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地方財政ダッシュボード

茨城県取手市の財政状況(2020年度)

🏠取手市

地方公営企業の一覧


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は、長引く景気低迷による法人市民税の減収に加え、全国平均を上回る高齢化(令和2年末高齢化率34.5%)に伴う生産年齢人口の減少による個人市民税の減収などから、平成21年度以降低下しており、類似団体平均を下回っている。今後は行政経営改革プランに基づき、市税収納率の向上(現年度課税:5年間で0.3%向上、過年度課税:5年間で0.4%向上)、市有財産の処分、新たな財源の確保に取り組み、歳入の確保に努めるとともに、歳出の抑制に努め、収支均衡型の財政構造への転換を図り、持続可能な財政構造の構築に努める。

経常収支比率の分析欄

人件費及び公債費等の増により経常経費充当一般財源が増加したものの、普通交付税、地方消費税交付金等の増による経常一般財源総額の増加に牽引され、経常収支比率は96.5%と前年度と比較すると0.6ポイント改善したが、平成30年度から引き続き、類似団体平均を上回っている。今後は枠配分予算制度の導入による全事務事業の総点検を行うとともに、指定管理者制度の活用、公共施設マネジメントの推進、ICTを活用した行政サービスの効率化など、歳出の抜本的な見直しと圧縮に努め、経常経費の削減を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費では、職員配置、給与・手当等の適正化を図っていることや、物件費では、特に需用費、備品購入費、委託料などについて予算編成時に精査を行っていること等により、人口1人当たり人件費・物件費等決算額は118,331円と類似団体平均を下回っている。今年度は、物件費が主に指定管理料の減により減少したものの、人件費が主に会計年度任用職員制度移行に伴う報酬等の増により増加したため、前年度決算額と比較すると6,257千円の増(+5.6%)となっている。今後も行政経営改革プランに基づき、指定管理者制度の一般公募を進め、市場の競争原理による経費の縮減を図るとともに適正な給与水準の維持に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

当市の一般行政職の給料表については、国の給料表に準じており、人事院勧告に従い、給与体系の見直しを随時行っていることなどから、ラスパイレス指数は類似団体平均や全国市平均を下回っていると考えられる。また、地域手当については、国基準による支給割合16%に対し、10%に抑制して支給(平成28年度は8%、29年度以降10%で支給)している。今後もラスパイレス指数の推移に留意しつつ、適正値の維持に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

待機児童対策・子育て支援の充実のために保育士を積極的に採用していることや、消防を市単独で行っていることから、類似団体平均を上回っていると考えられる。職員数は合併後の平成17年度には1,069人となっていたが、削減を続け、平成25年度以降は、800人未満で推移している。令和3年4月1日時点では796人となっており、前年度と比較すると9人の増(+1.1%)となっている。職員の年齢構成において中高年層の構成比が高く、今後の数年間において、多くの退職者が見込まれることから、ICTや、再任用制度・会計年度任用職員制度・任期付職員制度などの多様な任用制度を活用することで、組織の効率化、活性化、スリム化を図りながら、より適切な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は6.5%となっており、前年度と比較すると0.6ポイント改善している。依然として類似団体平均を上回っているが、平成30年度以降、改善傾向にある。平成30年度に起債した合併特例債や平成28年度に起債した臨時財政対策債の償還が今年度から開始されたことにより、公債費充当一般財源は増となったものの、組合等の地方債充当負担金が減となったこと、普通交付税の増により標準財政規模が増となったことなどにより、単年度実質公債費比率については、前年度と比較すると0.1ポイント改善している。今後も優先度の高い事業の選択実施等を進め、新規発行額の抑制及び平準化に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は30.0%となっており、前年度と比較すると6.6ポイント改善しているが、依然として類似団体平均を上回っている。取手地方広域下水道組合や常総地方広域市町村圏事務組合への組合等負担見込額の減少や、一般会計の職員数の減による退職手当負担見込額の減少により将来負担額が減少したこと、国民健康保険事業特別会計における国保財政調整基金、一般会計における公共施設整備基金の積み増しによる充当可能基金の増加や、都市計画税の充当額が増となったによる充当可能特定歳入の増加により充当可能財源等が増加したこと、普通交付税の増により標準財政規模が増加したことなどにより、比率は改善している。今後も後世への負担を少しでも軽減するよう、新規事業の実施等について総点検を行い、地方債の新規発行を抑制することで財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

