増加が予想されることから、将来の更新費用等への財源の確保を意識した行政運営を行う必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は類似団体平均を上回っており、資産が減少する一方で負債が増加しており、年々数値が悪化している。これは、保有する資産額が低く、地方債の水準が高い状況となっているといえる。基礎的財政収支は、老朽化対策等による社会資本投資の増加、税収減による財源不足の結果、業務活動収支・投資活動収支ともに赤字となり、地方債の充当や基金の取崩しにより対応している。住民に対するサービス提供能力を有し、将来世代に対して便益を提供する社会資本への必要な投資は、公債に過度に依存しすぎず、基礎的財政収支が中長期的にみて均衡する必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。また、昨年度に比して0.1ポイント減少しており、特に、経常費用が昨年度から3,069百万円増加している。職員の適正な定員管理に努め、人件費の抑制を図るとともに、需用費や委託料についても予算編成時に更なる見直しを図り、経費の削減に努めていく。なお、類似団体平均まで受益者負担比率を引き上げるためには、仮に経常収益を一定とする場合は、7,376百万円経常費用を削減する必要があり、経常費用を一定とする場合は、332百万円経常収益を増加させる必要がある。このため、人件費や物件費等を抑制していくとともに、行政経営改革プランに基づき歳入の確保にも努めてい

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,