全国平均及び類似団体平均と比較すると高い割合になっている。取手市は昭和40年、50年代の人口急増期に公立保育所の新設等による職員の採用を行っていた。そのため、高齢職員の占める割合が類似団体よりも高くなっているため、人件費も高い傾向となっている。しかしながら、近年は職員の年齢構成の変化に伴う職員給の減などにより人件費の抑制が図られ、27~29%前後で推移している。令和2年度決算は前年度と比較すると0.8ポイントの増となったが、これは会計年度任用職員制度が導入されたことにより、それまで物件費として計上されていた臨時職員の賃金が会計年度任用職員の報酬として人件費に計上されたことなどによる。今後も組織・事務事業の見直しを実施するとともに適正な定員管理に努める。

物件費の分析欄

茨城県及び類似団体平均と比較すると下回る結果となっており、過去5年間の推移を見ても低い水準を維持している。令和2年度決算は前年度と比較すると0.5ポイント減となった。これは会計年度任用職員制度が導入されたことにより、それまで物件費として計上されていた臨時職員の賃金が会計年度任用職員の報酬として人件費に移行したことや、ウェルネスプラザ指定管理委託料が減になったことなどにより分子である経常充当一般財源が減となった一方で、普通交付税の増などにより分母となる経常一般財源総額が増となったためである。今後も旅費、需用費、備品購入費、委託料などの継続的な精査、見直しを図っていく。

扶助費の分析欄

全国平均や類似団体平均と比較すると低い割合となっているが、茨城県平均を若干上回っており、依然として高い割合が続いている。児童手当・児童扶養手当の減などにより、前年度と比較すると0.8ポイントの減となったものの、全国的に高齢化社会を迎えているなか、社会保障経費にかかる経費は今後増加していくことが予想される。特に、障害者自立支援給付費については、前年度と比較しても大きく増加しており、経常収支比率を押し上げる主因となっていくことが懸念される。市が単独で行う各種扶助の経費については、継続的に精査、見直しを図っていく必要がある。

その他の分析欄

令和2年度決算は、前年度と比較すると0.1ポイントの減となり、全国平均や類似団体平均よりは低い水準となっている。主な要因としては、繰出金の増などにより分子である経常充当一般財源が増となった一方で、普通交付税の増等により、分母である経常一般財源総額の増加率がそれ以上に増となったことによる。後期高齢者医療、介護保険事業の特別会計に対する繰出金については、高齢化率の割合が高いことなどから年々増加傾向となっている。

補助費等の分析欄

全国平均及び類似団体平均と比較すると高い割合になっている。令和2年度決算は、コミュニティバス運行経費補償金の増により分子である経常充当一般財源が増となり、普通交付税の増などにより分母となる経常一般財源総額も増となった。分母の増加率が分子の増加率を上回ったため、結果的に前年度と比較すると0.2ポイント減となった。類似団体との比較においては、依然として比率が高い状態が続いている。補助金については、平成21年度に10%のマイナスシーリングを実施したほか、平成22年度には公募制補助金を導入し、削減に努めている。今後も引き続き適正な補助金の交付を行い、公平性・公益性の確保に努めていく。一部事務組合についても、維持管理経費の削減などの働きかけによる負担金の抑制や、組織の見直しの検討により効率的な行政運営を図っていく。

公債費の分析欄

全国平均及び類似団体平均と比較すると高い割合になっている。公債費については、平成28年度に借り入れた臨時財政対策債や平成30年度に借り入れた井野なないろ保育所整備事業に係る合併特例債の償還が開始した影響で、地方債の元利償還金が増加している。この結果、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を4.0ポイント上回っている。さらに、下水道事業の元利償還金に係るものなど公債費に類似の経費を合わせると、人口1人当たりの決算額は類似団体平均を3,610円上回っており、公債費の負担は非常に重いものとなっている。令和3年度予算からは政策的事業に係る地方債の発行に上限を設定していることから、今後は適切に地方債を管理し、公債費の抑制に努めていく。

公債費以外の分析欄

令和2年度決算では、普通交付税の増などにより、分母となる経常一般財源総額が増額した影響もあり、人件費を除いて比率が減となり、前年度と比較すると0.8ポイント減となっている。今後、類似団体平均と比較し高い水準のものについては、継続的に精査、見直しを行い健全な財政運営を行っていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・総務費は、住民一人当たり148,981円となっており、前年度に比べ+99,415円(+200.6%)増加している。これは、特別定額給付金給付事業を行ったことが主な要因である。・民生費は、住民一人当たり141,879円となっており、前年度に比べ-7,127円(-4.8%)減少している。これは、井野なないろ・地域子育て支援センター整備事業が完了したことや民間保育園・認定こども園施設整備費補助金等が減少したことが主な要因である。・衛生費は、住民一人当たり21,394円となっており、前年度に比べ+2,660円(+14.2%)増加している。これは、龍ケ崎地方衛生組合負担金、新型コロナウィルス感染症対策経費が増となったことや新型コロナウイルスワクチン接種事業を行ったことが主な要因である。・商工費は、住民一人当たり14,232円となっており、前年度に比べ+8,605円(+152.9%)増加している。これは、プレミアム付商品券事業を行ったことが主な要因である。・土木費は、住民一人当たり50,507円となっており、前年度に比べ-5,426円(-9.7%)減少している。これは、都市計画道路3・4・7号(台宿工区)整備事業の進捗に伴い、事業費が増となったものの、取手駅北土地区画整理事業の進捗に伴い、事業費が減となったことが主な要因である。・教育費は、住民一人当たり53,368円となっており、前年度に比べ+3,175円(+6.3%)増加している。これは、藤代南中学校校舎・体育館大規模改造事業、小学校空調設備設置事業、茨城国体取手市実行委員会交付金が事業の完了に伴い、減となったものの、GIGAスクール環境整備事業、宮和田小学校校舎・体育館大規模改造事業、中学校空調設備設置事業を行ったことにより、増となったことが主な要因である。・公債費は、住民一人当たり41,263円となっており、前年度に比べ+1,691円(+4.3%)増加している。これは、合併特例債や臨時財政対策債の償還額が増となったことが主な要因である。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算額は、住民一人当たり494,018円となっている。令和3.1.1現在の人口は107,236人となっており、前年度の令和2.1.1現在107,097人と比較して139人増加した。また、歳出総額は前年度より11,090百万円増加し52,976百万円となった。人口の増加幅より歳出総額の増加幅の方が大きかったため、結果として住民一人当たりの決算額が増加した。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり69,178円となっており、類似団体51団体中13番目の高い水準にある。人件費が高い水準にある要因は、消防業務を一部事務組合ではなく市単独で行っていること、昭和40年、50年代に人口が急増したため、多くの職員を採用しており、高齢職員の占める割合が類似団体よりも高くなっていることなどがあげられる。年度ごとの推移をみると、行政経営改革プランの成果や職員の年齢構成の変化もあり、職員給の減などにより人件費の抑制が図られ、平成27年度以降人件費総額は減傾向となっているが、人口も減となっているため、一人当たりの人件費ではほぼ横ばいで推移してきた。令和2年度決算については、会計年度任用職員制度が導入されたことにより会計年度任用職員報酬が大きく増加し、住民一人当たりの決算額が4,569円増となった。扶助費は住民一人当たり89,932円となっており、全国、茨城県及び類似団体平均よりも低くなっているが、前年度決算額と比較すると4,656円増加している。全国的に高齢化社会を迎えているなか、当市においても社会保障経費にかかる経費は今後も増加が予想され、特に障害者自立支援給付費等にかかる費用が膨らんできている。補助費等は特別定額給付金やプレミアム付商品券の販売等により、住民一人当たり151,329円となっており、前年度決算額と比較して110,381円増加している。類似団体との比較においても金額の高い状態が続いているが、これは一部事務組合の負担金が近年増加傾向にあることに起因している。今後は組織の見直しを検討し、効率的な行政運営を図っていく。普通建設事業費(うち新規整備)は住民一人当たり19,783円となっており、前年度決算額と比較して11,139円減少している。これは前年度実施した280MHz同報無線システム導入工事や小学校空調設備設置工事等が減少したことが主な要因である。普通建設事業費(うち更新整備)は住民一人当たり21,792円となっており、前年度決算額と比較して10,623円減少している。これは前年度実施した井野なないろ保育所・地域子育て支援センター新築工事や藤代南中学校校舎・体育館大規模改造工事等が減少したことが主な要因である。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

・財政調整基金残高について、前年度と比較し、基金残高は311百万円減少の1,359百万円、標準財政規模比は1.56ポイント減少の5.72%となっている。・実質収支額について、普通交付税が増収(前年比+488百万円)となったことなどにより、前年度と比較し、実質収支額は444百万円増加の1,256百万円、標準財政規模比は1.75ポイント増加の5.29%となっており、引き続き黒字を確保している。・実質単年度収支について、普通交付税が増収となったことや財政調整基金を取崩したものの適切な財源の確保と歳出の精査により取崩しを抑制(前年比-291百万円)したことにより、前年度と比較し、標準財政規模比は3.21ポイント増加の0.56%となっており、3年ぶりに黒字に転じている。今後も市税収納率の向上、市有財産の処分等により歳入を確保するとともに、更なる歳出削減を図り、健全な行財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

一般会計及び特別会計を含めた連結赤字比率の合計については黒字であり、令和2年度の比率は12.71%で、前年度の黒字9.01%と比較すると、3.7ポイントの増加となった。国民健康保険事業特別会計については、平成21年度までは赤字であったが、平成22年度より黒字に転じている。平成22年度以降は、すべての会計が黒字になっており、財政の健全化が保持されている。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

元利償還金等(A)について、令和元年度と比較すると153百万円の増になっている。これは、元利償還金が、H28年度に借り入れた臨時財政対策債や平成30年度に借入れた井野なないろ保育所整備事業に係る合併特例債の償還が開始したことなどにより188百万円増となったことが主な要因である。また、算入公債費等(B)についても、令和元年度と比較すると133百万円の増になっている。これは、道路橋りょう費、清掃事業費、下水道費等の減に伴い、事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費が39百万円の減となったものの、合併特例債及び臨時財政対策債の償還額の増に伴い災害復旧等に係る基準財政需要額が171百万円増になったことなどが要因である。元利償還金等から差し引くことのできる歳入公債費等(B)が133百万円増加した一方で、元利償還金等(A)の合計がそれを上回る153百万円増加したため、実質公債費比率の分子としては20百万円の増となった。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

将来負担額について、前年度と比較すると965百万円の減となった。これは、一般会計等に係る地方債の現在高が取手駅西口都市整備事業特別会計において取手駅北土地区画整理事業債や減収補てん債などの発行により増加(対前年度比68百万円の増)したものの、一般会計において取手地方広域下水道組合や常総地方広域市町村圏事務組合への組合等負担見込額が減少(対前年度比922百万円の減)したことや、一般会計の職員数の減により退職手当負担見込額が減少(対前年度比77百万円の減)したことが主な要因である。また、充当可能財源等について、前年度と比較すると87百万円の増となった。これは、基準財政需要額算入見込額が下水道費や清掃費の減により減少(対前年度比711百万円の減)したものの、充当可能基金が国民健康保険事業特別会計において国保財政調整基金、一般会計において公共施設整備基金を積み増ししたことにより増加(対前年度比728百万円の増)したことや、充当可能特定歳入が都市計画税の充当額が増となったにより増加(対前年度比70百万円の増)したことが主な要因である。結果として、将来負担額が減少し、充当可能財源等が増加したことで、将来負担比率の分子は、前年度と比較すると1,053百万円の減となった。今後も後世への負担を少しでも軽減するよう、新規事業の実施などについて総点検を図り、財政の健全化を図る。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)市有財産の売り払い等により公共施設整備基金に500百万円積み立て、ふるさと取手応援基金寄附金の増加によりふるさと取手応援基金に230百万円積み立てた一方、後期高齢者医療特別会計繰出金、介護保険特別会計繰出金、民間保育園入所事業等に充当するため、財政調整基金を719百万円取り崩したこと、公債費に充当する一般財源等の不足に対応するため、減債基金を300百万円取り崩したことなどにより基金全体としては2百万円の減となった。(今後の方針)公債費が中長期的には減少していくものの、当面は高止まりの見込みであり、老朽化が進む施設の改修等への充当も増加する見込みである中、財政調整基金の残高が適正であるとされる標準財政規模の10%を下回っている。今後は、少しでも積み増しができるよう、残高が増加傾向にあるふるさと取手応援基金の積極的な活用を図っていく。

財政調整基金

(増減理由)後期高齢者医療特別会計繰出金、介護保険特別会計繰出金、民間保育園入所事業等に充当するため719百万円を取り崩したことによる減少。(今後の方針)財政調整基金の残高は、標準財政規模の10%を確保するように努めていく。

減債基金

(増減理由)償還のため300百万円を取り崩したことによる減少。(今後の方針)合併特例債及び臨時財政対策債の償還額増加等により公債費は当面の間、高止まりとなることから、今後も基金残高が減少していくことが見込まれるため、基金残高の確保に努める。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共施設整備基金:文化施設、社会福祉施設、その他の公共施設の整備を推進し、市民の生活環境の向上と健康で文化的なまちづくりを促進する。・ふるさと取手応援基金:ふるさと取手応援寄附金を財源として多様な事業を実施することにより様々な人々の参加による個性豊かで活力あるふるさとづくりと地域全体の活性化を図る。(増減理由)・公共施設整備基金:市有財産(旧戸頭終末処理場跡地)の売払収入409百万円を積み立てたことによる増加。・ふるさと取手応援基金:ふるさと取手応援寄附金230百万円を積み立てたことによる増加。(今後の方針)・公共施設整備基金:市の所有施設は昭和40年代から50年代に整備されたものが多いことから、施設の老朽化が進んでおり、当面の間は、改修等への充当により基金残高が減少していくことが見込まれるため、市有財産の売り払いを推進するなど、基金残高の確保に努める。・ふるさと取手応援基金:ふるさと納税ポータルサイトや返礼品を拡充することで寄附の増加を図り、基金残高の確保に努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成28年度60.4%、29年度61.4%、30年度62.0%、令和元年度63.0%、2年度64.0%となり、公共施設への新規投資より資産の減価償却が上回った結果、前年度に比べ増加した。令和2年度の内訳として、事業用資産65.4%、インフラ資産63.1%と事業用資産においてより老朽化の程度が進んでいる。今後、人口構造の変化により公共施設等の利用需要が変化していくことが予想される中で、中長期的な視点のもとに、公共施設等の最適な配置(選択と集中)を進めていく必要がある。同時に、新規投資と更新投資のバランスを重視しつつ、資金の確保と更新時期を把握することで計画的に財政負担を軽減・平準化することが、安定的な行政経営に不可欠となる。

債務償還比率の分析欄

平成28年度941.5%、29年度774.5%、30年度849.3%、令和元年度935.3%、2年度855.4%であり、類似団体平均と比較すると高くなっており、経常的に確保できる資金に対して地方債等の債務負担が重い状況にあるといえる。これは、地方債残高が増加している中、業務収支における黒字分が大きくないことが要因である。今後、公共資産投資と地方債残高のバランスを考慮しながら、将来世代への負担の先送りが顕著とならないよう、安定的な財政運営を検討していく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに、類似団体平均と比較して高くなっており、対前年度比較でみると、将来負担比率は減少しているが、有形固定資産減価償却率は増加している。令和2年度については、将来負担額のうち地方債残高が増となったものの、組合等負担見込額、退職手当負担見込額等、設立法人の負担額等負担見込額の減により、分子となる将来負担額合計が減となった。一方で、標準税収入等や普通交付税、臨時財政対策債発行可能額が大幅に増となったことから、分母全体でみても増となった。結果的に、分子が減、分母が増となったことから将来負担比率も減少することとなった。なお、将来負担比率が類似団体平均と比較して特に高くなっている要因としては、区画整理事業や小中学校の大規模改造等の公共資産への投資を行っており、将来世代が便益を享受する資産を形成する一方で、財源としている地方債残高が増加しているためである。さらに、公共施設全体として老朽化の程度が進行しており、そのための改修を実施するなど将来世代への負担も増加しているといえる。今後は、中長期的に経年での推移のバランスを注視し、健全な財政運営を進めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率ともに、類似団体平均と比較して高くなっているが、将来負担比率、実質公債費比率ともに対前年度比較でみるとやや低下している。これは、分母となる標準財政規模が増となったことや一部事務組合への負担金が減となったことによるものである。今後も公債費等の義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、将来世代への負担を少しでも軽減するよう、新規事業の実施等に係る総点検を行い、財政の健全化に努めるとともに、適正な事業の選択・実施による地方債発行、償還年限の見直し等を行い、公債費の減額及び償還金の平準化を図る。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率が特に低くなっている施設は、認定こども園・幼稚園・保育所である。認定こども園・幼稚園・保育所については、有形固定資産減価償却率が平成30から令和1にかけて大きく低下している。これは、子育て環境の整備のため、令和元年度に老朽化した吉田保育所と舟山保育所を統合し、東部子育て支援センターの機能を含めた井野なないろ保育所・地域子育て支援センターを新しく設置したためである。これに伴い、一人当たり面積も増加し、類似団体平均を上回ることとなった。維持管理にかかる経費の増加に留意しつつ、引き続き、子育て環境の整備に積極的に取り組んでいく。また、類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率が特に高くなっている施設は、公営住宅である。これは、公営住宅の多くが、昭和40年代から50年代にかけて建設されており、全施設が築40年を経過しているためである。現在、木造の住宅は、老朽化が著しいため、入居者の募集を停止しており、現入居者が退去し次第、取り壊す方針を決定している。プレキャストコンクリート造の住宅は、平成28年度から令和2年度にかけて屋根・外壁の改修を含めた長寿命化計画を策定しており、計画的な予防保全の考え方に基づき、維持管理・耐久性の向上等の改善を実施していき、使用を継続していく。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率が特に低くなっている施設は、一般廃棄物処理施設、保健センターであり、他の施設に関しては同程度の水準となっている。一般廃棄物処理施設については、主な施設である常総環境センターが老朽化のため建て替えを実施し、平成24年7月に竣工した比較的新しい施設であるため数値が低くなっている。保健センターについては、平成27年度に既存の2施設を統合して、取手駅前の新設の複合施設へ移転したことにより減価償却率が低下した。また、平成28年度には旧施設のうち1施設を売却、もう1施設の所管替えを行い、未利用資産の効率的活用に努めている。公共施設等については、平成28年度に策定した「取手市公共施設等総合管理計画」に基づき、今後も長期的視点で更新・維持管理等を行っていく。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額は前年度末と比較して148百万円の増加(+0.1%)となった。金額の変動の大きいものは、有形固定資産(インフラ資産)、投資その他の資産(投資及び出資金基金)、流動資産(現金預金基金・棚卸資産)である。有形固定資産は、道路用地の取得及び道路工事への支出や、国土交通省等からの譲渡による資産の取得があったものの、減価償却による価値の減少分が上回り、全体としては456百万円の減少となった。投資その他の資産は、取手地方広域下水道組合に対する出資金の増加や、公共施設整備基金の増加等により、765百万円の増加となった。流動資産は、繰越財源の影響により現金預金の増加があったものの、財政調整基金及び減債基金の減少や、棚卸資産の売却に伴う減少により、161百万円の減少となった。一方で負債総額においては、前年度末と比較し106百万円の減少(-0.2%)となった。金額の変動が大きいものは退。金額の変動が大きいものは退職手当引当金であり、143百万円の減少となった。全体会計においては、資産総額は前年度末と比較して、有形固定資産が456百万円の減少となったものの、投資その他の資産が756百万円の増加、流動資産が830百万円の増加となったため、1,130百万円の増加(+1.0%)となった。特に流動資産においては、国民健康保険事業特別会計の財政調整基金及び現金預金を計上していることから、一般会計等と比較して大幅な増加となった。一方で負債総額においては、一般会計同様に退職手当引当金の減少により、前年度末と比較して99百万円の減少(-0.2%)となった。連結会計においては、資産総額は前年度末と比較して、有形固定資産が382百万円の減少となったものの、投資その他資産が371百万円の増加、流動資産が1,019百万円の増加となったことから、996百万円の増加(+0.5%)となった。また、茨城県県南水道企業団や取手地方広域下水道組合等、一部事務組合の有形固定資産等を含むため、一般会計等や全体会計と比較して70,951百万円多くなっている。一方で負債総額においては、前年度末と比較して取手地方広域下水道組合において地方債が減少したことから、1,298百万円の減少(-1.2%)となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、純経常行政コストは46,681百万円となり、前年度比11,398百万円増(+32.3%)となった。そのうち、経常費用は48,854百万円であり、前年度比12,256百万円の増(+33.5%)となっている。また、経常収益はプレミアム付商品券販売代金の増加等により、前年度と比較し858百万円の増(+65.2%)となった。純経常行政コストに臨時損益を含めた純行政コストは、46,629百万円となり、前年度比11,294百万円の増(32.0%)となった。経常費用は、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として給付した特別定額給付金の影響による移転費用の増加、GIGAスクール環境整備事業に伴うタブレット型パソコンの購入等による物件費の増加等により大幅に増加した。特別定額給付金に係る費用及びGIGAスクールの導入に関する経費は今年度で終了するため、来年度の移転費用と物件費は減少すると考えられるが、それ以外の経費については、引き続き事業の見直し等を行い、経費抑制に努めていく。全体会計においては、純経常行政コストは63,737百万円となり、前年度比10,749百万円の増(+20.3%)となった。純経常行政コストに臨時損益を含めた純行政コストは、63,685百万円となり、前年度比10,645百万円の増(+20.1%)となった。一般会計等と比較すると、競輪事業特別会計の車券販売収入等を計上しているため、経常収益が1,605百万円多くなっている一方で、国民健康保険事業特別会計や介護保険特別会計で給付費等を計上しているため、移転費用が16,425百万円多くなり、純行政コストは17,056百万円多くなっている。連結会計においては、純経常行政コストは76,823百万円となり、前年度比10.272百万円の増(+15.4%)となった。純経常行政コストに臨時損益を含めた純行政コストは、76,761百万円となり、前年度比10,162百万円の増(+15.4%)となった。一般会計等と比較すると、連結対象企業等の事業収益を計上しているため、経常収益が5,646百万円多くなっている一方で、一般会計および特別会計から連結対象団体への補助金等が相殺されたことで、増加幅は一般会計等全体会計と比較して小さくなっているものの、移転費用は25,506百万円多くなっている

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(46,088百万円)が純行政コスト(46,629百万円)を下回ったことから、本年度差額として▲541百万円となったが、無償所管替による資産の増加等を含めると、純資産残高は前年度末から254百万円の増加となった。財源については、前年度と比較すると、税収等は地方消費税交付金の増加、普通交付税の増加、国県等補助金は特別定額給付金給付事業費補助金、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金、及び地域企業活力向上応援事業費補助金の増加、並びに無償所管換等により、全体で13,747百万円の増加となった。全体会計においては、純行政コスト(63,685百万円)を財源(64,119百万円)が上回ったため、本年度差額として434百万円となり、純資産残高は1,229百万円の増加となった。前年度と比較して、後期高齢者医療特別会計において、後期高齢者医療保険料など税収等が増加したものの、国民健康保険事業特別会計において、普通交付金など国県等補助金が減少したため、財源としての増加幅は一般会計等に比べて小さくなった。連結会計においては、純行政コスト(76,761百万円)に対し、財源(77,668百万円)及び比例連結割合変更に伴う差額の増加により、本年度差額として908百万円となり、純資産残高は2,294百万円の増加となった。財源については前年度と比較して、茨城県後期高齢者医療広域連合及び龍ケ崎地方衛生組合における国県等補助金の増加により、全体会計と比較して増加幅が大きくなった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支が新型コロナウイルス感染症の影響により、国県等補助金等収入が大幅に増加したことで、前年度比3,149百万円増の2,325百万円となった。一方、投資活動収支においては、国県等補助金収入及び基金取崩収入が減少したものの、公共施設等整備費支出がそれ以上に減少したため、前年度比256百万円増の▲1,608百万円となった。また、財務活動収支においては、地方債の発行収入が大きく減少したものの、地方債等償還支出を地方債発行収入が上回ったため、前年度比2,651百万円減の67百万円となった。本年度末資金残高は、前年度末から783百万円増の1,673百万円となった。全体会計においては、一般会計等と同様の傾向が見られ、業務活動収支が前年度比3,636百万円の増加となる3,388百万円、投資活動収支が前年度比170百万円増の▲2,163百万円、財務活動収支が前年度比2,651百万円減の67百万円となり、本年度末資金残高は、前年度末から1,292百万円増の3,437百万円となった。連結会計においても一般会計等と同様の傾向が見られ、業務活動収支が前年度比3,344百万円増の5,351百万円、投資活動収支が前年度比271百万円増の▲3,679百万円、財務活動収支が前年度比2,474百万円減の▲145百万円となり、本年度末資金残高は、前年度末から1,538百万円増の7,156百万円となった。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、類似団体平均と比較すると低い状況が続いている。これは類似団体と比べて当市の資産規模が相対的に低いためである。歳入額対資産比率は、令和2年度は資産合計が僅かながら増加したものの、歳入総額がそれ以上に増加したことで、減少傾向が続いており、類似団体平均と比較しても低い数値となっている。資産総額と歳入総額のバランスを見る指標として、今後どちらかが急激に増減する場合に財政上の対応が必要となるため、経年で比較しながら留意していく必要がある。有形固定資産減価償却率は、類似団体平均より若干高い数値となっており、年々数値が悪化している。今後も公共施設等の老朽化が見込まれる中、人口構造の変化により公共施設等の利用需要の変化が予想され、中長期的な視点のもと、公共施設等の最適な配置(選択と集中)を進めていく必要がある。同時に、新規投資と更新投資のバランスを重視しつつ、資金の確保と更新時期を把握することで計画的に財政負担を軽減平準化することが、安定的な行政経営に不可欠である。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均を下回っており、年々数値が悪化している。これは、類似団体と比べて当市の資産規模が相対的に低いこと、及び地方債発行等の増加により負債も増加していることが影響している。将来世代負担比率は、類似団体平均を上回っており、また、開始時点である平成28年度と比較すると、令和2年度は5.5%増加している。これは社会資本への投資の財源として地方債残高が増加したことが影響している。今後は新規に発行する地方債の抑制を行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努めていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均と同程度となっているが、年々増加傾向にある。令和2年度の増加の要因としては、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として給付した、特別定額給付金の影響による移転補償費用の増加があげられる。また、当市においては、有形固定資産減価償却率が比較的高い水準にあることを踏まえると、今後、公共施設等の更新等への投資の結果として、さらに減価償却費の負担の増加が予想されることから、将来の更新費用等への財源の確保を意識した行政運営を行う必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は類似団体平均を上回っており、令和2年度は僅かながら減少したものの、資産が減少する一方で負債が増加する傾向となっており、年々数値が悪化している。これは、保有する資産額が低く、地方債の水準が高い状況となっているといえる。基礎的財政収支は、業務活動収支は新型コロナウイルス感染症対策に関連する国県等補助金収入の大幅な増により、黒字となった一方で、老朽化対策等による社会資本投資の増加、税収減による財源不足の結果、投資活動収支が赤字となり、地方債の充当や基金の取崩しにより対応している。住民に対するサービス提供能力を有し、将来世代に対して便益を提供する社会資本への必要な投資は、公債に過度に依存しすぎず、基礎的財政収支が中長期的にみて均衡する必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

過去2年間において受益者負担比率は類似団体平均を下回っていたが、令和2年度は前年度と比較して0.8ポイントの増加となっており、類似団体平均を上回った。前年度と比較すると、令和2年度は新型コロナウイルス感染症対策に関連する支出が大きく増加したものの、一般会計等において、プレミアム付商品券販売代金等の増加が大きかったことで、経常収益も大きく増加したことで、受益者負担比率は前年度と比較して大幅な増加となった。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,